2006年 06月 25日

農薬について

梅雨時になると、誰でもカビが気になる。人間にも農作物にもカビによる病気がある。
人間については、抗生物質など医療技術の進歩に伴ってカビによる病気が増えている
そうだ。これは一般的には、抗がん剤や抗生物質の継続的・大量投与で、微生物間の
バランスが失われ、特定の菌が異常繁殖した結果と見てよい。薬剤耐性菌もある。
(参照「人に棲みつくカビの話」)

農作物でも、作用機作の同じ農薬の使用回数を制限しているが、特定の菌の薬剤
耐性の問題もあるし微生物相のバランスの問題もある。農薬の進歩で農作物にカビ
による病気が増えているかどうか、具体的には知らないが、その可能性は当然ある。
人間や家畜に投与した抗生物質が堆肥などを通して、土壌微生物に影響する可能
性も指摘されている。

小麦の赤カビやジャガイモの疫病も、カビによる病気の仲間だ。カビの繁殖は環境
条件に大いに左右される。対策は、作物の菌に対する耐性を強めることと菌の繁殖
条件を抑えるという二面作戦が考えられる。
無農薬栽培という考え方(というか栽培方式というか)があるが、カビによる病気には
どんな手を打つのだろうか??

農薬には、いろいろな種類がある。大きく分ければ殺虫剤、殺菌剤、除草剤。
殺虫剤や除草剤は使わなければ使わなくても済む場合が多い。その弊害もいろいろ
指摘されている。殺虫剤の過用で、野山や田畑から様々な小動物が消えてしまった。
では殺虫剤を一切使わないとすれば、どうなるか?これまた我々には予測も付かな
い生態系の撹乱を生み出すかもしれない。

農薬の弊害は幾らも指摘できる。また最近は、農薬は何か悪者のような扱いを受け
る場合が多いが、歴史的に見れば、その恩恵には計り知れないものがある。
単純に、使わなければ良いもの、なくても良いものとは考えない。

農薬についての僕の一般的な考え方は、医者や医薬品についての考え方と同じだ。
この半世紀以上、僕は、眼医者・歯医者、目薬・正露丸を除けば栄養剤・風邪薬を
含めて、ほとんど医者にも医薬品にも世話になったことがない。その回数を数える
にはカラスほどの知恵で充分なくらい。だからといって医者も医薬品も不要なもの
だとは思わない。医薬品による事故や医療過誤も幾らでも指摘できるが、反面では
余命年数の延長にも大いに貢献している。

医者や医薬品に頼らない健康は望ましいが、医者や医薬品のお陰で健康を保てる
とすれば、これとて決して悪くはない。

農作物とて、丈夫に育てることが肝要だ。しかし丈夫に・健全に育てる上で、一定の
農薬使用を許容することはプラスだと考えている。

野菜作に比較すれば、畑作では農薬使用量ははるかに少ない。ちなみに年間の
僕の農薬使用額は、18町歩程度の作付け規模で年間20万円前後だ。
参考に「農林家経営動向調査報告」から経営耕地規模別の農薬使用額を見てみる
と(平成13年度分が最新資料)、
平均14.7万円、規模別では5反歩以下で6万、1.5-2町歩で17.6万、2-3町歩
で27.5万、10町歩以上で91.5万円などとなっている。平均すれば僕の農薬使用
額は2町歩内外の経営規模に匹敵する。きわめてラフに云って1/9程度か。
(参照「統計書名:農林家経営動向調査報告」の「事業等支出(2-1)」)。
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by agsanissi | 2006-06-25 07:25 | 考える&学ぶ


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