2009年 09月 01日

何がおきたのか?

自民・公明党が惨敗し、民主党が地すべり的な大勝を収めた。
前回の第44回総選挙と、ちょうど対照的な変化が起きた。

480の総議席数の党派別配分を前回と今回を比較すると、
自民・公明の議席数は331から140に191減少した。(331、140、△191)
一方、民主党は115から308に193増加した。(115、308、+193)
要するに、自民・公明の議席が、そっくり民主党に移動した。

しかし「変化した内容」を見ると、多少、違った側面が見えてくる。
前々回と前回(第43回と第44回衆議院選挙)の比例選挙区の党派別得票数を比較すると、
主要五党(自民、民主、公明、共産、社民)の総得票数は5530万から6421万に、約890万増加した。
総投票数は856万増加したが、社民が71万減らして、合わせて927万票が自民、民主、公明、共産、
その他に流れた。4党の党派別得票数の増加数は、自民+642、民主+300、公明+10、共産+10と
大まかに自民と民主が、増加した投票数を2対1の割合で分け合った。

前回と今回(第44回と第45回衆議院選挙)の比例選挙区の党派別得票数は、
主要五党の総得票数は6452万から6458万に、僅か6万票増加したに過ぎない。
しかし、その内訳を比較すると、自民が712万、公明が93万、社民が71万の合計876万票減らして、
民主が881万、共産が2.5万票増加させた。要するに自民・公明・社民の減少分が、そっくり民主に流れ、
共産の支持者はほとんど固定して変わらない。一方、社民の減少は止まらない。
(尤も、前々回と前回の得票数は総務省の確定数だが、今回はWEB上の新聞発表からの集計数を
僕が集計したものだから、今後、総務省から公表される実数とは多少の移動がある)

三回の総選挙の結果をまとめると、
前回は、「小泉旋風」が無党派層を新たに選挙に動員し、その三分の二を自民党が、三分の一を民主党が
獲得した。今回は、自民党の前回増加分+コアの支持者及び公明党のコアの支持者が、そっくり民主党に
流れたことになる。得票数にして自民は(前回に比較して)27%減らし、公明は10%、社民は19%減らした
ことになる。社民党は総得票数が少ないから変動率の大きさは(社民にとっては大きいが、全体の流れとは)
関係ない。

・「小泉旋風」が、約900万の新たな層を選挙に動員した。
・今回は、「政権交代」の可能性が、新たに170-180万の無党派層を動員したが、
「旋風」というほどの熱気はない。
・民主党に対する期待より、自民・公明の政治支配に対する怒りと失望の現われだ
とする大方の評価が、それを反映している。
・「小泉旋風」=政治改革の期待(小泉は、それを郵政民営化と表現したけれど、実態は政財官の
癒着構造の改革期待だったと僕は理解している)は、すっかり失望に代わり、それが全部、民主へ
の「消極的」期待に代わった。
・「最も首相に相応しい人物」として鳩山は、麻生を大きく引き離したけれど、「どちらも相応しくない」
が過半数を占めている現状が、期待の「消極性」を反映している。
・「期待」は失望に反転する可能性を内包している。

極めて大雑把な総括をすると、
戦後の政治体制の大きな流れを形成する基盤となった約5500-6000万の選挙民に対して、
約1000-1200万の、多くは無党派層と呼ばれた選挙民が、政治に対する期待と失望によって
新たな流れを形成する変動要因として、決定的な役割を果たす中核になった可能性がある。
「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉の声は、虚空に消えたけれど、その木霊は民主党政権を生んだ。
その共通する波長は、ポピュリズムだと僕は観察している。
(この1000-1200万の無党派層の年代別・性別構成や文化・考え方・行動様式、多分、これらは
それとは対照的な5500-6000万の相体的に「安定した」社会階層とは質的に違うのではないか?)
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by agsanissi | 2009-09-01 03:50 | ミミズの寝言


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