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2011年 01月 23日

日々雑纂

c0048643_8584711.jpg・「じゃがいもが世界を救った」から。世紀の中頃までに、重要度で第二位の食材は
茹でるかまたはローストしたじゃがいもだった。1832年にマンチェスターを調査したドクターは
こう書いている。
「労働者のランチはじゃがいもで、これにバターやラードがかけてある。ベーコンのフライを数片
味付けで添えることもある。しかし、肉がつくことは滅多にない。食べ物は大皿に盛られ、全員が
スプーンでこれを攻撃し、たちまち平らげる。夕食は紅茶とパンとじゃがいもまたはオートミールだ」。
・肉の演ずる役割は概して小さい。肉はたいていベーコンで、都市部での第三の食材だった。
世紀中頃のロンドンの住民は、食肉店の生肉を切望したが、結局はベーコンで妥協した。彼が
面接した織物工の家族は「動物の肉」を週に一度食卓に載せるが、日曜日の習慣とされる
ローストビーフは食べたことなしと答えた。傘作り職人はこれよりいくらか増しだった。六人の
家族で週に約3キロの肉を食べるとのこと。但し、上肉ではない


・「江戸時代の米食」(全集「日本の食文化」第三巻所収)の冒頭で鬼頭宏さんが、こう書いている。
日本人の米食については、二つの相矛盾する常識、ないし神話が一般に受け入れられているように思わ
れる。そのひとつは、日本人は二千年来の米食民族であるというものであり、もうひとつは、それにもかか
わらず江戸時代の多くの農民が米を作りながらも、満足に食べることができなかったというものである。

・明治初期の米食率6割前後途する調査をもとに、享保・天保期の水田面積、人口、可能生産量から推計して比較的高い米食率が
18世紀初頭まで遡れるだろうと推定している。なお明治13年内務省勧農局調査の「人民常食種類比例」は国別に、米、麦、粟、稗
雑穀、甘藷、里芋、蔬菜、木の実、昆布の10種類の「常食」物の摂取割合を調査公表している。

・今朝の日経新聞の付録(というのかな?)に「マメの生命力」という記事が載っている。「大豆や落花生など根粒菌が付くマメ科植物を
他の作物と一緒に植えたり交互に植えたりすることで、農薬も肥料も使わない自然栽培を実現している」という話が出てくる。この畑の
土壌分析をやった杉山修一教授に関心を持ち、検索してみた。
・興味ふかい記事が二件出てきた。一つは「現代農業」07年11月号の記事:「無肥料栽培のリンゴ」はなぜ可能なのか
自然栽培では、チッソはダイズなどのマメ科植物を植えて、マメ科植物の根粒菌による空中チッソ固定作用を利用している。その植え付け
時の判断法は次のようである。
・一株のダイズに根こぶ(根粒菌)が10個以下なら、その土壌はチッソ成分が十分なので、次の作付けにはマメ科植物は植えない。
・根こぶが30個以上なら、その土地にチッソが不足しているから、次の作付けにはまたマメ科植物を植える。
この判断法で実際に自然栽培は成功している。

ここにも杉山教授の慣行栽培との土壌分析結果の比較が出ているが、遜色がないというより、むしろ優れている。
・もうひとつは「根分泌物質を介した植物と土壌微生物の相互関係に関する研究」(参照)と題する杉山教授の研究。
研究概要は、
(1)イネ科,マメ科,キク科,アブラナ科に属する作物4科22種について,根から分泌する糖類を定量的に解析した。人工気象室でポットにシリカサンドをつめ各種を栽培し,5〜6回定期的にサンプリングし,シリカサンドに分泌された糖をエタノールで回収し,エバポレーターで濃縮後,HPLCにより,糖の組成と各糖の量を定量した。分泌糖量と各収穫時の根乾物重は高い相関を示したので,両者の回帰を求め,その傾き(回帰係数)を根分泌糖量の指標として比較した。 (2)生育初期には,根からソルビトールが分泌されたが,根の生長が指数関数的に増える頃には,分泌糖がグルコースとフルクトースに変化し,ソルビトールの分泌は見られなかった。ラフィノースは,マメ科に見られたが,その他の科の作物には検出できなかった。 (3)科間には,分泌糖量に大きな差が見られ,マメ科が最も量が多く,次いでイネ科,キク科,アブラナ科となった。特にアブラナ科では,生育が増しても糖の増加は顕著に見られなかった。科間の差は,根における土壌微生物の共生関係と密接に関係しており,根粒菌と菌根菌と共生関係を持つマメ科で分泌糖量は最高に,土壌部生物と共生関係をもたないアブラナ科で最小となった。 (4)施与肥料を低くして栽培したところ,葉に蓄積された炭水化物や根の量が低下したにもかかわらず,分泌糖量は増加した。このことで,植物は根から糖を受動的に分泌しているのでなく,能動的に分泌していることが示唆された
というもの。
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by agsanissi | 2011-01-23 09:27 | ジャガイモ


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