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2008年 12月 11日

まず、何から始めたか?/3

今朝は7時過ぎから予想外の雨になった。昨夜は油断して、干し大根を外に出したままにして
しまった。気温は5度前後。

6.薬と食事・運動
僕は、生涯を通して薬をほとんど飲んだことがない。記憶にあるのは、幼児のときのクロロマイ
セチンと、二度ばかり外科手術を受けたあとの化膿止め、歯医者で貰った痛み止め、他には
目薬と正露丸くらいなもの。ある特定の時期に頭痛薬を数回服用したことがあるかな。
主義として薬を忌避しているわけではない。前にも「農薬」に関連して書いたことがあるが、
必要なら使うし、不必要なら使わない。必要ない状態が一番望ましい、と考えているだけだ。
これは自分の身体でも、作物でも一緒だ。

前回書いたように、10/30の診察で二種類の薬を30日分処方された。更に11/11の診察時に
「薬の効果が確認された」として、次回診察時までの100日分の同一・同量の薬を処方された。
SU薬はインスリン分泌を刺激する血糖降下剤で、これは一種のカンフル剤で、長期に服用し
続ければ、すい臓機能を衰弱させる結果になる。
食事後に血糖値が上昇し、高血糖状態が持続するというのは、インスリンが不足しているか、
インスリンの感受性が衰えているか、多かれ少なかれ、この両者がかかわっている。
糖の代謝機能が正常な場合は、炭水化物を食べると、消化酵素によって単糖にまで分解され
腸から吸収され、血液によって全身に運ばれる。血中の糖濃度が上昇するとすい臓からインス
リンが速やかに分泌されて、その働きで糖は細胞に吸収されて、血糖値は急速に下がる。
この場合、インスリンが不足するか、細胞側のインスリン感受性が衰えると、食後の血糖値が
高いまま維持される。血中の糖濃度が高い場合が高血糖症、脂肪濃度が高いと高脂血症。
どちらの場合も、血液のサラサラ度は悪くなり、血栓を作りやすくなるし、また糖との化合物等
が血管内壁に付着し、動脈硬化を促進する。これが代謝異常症候群(メタボリックシンドローム)
といわれる所以だ。
血液は全身を巡っているため、高血糖症や高脂血症の障害は全身に及ぶ。特に毛細血管は
詰まりやすいから、毛細血管の集中している網膜と腎臓と末端神経に障害が最も早く現れ、
神経症、腎症、網膜症が糖尿病の三大合併症とされる。冠動脈に障害が生じれば心筋梗塞
を起こす。
もう一種類の薬、αグルコシダーゼ阻害剤は「αグルコシダーゼ」の作用を阻害する薬だ。
ウィキペディア(Wikipedia)では「糖のα-グリコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素
と説明している。要するに多糖類の分解酵素で、その働きが阻害されるために腸での糖類の
吸収が遅延されて、血糖の急上昇を抑えるという機能を持っている。

この二種類の薬の作用は、運動と食事によって置き換えられる。一般的に細胞による血中の
糖の吸収は、インスリンのみを媒介にしている。ところが筋収縮運動では、適当な強度と長さで
行えば、インスリンを媒介せずに直接に血中のブドウ糖が利用される(「運動時のエネルギー
源の選択は、筋収縮の持続時間、強度、各個体のトレーニング度及び栄養状態の4因子に
より決定される。運動の初期(5~10分)には、主に筋グリコーゲンが利用され、次いで血中
グルコースと遊離脂肪酸が主要エネルギー源となり、運動が長時間(180~240分)になれば
遊離脂肪酸が中心になる
」、「糖尿病学」915.p)。要するに血中の糖(グルコース)を効率的に
利用するには中強度の運動を20~30分程度持続するのが良い。また筋の収縮運動によって
血中の糖が直接利用されるのみならず、筋を中心にした末梢組織のインスリン感受性も改善
され(「インスリン感受性の改善度と歩数計による一日の歩数とは正相関する」、同前916.p)、
食後の運動実施で二重に血糖コントロールは改善される。
一方、αグルコシダーゼ阻害剤は、昆布・ワカメなどの海藻類や食物繊維によって代替される。
人間の消化器官は海藻類や食物繊維などの分解酵素を持っていないから、通常の食物と一緒
に海藻類や食物繊維などが大量にあれば(腸内に)、食物の消化吸収に時間がかかるから、
糖の吸収も遅延され、実質的にαグルコシダーゼ阻害剤と同じ機能を果たす。しかも薬と違って
海藻類や食物繊維の摂取に伴う副作用はない。
機能的に同じとして、量的にはどうだろうか?薬一錠に比べて、海藻類はバケツ一杯も食わな
ければならないとすれば、食物による代替は実質的に不可能だが、僕の場合、11/30以降は
αグルコシダーゼ阻害剤は服用してないが、野菜や海藻類を意識的に多めに食べるように
しているだけで、食後及び空腹時血糖値は順調に下がっている。
糖の吸収を遅延させるもっと簡単な方法は、まとめて大量に食べないで、少量ずつ食事時間を
分散すればよい。肥満防止法のひとつに「間食をしない」というのがあるが、一日の総カロリー
摂取量が同じとすれば、食事による血糖の急上昇を避けるには、多分、(現実的かどうかは別
にして)5~6回に分散したほうが良い。尤も、実験はしていない。

というわけでSU薬(スルホニル尿素)は、当初の処方の一日二錠を11/17以降は一日一錠に
減らし、αグルコシダーゼ阻害剤は11/30以降は服用中止したが、それで血糖値コントロール
にマイナス効果は現れていない(「体重の減量や生活習慣の改善、血糖の改善に伴い糖毒性
が解除され、経口血糖降下剤やインスリン製剤の減量・中止が可能になることがある。薬剤は
漫然と投与するのではなく、常に血糖コントロール状態をみながら、減量・中止の可能性を考慮
し投与する
」、「糖尿病治療ガイド」24.p)。どうやら、僕の担当医は薮とまでは云わぬも、患者の
様態の変化に注意を払い、最適な治療法を選択する細心さにはかけているようだ。
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by agsanissi | 2008-12-11 07:43 | 糖尿病


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