農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

sanissi.exblog.jp
ブログトップ
2007年 06月 15日

ジャガイモの疫病

予測より半日ほど遅れたけれど雨になった。4時現在の気温は14-5度、日中雨が上がっても
曇天が続けば18-9度止まりで推移するだろうか。

ジャガイモは病気の多い作物といわれる。病害虫辞典などを見ると二十数通りの病名がでて
来る。「ジャガイモ博物館」の病害虫の項(参照)にも24通りの病気が出てくる。病気の中には
「病気」でも一向構わないものもあれば、病気にかかったものだけ取り除けばよいものもあるし、
即刻予防策を講じなければならないものもある。
僕の同僚で、葉巻病というウィルス病に感染し八割程度減収した例を実際に見たことがある。
また疫病に侵され、数日で数町歩のジャガイモがほぼ全滅してしまったという事例を聞いた
こともある。
歴史上、顕著な例は、19世紀半ばのジャガイモ疫病によるアイルランドのジャガイモ飢饉で
約100万人が餓死し、200万人が北米などに移住したという。こんな事例を見ると空恐ろしく
なることがないではない。

農作物の病気が厄介なのは、一般に治療法や治療薬がないため、予防しなければならず、
おまけに病気や農薬についての知識がなければルーチンワークで農薬を散布せざるを得
ないこと。例えば六月第一週から毎週一回、更に雨が降ったらその直後に追加防除を行い
ましょう...なんてことになる(あるいは逆に、病気に対する無知と農薬についての半可通
ため何もしない事になる)。
結果として、疫病防除に北海道は平均8-12回、本州では平均4回(数年前の統計では)と
いうことになる。これは本州の農家が「減農薬」に熱心な結果というより、疫病防除に鈍感
ためだろう。北海道は殆どプロのジャガイモ生産者、本州は規模も小さく、ジャガイモ専業者
は極めて少数、加えて本州の「高温」が却って疫病に対しては有利なことなどの事情を考慮
しなければなるまい。ちなみに1995年のオレゴン州の晩生種の防除回数は平均6-18回だ
そうだ。

僕自身は、種芋の選定・選別にジャガイモ生産の全精力の六七割を費やしているが、疫病と
ソウカ病以外の病気にはさほど気にしていない。
疫病については「平均気温が18-20度以上に達して、その間2-3日降雨が続くと発生し、平均
気温が18-20度で曇雨天に経過すると蔓延が激化する。しかし25度以上の高温乾燥下では
病班の進展が停止し、胞子も形成されない
」(「畑作物の病害虫」)。
この顕著な特徴を利用して、最近は、北海道では「アメダスを利用したジャガイモ疫病の高精度
発生予察システム」(参照)が開発され、これによって疫病防除回数を減らす成果を挙げてい
る。ちなみに僕自身の防除回数の実績は、0-3回。
[PR]

by agsanissi | 2007-06-15 05:57 | ジャガイモ


<< ジャガイモの生育比較      ジャガイモの疫病防除 >>