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2006年 01月 10日

「病原菌とただのカビ」

昨日の続きの話。
インフルエンザが蔓延したからと云って、誰でもインフルエンザに罹るわけではない。
インフルエンザ・ウィルスも宿主に感染できなければ、病原体ではなくただの核タンパク質にすぎない
と云うなら、その表現も悪くない。
「病原体をただのカビ」に変えるために、西村さんが提案しているの次の通り。
「病害虫を避けるための、もっとも賢明で有効な方向は、防除手段を講じることではなく、何よりも作物を
健康な状態に保つことなのです」としたうえで、
人間の健康状態を比喩に病気に対する抵抗力と自然治癒力を指摘した後、「おなじ事が、作物や土に
もあてはまるのです。土や作物体を健康にすること。人体の自然治癒力に相当する自然の包容力と
でもいいますか、それが備わっているような条件を整えれば、農薬などは不要な存在なのだと考えて
良いでしょう」(「有機農業コツの科学」)と書いている。
病害虫に対する対策は、「何よりも作物を健康」に育て「土や作物体を健康に」することが基本だという
のは、その通り。では人体に抵抗力や自然治癒力があれば、医学も医薬も医者も「不要な存在」という
ことになるのか?
もち論、そうは書かない。
「医者にかかってうける治療の本来の目的は自然治癒力を助長するか、治癒力が少ない場合にはそれ
を補うための手段なのです」と書いている。
医学にも農学にも、何が基本で何が補助手段かという本来の姿を忘れた本末転倒な考え方がある。
これをきちんと指摘している点で、僕は「コモンセンスが利いた本」と書いた。
しかし有機農業となると、なぜ「病気に対する抵抗力と自然治癒力」がすべてかのような書き方になって
しまうのか、そこが僕には理解できない。
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by agsanissi | 2006-01-10 08:40 | 考える&学ぶ


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