2011年 12月 20日

連作障害

・「理想的には....だ」と云っても、現実にはいろいろな制約条件の中で輪作を継続するとなると、必ずしも理論的最適条件jは達せられない。
達せられない場合にどうするか?最適条件を目指して試行錯誤を重ねていくか、逆に達せられない現実を合理化して「連作でも支障は
ない」とか、時に「連作のほうが却って良い」結果が出るとか、ヘンテコな議論が出てきたりする。
一般論として考えれば、特定の作物は土壌から特定の養分を吸収し、土壌環境にそれ特有の”偏り”(負荷)を与えるから、特定の肥料
成分の投入では補えないマイナス要素が残る。更に土壌環境には(肥料成分とは別の)特有の菌叢があり、肥料や作物に±の効果がある
だろうが、土壌病害という点から見れば集積効果があるから、「連作」が良いとは考えられない。
・ジャガイモを作り続ければ、やがてジャガイモ作りにあった「土壌環境」が出来る(或いは逆に土壌環境に適合したジャガイモが生き残る)
などという(時間と経営的要素を無視した)尤もらしい議論もあるが、いずれ噴飯物だ。
・以前紹介した【バレイショ増収1000問答】は、基本論、施肥、生育、種イモ、植え付け歩、浴光育芽法、管理、収穫以後、......と続くが、
「基本論」の1.は「前作について」、2と3は「輪作について」、「連作障害について」となっている。良質の美味しい芋を作るには、芋作りの
環境
をいかに整えていくか、畑作りをいかに重視していたかが分かる。
・「畑作り」というと、堆肥投入とか有機肥料とか有機栽培etc....に目が行きがちだが、僕はそれは多少違う(矮小化した見方じゃないか)
と思っている。作物、肥料、土壌環境が一体となって作物の生育場が作られているのだから、一連の作物作りは一体として考える必要が
あると思っている。その意味では福岡正信さんの自然農法というのは最も理に適っていると思っている。しかしそれが農業経営として一般的
に成立するかどうかは疑問だ。それはともかく、畑作りとか何とか云っても、連作障害や土壌病害を出していたのでは、本末転倒、論外も
いいところだ!
・【1000問答】には、「連作障害」についてこんなことが書いてある。「土壌病害というのも同義語であるが、厳密にいうと病害のほかに
ジャガイモシストセンチュウとキタネコブセンチュウが加わって連作障害という。」「細菌性病害としてそうか病、軟腐病、黒あし病、青枯病が
あり、菌類病として黒あざ病、粉状そうか病、乾腐病、菌核病、灰色かび病、半身萎ちょう病がある。これらは気象や土壌条件などで変遷
しながら、年々蔓延中である。そしてこれらによる減収、低デンプン価、規格歩留まり低下が深刻化しているにもかかわらず、一般にはそれ
ほど重要視されていない。」「道東と道南でそうか病と黒あざ病が最も多く、道東では無惨なほどにケロイド状のそうか病斑と黒あざ病に
よる変形芋が多いが、道南では早掘で病斑がひどくならないうちに収穫するから、勢い小収になるのを多肥で過剰に肥大させ、デンプン価
が異常に低い生食用が多い。国内のどの生食用も大なり小なりこの傾向があり、収益性が低くなるのを多肥にして、ますます悪循環して
いるとみている
」(下線は引用者)
これは24年前の記述だが、この傾向は変わったのかどうか、現状は知らない。少なくとも、7、8年前、生前僕が最後にお会いしたとき
には、こんな現状だから「ほんとうのジャガイモ作りは面白い」と話しておられたのを覚えている。また、農業に全くド素人の僕が、数年で
「岩手県にもこんなにうまい芋がある」というある程度の評判を頂き、普代村でほとんど唯一土地利用型農業者として生き残ってこられた
のも、こうした事情が幸いしていたと考えている。和野山でも、17,8年前は3、4人がジャガイモ生産をやっていたが「箱代にもならない」と
止めてしまったし、「なんで荒木は、大根を作らないで、芋なんか作ってんだ」とも云われた(春には、毎年、「生産者会議」をやって、全体
で何町歩と決めて、割り当て生産のような事をやっていた)。当時は、普代(和野山)は、大根の主産地の一つで、僕の入植する数年前は
60町歩ほとんど全部で大根が生産されていた。それから10年と経たず「連作障害」で大根生産は消えていった。


◆作業メモ
12/19、東5と西11にハローをかける(8反歩ほど)。プラウ跡の土塊が凍結して岩石のようにゴロゴロして、走行を妨げ、通常は7~8キロ
で作業できるところ、3キロ前後に落としてゆっくりユックリ走る。一度ではどうにもならず、二度目で小土塊に、三度目でやっとなんとか小麦
を播種できそうな粒度になる。1時間足らずでサッと終わると見込んでいたところ、5時かも掛かる。とんだ見当違い。
12/20,ハロー後に小麦播種。小規模に、二箇所に分けたのは炭素貯留実験に協力するため比較対象試験地としたこと、何よりタネが
不足したこと。反当18キロ(通常、9月後半播きでは11~12キロ)、冬播きと凍死の可能性を考慮する。
・冬播きが上手く行けば、去年は諦めたジャガイモ後作の麦まきも再度可能になる。
・以上で、今年の畑作業は全て完了。
「平成23年度炭素貯留関連基盤整備実験事業の公募について」というのが、以前は農水省のサイトに載っていたが、いまは廃止された
のか、googleのキャッシュでしか見られない(参照)。

残る作業
1.収穫機の整備・収納
2.ジャガイモの出荷(思わぬ低温のせいか、春の種イモに比較して水分が多いせいか、予想外に凍害を受ける。
袋詰めして保管した芋の口元付近の芋を中心に約5トンに対して数十キロ)
3.種イモの点検・保管

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by agsanissi | 2011-12-20 07:03 | ジャガイモ


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