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2006年 05月 29日

「発芽率をあげる工夫」

12.5/19.8度、日照1.3時間、午前中陽射しがあり、気温も上がるが、午後は霧が入る。

28日のspa さんのコメントに「発芽率をあげる工夫」という質問があった。
1.ダイズの発芽率は、一般的に「良い」場合でも7-7.5割程度。
だから最初から、100粒に対して最高でも70粒しか出芽しないものと考えている。
2.播種機の構造による問題。
大きく点播きと条播きに分けられる。点播きはレコード盤のような円盤に穴を開けるか、回転
ロールに穴を開けて、その穴に入った豆を落として行く。トラクターのスピードを一定にすれば
比較的株間を一定に出来る。
条播きは、突起のある回転ロールで押し出された豆が落下する方式で、一定距離を走る間に
落ちる豆の総量を規制できるだけで、株間は平均値でしか決まらない。基本的には麦、ソバ
などの播種機で、豆・ヒマワリのような大きな種子の播種精度は落ちるけれど、最大の利点は
速いこと。
点播き機は1haに3-4時間かかるのに対して、条播き機は1時間で播種できる。
この播種機の構造に伴う播種のばらつき・欠株の掛け目を考慮する。
3.土壌条件。
以上は最良の条件の場合の出芽率。この出芽率を前提に土壌の水分条件や砕土の具合に
よって出芽率は、更に落ちる可能性がある。砕土は荒すぎては駄目だけれど、細かすぎても
播種後に降雨の影響で盤になり、出芽率が落ちる場合がある。
この点を考慮して、作物残さ・残根・有機物が多いか・少ないか、プラウをかけてあるか・ない
か等によって、ハローで整地したり、ロータリで整地したり、これを間違えると出芽率に大いに
影響する。
以上をまとめると、次のようになります。
1.面積あたりの目標とする立粒数を決める。
2.それに応じて、3-4割り増しの播種量を決める。
3.あとは畑の土壌条件でハロー耕起かロータリ耕起かを選択し、週間天気を考慮して最良
の水分条件と判断したときに播種する。
何のことはない、要するに「畑とお天気次第」ということですね。
船乗りの「潮を待つ」というやつです。

出芽率と水分条件のことで補足しておくと、
一雨あれば、作物や雑草が生き生きするのを見ても分かるように、水遣りなどすれば、比較
的早く出芽するし、出芽率も良くなります。しかしダイズの生育全期を通して考えると、これは
必ずしもプラスになりません。
一般的にダイズの播種期は梅雨期と重なり湿気が多い。ところが開花期以降は盛夏に入り
比較的雨が少ない。出芽期に湿気が多いと、根がサボって充分に張らないままに地上部が
伸びてくる。すると開花期に大量の水を必要とする時期に「根張り」がなくなり、日照りの影響
を受けて落花・落莢などのマイナス因になりやすい。
甘やかされて育った幼児が、厳しい世の中に出て戸惑うのに似てるかな??
というわけで出芽期は、たとえ出芽が数日遅れても乾燥気味のほうが、根が地中深く入って
根張りが良くなり、結果として開花期以降は有利になる。
このへんの土壌水分の見極めが難しいですね。

といっても、何町歩も播種するとなると、結局は、お天気との競争みたいなもんだから平均値
が良ければ良しとするしかありません。
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by agsanissi | 2006-05-29 21:23 | ダイズ


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