2006年 01月 11日

補助的手段としての耕種法

今日も続きの話。
有機農業となると、なぜ「病気に対する抵抗力と自然治癒力」がすべてかのような書き方という一節には、
直ぐにも反論がでるに違いない。「以下の例は、補助手段としての、あるいは健康であることを維持する
ための、日常しなければならないわずかな手間」を提案しているのだから。

補助的手段として具体的には、病気や虫を「寄せ付けない方法、避ける方法や工夫」として耕種法、虫に
対する天敵・フェロモン・植物などを紹介している。
提案されている個々の具体的方法はごく一般的なもので、特に目新しいものはない。敢えて西村さんの
特徴と云えば、病気・虫は「防ぐのではない、避けるのです」と書いている点だろうか。
どういうことかと云うと「防ごうとすれば、すくなくともなんらかの強引な手段に訴えなければなりません」が、
強引な手段は影響力が強いから「必ずといってよいほど圃場でなんらかの副作用や反動があとから生じ
て」来るから、というわけ。
人間で云えば、日頃の生活や食事や運動が基本、それでも病気にかかれば食餌療法、薬餌療法、内科
的療法、外科的療法と、対処療法はいろいろあるでしょう。この場合、病気を「避けるのか、防ぐのか」と
いってみても、それはその人の健康状態や病気の種類や進行具合で決まることで、病気を「防ぐのでは
ない、避けるのだ」と云ってみても、本質的意味のあることとは思えない。要するに体調・病状に応じて
ということだ。

さて耕種法。
「いろんな方法が工夫されています。輪作体系で説明してみましょう。毎年おなじ時期に同一作物を作って
いると、虫や病原菌にとっては、ただ待っているだけで餌が飛び込んでくるようなものです。輪作体系は、
数年かけていろんな種類の作物を作りまわしていくのですが、おなじ時期が来て病害虫が待っていたと
しても、餌はやってこないのです。肩透かしを食わせるといえばよいでしょうか、したがって輪作体系は
フェイント農法でもあるのです」
この場合の病害虫は、病原菌・害虫なのか、ただのカビ・フツウの虫なのか、といった野次をとばすのは
止めておこう。
問題の中心は、輪作体系という耕種法を通して病害虫の密度を相対的にも絶対的にも減らしていこう、
ということだろう。言いかえれば、輪作を通して土壌の微生物相を豊かにして健康な土を育て、健康な
作物を育てようということだし、実際、西村さんもそう書いている。しかしそれで病原菌がただのカビに
なるわけではないし、害虫がフツウの虫なるわけでもない。
にもかかわらず作物に抵抗力や自然治癒力が「備わっているような条件を整えれば、農薬などは不要な
存在なのだ」と云うとすれば、有機農業となると「病気に対する抵抗力と自然治癒力」がすべてかのような
書き方、とはいえないか。

参考記事:「連作って、なに
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by agsanissi | 2006-01-11 09:27 | 考える&学ぶ


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