2007年 06月 20日
11.8/21.3度、日照12.5時間、このところ12時間前後の日照時間が続いている。 季節的には昼間が長い時期だが、実際にはヤマセ(海霧をもたらす北東風)のため、 6-7月の日照時間は、かなり短い。 去年の6、7月は127、74時間だったが、今年は霧が入る日も少なく19日現在で既に 144時間を超えている。極めて珍しい。 日照時間が長いということは、ジャガイモ生産にとってはそれだけ有効になる。 6、7月にせっせと乾物生産に励みたいところだが、実際には梅雨時期と重なるため、 日照時間は制限される。その面からも「梅雨のない」北海道は、ジャガイモ生産の適地 といえる。 帯広の生育条件を想定して、太陽入射エネルギーその他から計算したジャガイモの (理論的に可能な)月別乾物生産量(の研究)があるが、それによると 1ha当たりの月間乾物生産量は、5月が792kg、以下6月は5403、7月は6417、 8月は5800、9月は1729で合計20141(このうち5月と9月は15日間)、1ha当たり 約20トン、これを実際の新鮮イモ重量に換算すると反収6656kgに相当する。これは 十勝地方の実際の平均収量の1.6倍以上に相当するそうだ。また全乾物生産量を 100とする月別生産量の割合は5-9月に各4、27、32、29、8となる(知識敬道 「馬鈴薯概説」から)。5月と9月は生育期間の25%を占めるが、乾物生産量の12% を占めるに過ぎない。太陽エネルギーもさることながら、葉面積指数に依存している。 以上から分かることは、 1.反収を引き上げるには、生育期間を延ばすこと。帯広の例では生育期間は122 日だが、実際にはいろいろな制約条件で、これよりは短い(生育期間を延長するため に最も肝要なことは、一般的には疫病防除で、多収を狙って栄養過多にすると乾物 生産は逆に制限される)。 2.全生育期間のうち6、7月に全乾物生産の6割を稼いでいる。生育適温限界を、 仮に25度付近とすると日平均気温がこれを上回る時期が早い地方ほど、それに 応じて生育期間を前倒しする必要がある。 ちなみに普代のアメダス統計では、過去20年間の平均値で日平均気温が25度を 上回ることは年間を通してない。最高気温が25度を上回るのは7月26日から8月 29日まで。この面では、ジャガイモ生産には適しているが、6-7月の日照時間の短い ことが難点。
by agsanissi
| 2007-06-20 00:38
| ジャガイモ
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