2011年 02月 16日
・大相撲の八百長、僕は読んでいないけれど、WEB上の紹介によるとスティーブン・レビット著『ヤバい経済学』によれば八百長は数学的に明らか だそうだ。 ・この「ヤバい経済学」によると、89年1月~00年1月まで、力士281人、3万2000番の勝敗を分析した結果、確率論から言って7勝7敗(崖っ ぷち)の力士が8勝6敗(勝ち越し決定)の力士に勝つ勝率は48・7%のはずなのに、実際には79・6%という、ありえない数字であることが判明。 しかし次の場所で両者とも勝ち越し問題が生じない場合、7勝7敗の力士の勝率は40%にダウンし、その次の場所では約50%という、本来の 勝率に近づくそうです。(参照) ・大量分析を通して、総体としての(特に場所後半の昇給がかかった取り組みでの)八百長の存在は、数学的に明白だとしても、個々の取り組み の判定までは出来ない。そこで、ここから先の判断は二通りに分かれる。もともとエンターテインメントなんだから「八百長はある」という前提で愉し めば良いんだという考え(例えば、映画や芝居の活劇を見て、あれは「作りもんだ」「八百長だ」と云って怒るバカが居るか?)。もう一つは大相撲は 「神聖だ」という建前論に終始し、単なる建前論に過ぎないのが周知の事実になっているのに、個別の判定の認定ができないのを唯一の拠り所に 建前論に固執する立場。多くの相撲ファンは、両者の立場の中間にいるのだろうけれど(僕は、単なる傍観者)、相撲協会は「証拠が出ない」のを いいことに後者の立場を強弁している。しかし、ここまで来ると、明らかに危機管理能力の問題になる。 ・経済評論家の山崎元氏が、[「経営」としての大相撲という観点から、こんなことを書いている。 ・協会が春場所(三月場所)を休止したのは、適切だし、仕方があるまい。しかし、特別調査委員会に調査を委ねて漫然と調査結果を待っている現状 の対応は適切とはいいがたいし、放駒理事長が早々に「過去には(八百長は)一切なかった」と言い切ったのも不適切だった。 完全な潔白の証明など出来ないのだから、調査は基本的に、「ほとぼりを冷ます」ための時間稼ぎであり、世間に対する言い訳に過ぎない。つまりは 茶番なのだが、茶番であるが故に、もっと真剣にやらなければならない。(参照) ・要するに、調査は一種の「儀式」なのだから、もっと荘重にやらなければならない、というところが言い得て妙。その「荘重さ」を演出するものは 「積年の膿を出すのだ。調査は、最大限の信憑性を持ち、世間に驚きを与えるくらいのものでなければならない。なかば身内のような外部有識者に 頼むのではなく、専門的な調査会社に調査を委託すべきだし、たとえば、今回の調査に限り、「クロ」を表明しても解雇はしない、というくらいの条件 を現役力士、親方に付けて、調査を行うべきだろう。」(同上) ・検察庁、警視庁、海上保安庁、そして内閣そのもの、このところ「危機管理能力」そのものを問われる組織体質が相次いで遡上に登っている。 共通する特徴は、内部情報・機密情報・秘匿情報の類が(政治家の失言は、秘匿情報・内部情報とも云うべき本音が流出したもの)通信システム を通して、容易に流出する機会が増加したこと。バレてはまずい裏情報が、表に出てしまったこと。 ・たみは之に由らしむべし之を知らしむべからず(日本国語大辞典に「人民というものは、指導して従わせることはできるが、その道理を説いて理解 させることはむずかしい。また、人民というものは命令によって従わせればよいので、原理・方針を説明する必要はないの意でも用いる」と語釈が出て いる)。普通教育とネットの普及で、それは限りなく不可能に近づき、限りなく速やかに「知る」可能性が広がっている。 ・糖尿病の病歴と比例? エスカレートする低血糖、病害虫の防除を農薬に頼りすぎれば、必ず耐性ができて、やがてより強力な薬剤に依存しなけ れば効かなくなるとは、農業者なら誰でも承知している。僕は作物も人間も一緒だと心得ているから作物にも自分にも、一時的な緊急対策以外には 薬剤は使わない。その耐性に関わる情報。「All About」健康・医療情報(11/02/10、参照)に糖尿病歴が長くなるとともに「インスリンに拮抗(きっ こう)し、血糖を上げるホルモンの分泌が不完全になります。これが低血糖からの回復を気付かないうちに妨げてしまいます」という記事が載っている。 ・同じく耐性に関わる奇妙な生物学、抗酸化物質をたくさん含む食品を取ると2型糖尿病を予防するようだという研究結果がフィンランドで発表されたこと があるけれど、これらをサプリでたっぷり摂取した場合、意外にも、逆に病気が増悪するリスクが高まる可能性がある、という(All About 健康・医療 情報から、10/01/26、参照)。その謎をとくヒントは、09年5月に発表されたカリフォルニア大学サン・ディエゴ校のTrey Idekerらが酵母の実験で発見 した「生物は軽微な酸化ストレスに晒されていた方が、抗酸化力を強めるための遺伝子をより多く発現させる」という事実。抗酸化サプリを大量に摂取して 身体の酸化的ストレスを軽減しすぎると、活性酸素の攻撃に弱くなる可能性があるという。 ・有酸素運動と無酸素運動、『糖尿病の解決』166.pに、こんな事が書いてある。「筋肉が有酸素的に運動すると、量はあまり増えず、エネルギーと してたくさんのブドウ糖を必要としない。無酸素運動は筋肉から酸素を奪う。無酸素運動は筋肉を速やかに疲労させ、有酸素運動と同じ程度の運動量 でも19倍のブドウ糖を必要とする。無酸素運動をすると、筋肉は最初の24時間は破損するが、次の24時間で再構築される」 ・疑問、イ.無酸素運動なのに、なぜ、酸素を奪うのか?事後的にという意味か?ロ.「同じ程度の運動量」は何で測るのか?体重×移動量、単位時間 の消費カロリー、それとも総消費カロリー。ハ.「19倍のブドウ糖」は実測値、それとも理論的推定値、後者の場合とすれば、その計算式。 ・債務残高のGDP比、この問題を真剣には考えてはこなかったけれど、当分の間こだわってみよう。この問題に関する一般的関心は、持続可能か どうか(永続的に可能だとは誰も考えていない)、デフォルト(債務不履行・支払不能)に陥る限界点はどこか、何が支払い保証の根拠になりうるか、 債務残高をどの程度まで縮小すれば良いのか、などである。しかし、グラフを見て一目で分かることは、過去にたった一度しかない異常な経験だ。 戦時下または戦争直後の異常な経験や後進諸国のデフォルトの経験は、参考になるのかどうか、分らない。いずれにせよ、どんな議論も推測の域 をでない異常な領域に達している。グラフをザッと見て、GDP比で50-70%なら(根拠があるわけではないけれど)、まあ、他の先進国並みと安心も できようが、この異常な突出ぶりは90年代を境に、日本の何かが構造的に変わってしまったのではないかを伺わせる。そんなことをボチボチ考えて みようか。
by agsanissi
| 2011-02-16 09:27
| 日々雑纂
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