2011年 12月 30日

日々雑纂

農閑期
・24日にすべての農作業を終えて、25日から埼玉に戻っている。これから2月の末まで、僕の農閑期を充分満喫する予定。
・来年の農作業計画といって、作付け計画や面積に大きな変更はないから、機械整備の予定やら今年の作業の改善点をつらつら
思い起こして反芻する以外には、専ら散歩と読書三昧。散歩はともかく、読書三昧はこの時期を除いて、こんなに贅沢な時を過ご
せる時季はないから僕にとって至福の二ヶ月。しかも昔は、いつでも何かに追われるような思いで本を読んでいたが、今やそれも
なくなって、読みたいものを、読みたいように、気の赴くままに読んでいるから、一種独特の”焦り”の気分は消えて透徹した気分を
味わっている。
・昨日、今年10月に出版されたばかりの【日記に読む近代日本】の第四巻(昭和前期)を読み終えた。僕は、新刊本を買うことは
殆ど無いけれど、近代日本の歴史・社会史をこれだけ多岐に渡る日記類で網羅的に語らせる試みは未だかつてないもので、即座に
第一回配本を注文した。摘録であることは承知しているが、ちょっと簡単すぎる摘録(少なすぎる引用)にはちょっとがっかりしたが、
それでも時代の雰囲気を垣間見せてはくれる。「西園寺公と政局」「木戸幸一日記」「高木惣吉日記」「矢部貞治日記」「戦中派不戦
日記」などは旧知のものだが、時代の流れに沿って改めて読み継いでみると新たな発見がないではない。
林芙美子【北岸部隊】は初めて読むが、次の一節になぜか強く惹かれた。
丘の上や畑の中には算を見だして正規兵の死体が点々と転がっていた。その支那兵の死体は一つの物体にしか見えず、さっき、
担架の上にのせられて行った我が兵隊に対しては、沁み入るような感傷」や崇敬の念を持ちながら、この支那兵の死体に、私は
冷酷なよそよそしさを感じる。その支那兵の死体に対する気持ちは全く空漠たるものなのだ。私は、本当の支那人の生活を知ら
ない冷酷さ
が、こんなに、一人間の死体を「物体」にまで引き下げ得ているのではないかとも考えてみた
」(下線は引用者)
永井荷風【断腸亭日乗】は岩波文庫の摘録でしか読んだことがなかったが、あくまでも「社会と一定距離を保つ傍観者」としての
立場を持しながら昭和初年の世相を坦々と語る、その語り口に惹かれてぜひ全巻を通読してみたいものと「日本の古本屋」サイトを
探してみたところ、通常1~2万円で売られている全集版6巻本がわずか2800円で出ている。早速、注文した。古書の相場に一物
一価が単純には適用できないものの、検索でたちどころに全国の価格が比較できる時代に、依然として、こんな価格差が罷り通って
いるのが不思議な気がする。
・バーンスタイン医師の【Dr,Bernstein's Diabetes Solution】(第四版)は、まだ読みかけだが、この本の中で引用されている
Gary Taubesの【Good Calories,Bad Calories】の中身に酷く惹かれて、今は専らこれを読んでいる。
・糖尿病の自己管理というのは生きている限り、僕の生涯の課題だが、具体的・実践的という意味で、バーンスタイン医師の著書は
今まで僕の読んだ専門書の中では間違いなく第一級の本だ。一方、Taubesの本は糖尿病の食事療法についての栄養学的基礎
を理解するに、大いに助けになる。
[PR]

by agsanissi | 2011-12-30 15:38 | 日々雑纂


<< 日々雑纂      気象情報 >>