2010年 12月 13日
僕が就農した最初の年に、研修のためにお世話になった農業経営者(大根を中心に60町歩の農場を経営していた)は、 「大規模農家は雑草との戦いが勝負どころだ」と強調していた。 当時、僕は右も左もわからぬ農のど素人、その意味自体の深刻さも分からぬし、実際に、雑草が農業経営にどう関わるのか 想像の域をでない。それでも「自然に真っ向勝負を仕掛けるなど、愚の骨頂」が、僕の心情だから、多少の違和感を覚えた。 自分で、土と直接に取り組んでみて、初めて農の目で土と接し、畑を観察し、作物と雑草の関係を一年の周期で経験し、 その積み重ねを通じて「大規模農家は雑草との戦い」だという言葉の意味の重さがしみじみと分かるようになってきた。 周りの農業者を見ていると、雑草との関わり方でその人の心情さえ見えてくるような気がする。 自分の労力の及ぶ小さな畑であれば、ちょっと精を出して頑張れば「小競り合い」程度の戦いで済むし、 町歩~数町歩の広さでも、ちょこちょこ「局地戦」であしらえば、そこそこ「雑草との戦い」もものになる。 十数町歩~数十町歩の「全面戦争」となると、さて、これとどう取り組むか経営の分かれ目となる。 単なる小競り合いの積み重ねや、局地戦の繰り返しとは異なる視点にたった経営戦略が必要になる。 とはいえ、いまだに試行錯誤の連続で「これだ!」といった確信をつかんだはいない。 除草剤を使うときもあれば、プラウやロータリーで処理することもあれば、カルチやチョッパーに欠ける時もある。 ある年には、ヨモギの繁茂を抑えて、これで何とかヨモギ退治が出来たかと思いきや、翌年にはそのしっぺ返しを 受けるときもある。総じて言えば、全面対決を避け、何とか妥協を重ねながら、徐々に徐々に草勢を衰えさせ、作物の 優勢を保って来たといえるだろうか。今年のような高温多雨の年は、雑草の勢いが一挙に息を吹き返す。
by agsanissi
| 2010-12-13 05:29
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