2008年 12月 10日

ジョーズとどっちが怖い??

厚生労働省の平成18年の「国民健康・栄養調査」(参照)によれば、
・糖尿病が強く疑われる人は約820万人
・糖尿病の可能性が否定できない人は約1050万人
と推定されている。比較的高齢者が多いし、発症までに10年以上かかっているから(「糖尿病
になった人は、発症の12年前からわずかだが確実に、糖尿病にならなかった人より空腹時
血糖値が高く、すい臓に負担がかかっている
」、「糖尿病専門医にまかせなさい」24.p)、40~
74歳層に限ってみると糖尿病予備軍を含めて男性では約27%、女性は約24%が糖尿病が
「強く疑われる」か、または「その可能性が否定できない人」ということになる(参照)。
中高年層のグループがあれば、三人から四人に一人は糖尿病の可能性があるということだ。
他に「糖尿病実態調査」(参照)が97年と02年に実施されているが、1370万、1620万、
今回の1870万と、4~5年おきに確実に250万人ずつ増加している。
今年から40~75歳に義務化された「特定検診」の結果、2000万人を超える該当者が出て
来る可能性がある(日本糖尿病学会は、今年の6月に「空腹時血糖値の正常域に関する新区
分」を公表し、正常域のうち100~110mg/dlを「正常高値」とした。理由は、この範囲を対象に
ブドウ糖負荷検査をすると25~40%は境界型または糖尿病型に属するからというもの。この
点からも予備軍は確実に増加する)。

米国でも、この事情は変わらない。
糖尿病予備軍に相当する「糖尿病前症」の米国人は5600万人、総人口3億に対して18.7%
(日本では総人口比14.7%)に達し、「糖尿病は米国における主要な社会問題になっている
参照)との指摘もある。ところが「糖尿病前症」に相当する人の多くの人々は、僕と同じように
ほとんど自覚症状がなく、自分が病気だという認識もない。しかしこの状態を放置すれば、必ず
10年、20年後には合併症を発症する。「重要なのは、糖尿病前症が身体に何らかの悪影響
をもたらすというメッセージだ。確かに30歳のときにはこれといった問題はないにしても、50歳
になると心臓発作を経験し、下肢には潰瘍が出現しているものだ
」(同前)。

実際は、糖尿病患者自身を含めて多くの人が糖尿病がどういう病気なのかを知らないし(僕は
糖尿病だという診断は受けたけれど、「糖尿病ってどんな病気?」というパンフを、読んでおいて
下さいと渡されただけで、村の診療所でも県立病院でも「どんな病気だ」という説明は受けなか
ったし、入院を奨められたけれど「なぜ入院が必要か」の説明は受けていない。合併症の危険
についても、眼底検査を指示されただけでその意味は説明を受けていない。聞き返しもしなかっ
たけれど)、その「怖さ」を知らない。「糖尿病ネットワーク」の「アメリカの糖尿病最前線」に
「糖尿病に対する危険性の認識度の低さが世論調査から判明」(参照)という面白い記事が
載っている。元記事には「Americans more fearful of shark bites than this common,
potentially lethal disease」との副題が付いている。
米国糖尿病協会がスポンサーとなった調査では、「怖いと思う健康問題」の1位に49%が癌を
挙げる一方、糖尿病を心配する人はわずか3%であった。実際には、癌も糖尿病もほぼ同じく、
年間100万人以上が新規に診断されている。同協会によれば、米国人成人の10%は生涯の
どの時点かで糖尿病と診断されるが、癌を経験するのは6%だという。
一方、別の調査で「心配な事故」の1位は航空機の墜落で16%、2位が落雷の5%。自動車
事故は3%、...動物や虫との接触についての心配は、ヘビによる咬傷(こうしょう)が13%、
クモによる咬傷が8%、サメに噛まれることが4%となっている。
要するに、病気にせよ事故にせよ、「致命的」(lethal)可能性のある諸要因についての心配は
現実には即していないし(イメージ先行で、しかも間違っている)、また糖尿病リスクの「怖さ」の
認識度は極端に低い。
要点は、糖尿病は放置すれば、きわめて「怖い」病気だが、生活習慣を変えれば予防できるし、
または合併症の発症を防げるが、そもそも糖尿病の「怖さ」が(合併症は、ジワジワと音もなく、
長年月をかけて忍び寄って来るから)認識されていない。
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by agsanissi | 2008-12-10 06:01 | 糖尿病


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