2011年 11月 12日

日々雑纂

◆ジャガイモの生育適温
・一般に「短日と低温」がジャガイモの肥大条件とされる。【ジャガイモ百科】(吉田稔、36.p)には、この気象条件のもとでホルモン
物質のバランスによってストロンの伸長が抑制されると共に、その先端部が肥大を開始すると指摘している。「30度以上の高温や
8時間以上の長日条件では肥大を開始しない」
・【馬鈴薯概説】(知識敬道、42.p)には、「馬鈴薯での光合成自体の温度条件としては...15~30度の範囲で調べた結果、24~
30度で最高の合成が得られたとの報告がある。そして35度では、光合成の能力は著しく低下したと報告している。その他の報告
でも16~25度、16~20度、20度前後と概ね20度前後が最も好ましい条件とされている。」
・「短日と低温」条件を基本的前提として受け入れていたが、【Commercial Potato Production in North America】(参照
33.p)に次のような記述があるのを見つけて、ちょっと意外の感を受けた。
「The potato has long been classified as a short day,cool season crop,but does very well at high
temperatures when water is supplied in uniform quantities sufficient to meet evapotranspiration
demands.
The highest yields are currently being produced in areas where the daytime temperature is
often over 38℃ during the hottest part of the growing season and night are cool(18℃)...」


◆小麦の冬期播種栽培⇒「小麦の冬期播種栽培技術体系」(岩手縣農場研究センター、参照
・小麦播種の時間的余裕がなく、苦肉の策ということになるが、ジャガイモの後作に小麦播種のローテーションを守るとすれば、
ジャガイモの収穫が11月後半までかかるので、不可避。
・播種時期は12月いっぱいで、「播種量:10~15 kg/10a、窒素施肥量:8~10 kg/10a、※ 土壌表面が凍結している早朝に
播種すると作業性がよい」とある。
・また「肥料を融雪期に表面施用する従来の方法に比べ、播種時に側条施肥することで慣行の秋播栽培並みの収量・品質(開溝
未熟粒が少ない)を確保できる。また、冬期播種栽培は蛋白含量が高く、製粉性やゆで麺の官能評価等の加工適性も慣行の秋
播栽培と同等である」ともある。むしろお勧めとも言える。尤も、販売よりもローテーションの一環として重視するのが基本。
・新たな輪作体系;ジャガイモ-小麦-ナタネ-ひまわり-ダイズ-ジャガイモの可能性



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アジア太平洋地域のキーマン、「TPPに乗り遅れれば二度とチャンスは来ない」と題して早稲田大学大学院の浦田秀次郎教授は
日本がTPP(環太平洋経済連携協定)参加を決断できなければ、「アジア太平洋地域の活力を取り込みつつ、この地域のキーマン
として振る舞う
ことができるという絶好のチャンスは二度と巡ってこない」と訴える。(日経ビジネス、11/11/10、参照
主要な展開軸は軍事と経済との違いはあるにしても、大東亜共栄圏構想や「バスに乗り遅れるな」という焦りと重なって苦笑を誘うな!
・歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。
・もち論、浦田教授の思いが、TPP交渉参加の主旋律だとは、いささかも思わないけれど...

グローバリストを信じるな、「アジア太平洋地域のキーマン」という主張が、ちょっとお笑いだとしても「内田樹の研究室」の表題のよう
な批判も、頂けない(参照)。
「TPPに参加しないと、『世界の孤児』になる」とか「バスに乗り遅れるな」というような、「自己利益(というよりは「自己利益の喪失)」に
フォーカスした言葉が飛び交うだけで、「なぜアメリカがこれほど強硬に日本のTPP参加を要求するのか?」という、アメリカの行動の
内在的なロジックを冷静に解析した記事をメディアで見る機会はほとんどない。
・アメリカが他国に市場開放を求めるのは、自国の国益がそれによって増大するという見通しが立つからである。そして、貿易において、
一国が輸出によって大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字が増えることになっている。ふつうはそうで
ある。貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない

迂闊さという点では、両者ともおっつかっつではないか。突き詰めれば、攘夷論と同じだな。尤も、幕末の攘夷論には「本気の」攘夷
論と「幕府を困らせるための」反体制派の攘夷論とがあったけれど。

米国内のTPP反対論、【TPPが米国の陰謀だなんてあり得ない】(田中耕太郎の「経世済民見聞録」、11/08、日経ビジネス、参照
に「TPPは作業空洞化を進め雇用減を招く」という危惧を抱く根強い反対論があることを紹介している。その主要な論点は、
・他国利益が増進
・自国産業が崩壊
・環境破壊の輸出
・財政赤字が悪化
・自国基準の改悪?

だそうだ。田中氏の指摘する通り、日本の反対論と相似形なのが面白い!
結局、保護貿易派と自由貿易派の対立は、いつの時代にも、どこの国にもあって、いろいろな論拠を挙げて自己を正当化するけれど
つまるところ夫々の論拠の最終的拠り所になるのは、論者の気質の違いじゃないのかという気がする。僕自身について云えば、国に
よる保護などという考え方は、(損得以前に)頭からバカにしている。


死を知らない医師、日経メディカルブログ(11/11/09、参照)に「今さらながらの死生観」と題して表題のようなコラムが載っている。
・門松は冥途の旅の一里塚...、ふと思い出す。昔、一茶一流のアイロニーという解釈を聞かされた覚えがあるけれど、アイロニーどころ
か、現在の僕は「生きる覚悟」と読む。生きるということは死に向かっての一歩、その覚悟を忘れぬこと。
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by agsanissi | 2011-11-12 06:30 | 日々雑纂


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