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農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2007年 06月 18日

ジャガイモの生育促進策

13.1/24.1度、日照12.2時間

先日、ジャガイモを「今年からL、2L側にシフトする事に方針転換」することにしたと書いた。
そんなに簡単に出来るのかね??という声が聞こえてきそうだ。

簡単かどうかは兎も角、基本的な考え方はこうだ。
光合成は、もっぱら葉で行われる。ある点までは葉面積の拡大に比例して光合成は増大
する。ある点を超えると葉同士の競合が起こり、下位葉に光が届かない、呼吸による消耗
が増加する、更に倒伏によって受光体勢が急激に悪化するなどのマイナス因が働く。
一株のジャガイモの全部の葉の総面積を株当たり面積で割ったものを葉面積指数という。
例えば畝間、株間を75、30センチとすると、葉の総面積を75×30=2250で割った値が
葉面積指数で、ジャガイモの場合は葉面積指数3あたりが最適葉面積とされている。
要するに葉面積指数3までは、ジャガイモの乾物生産速度は葉面積に比例するが、これ
を超えると逆に低下する。経験的には、地上部の出来すぎは小芋ばかりぞろぞろと碌でも
ない芋ばかり、ということになる。
問題は、葉面積指数3は、実際にはどんな状態かということ。開花終期頃に茎葉は最大期
に達するが、このときに葉が畝間をほぼ埋め尽くし、なおかつ下葉にまである程度光が通り、
畝間を微かに識別出切る状態
と思えばよい。男爵では草丈60センチ程度。

だから課題はこうだ。最適葉面積指数に出来るだけ早期に達し、かつその状態を一日で
も長く持続する。茎葉の最大期に最適葉面積指数を超えないような肥培管理をする
。一方、
生育の最適温度から見ると25度以上になると呼吸による消耗が急激に増加し、乾物生産が
制限されるから、それ以前に最適葉面積指数の期間が出来るだけ長く入るようにする。
それで、今年は「L、2L側にシフト」するために何をしたかといえば、光合成を促進して、最適
葉面積に達する日数を短縮する
ためにペプチド等の有機酸やマグネシウムなどの微量要素
を試用した。以下の比較写真をみるととりあえずは思惑通り、但し対照区を設けていないから、
どの程度という計量的比較は出来ない。問題は、最適葉面積に達した後、それを超えないよう
に管理することで、本当の難しさはここにある。


6/10と6/18の比較

キタアカリ、S玉(平均60-70グラム)、4/12播種
ジャガイモの生育促進策_c0048643_20144472.jpgジャガイモの生育促進策_c0048643_20153835.jpg











男爵、S玉(平均50-60)、4/19播種
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男爵、M全粒(平均80-90)、4/20播種
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by agsanissi | 2007-06-18 20:29 | ジャガイモ


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