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2007年 08月 08日

「品目横断的経営安定対策」/メモ

20.9/24.9度、ほぼ終日昨日のコピーのような天気で曇時々雨、総雨量は5-6ミリで
雨の時間帯は昨日よりも長い。

c0048643_2172533.jpgさて、昨日2-3時間で終わると見込んだ反対側の車軸の
引き出し作業は、車輪にロープをかけてユンボで一引き、
わずか5分で終わってしまった。
昨日の難航は一体なんだったんだと云うほどあっけない。
昨日は前(車軸)後(ステアリング用バー)の内、車軸だけ
が動いて、ステアリング用のバーが錆付いて動かず、これ
を並行に戻すのにも一苦労したが、今日は並行に動いて
拍子抜けするほど簡単に片付く。準備作業込みで30分。

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今月三日に「平成19年産品目横断的経営安定対策加入申請状況」が公表された(参照)。
その概要は、加入申請が全国で7万2431件(内認定農業者が6.7万、他は集落営農組織)、
また全作付面積に占める加入農家の作付面積の比率は全国平均でコメ26%、ムギ93%、
ダイズ77%など
となった等と報じられている。
加入申請の資格が、認定農業者であって経営面積が四町歩以上(北海道は十町歩以上)また
は二十町歩以上の集落営農組織を立ち上げて、それに参加するかの二つに限られている。
米、麦、大豆など合わせた認定農業者の申請面積は67.5万ha、集落営農組織は21.3万ha、
合わせて88.8万haである。
「加入申請状況」には、都道府県別の申請数、申請面積、品目別または品目組み合わせ別
(例えば米単独、米+麦、米+大豆+麦、麦単独などの組合せ)の都道府県別申請数などが
公表されており、ここからどんなことが読み取れるか興味深い内容があるが、いまは分析して
いる暇がない。

取り敢えず、日本の農業部門全体の中で、「品目横断的経営安定対策」加入対象者が、どの
程度の地位を占めているのか、概要を見ると次のようになる。
農水省WEBサイトの「統計」部門の冒頭に今年7月現在の「農林水産基本データ集」(参照
がまとめられているが、ここの数値を参考に品目横断的経営安定対策の位置づけを見ると、
・主業農家40万戸(参照)の18%、
・認定農業者だけに限っても22.9万戸(参照)の30%、
・集落営農組織の場合は1.2万組織の45%が加入申請をした。
以上は、経営組織に対する参加割合。次に経営面積に対する割合は
・担い手が経営する農地面積181万haに対して49%、
・全耕地面積467万ha(参照)に対しては19%を占めている。
この場合、「担い手」というのは、認定農業者、法人経営、農業法人(一戸一法人を除く)、集落
営農組織(特定農業団体、特定農業法人)、農業生産法人などをひとまとめにした呼称のよう
で、その内訳は上記「農林水産基本データ集」に掲載されている。現在は総担い手数25.9万
に対して認定農業者が88%を占めているが、今後、この割合がどのように変わっていくのか、
日本の農業構造を考える上で重要なポイントだ。
担い手の経営耕地面積は、現在は181万で、これは全耕地面積の39%を占めるが、担い手
の経営耕地面積の内でさえ、品目横断的経営安定対策の対象面積は半分以下に過ぎない。

以上の点から、品目横断的経営安定対策の対象は、大まかに言って、主業農家の二割、また
全耕地面積の二割程度をカバー
していると分かる。一方、これを品目別の経営面積との関係で
見ると上記のように米では26、麦は93、大豆は77%をカバーしていることになる。
要するに麦、大豆は品目横断的経営安定対策を導入しても、現在の生産高はほぼ維持される
か、やや下回る程度。一方、米は経営面積の四分の一強をカバーするに過ぎないが、実際の
生産高はそんなに下回ることはないと見込んでいるようだ。その理由はいろいろ考えられるが、
・副業的農家が相対的に多い、従って
・もともと経営面積の小さい農家が多く、米収入の絶対的割合が小さい、従って
・限界的な米生産農家の全家計収入に占める米の販売収入の割合が低いため、収入減の
打撃が相対的に軽い
実際の推移がどうなるか、今後二、三年の成り行きを見なければ分からないが、米の場合、
たとえ品目横断的経営安定対策の対象から外されても、全部が生産をやめるはずはなく、
仮に生産高が下がっても、当面は2-3割程度以下に止まるのではないか。

以上のように考えてみると、品目横断的経営安定対策の狙いは、米、麦、大豆の生産高を
相対的に高く維持しながら、財政支援の対象を主業農家の約二割に限定しようとする効率的
財政支出策
だということが分かる。

民主党など野党は「小規模農家の切り捨てだ」と批判している。主業的農家の約八割を含む
全販売農家の95%以上を財政支援の対象外にするという意味では、文字通り「小規模農家
の切り捨て」には違いないが、農業そのものの切り捨て策になるかどうかは、また別問題だ。
一方、政府の側から考えれば、これによって農業経営全体の合理化を計ろうと狙っている
わけだが、どのような形で合理化されるのか、そもそも合理化されるのか未知数だ。
また経営規模や経営形態及び土地所有関係など非常に複雑な入り組んだ関係の中で、
集落組織を基礎に営まれてきた従来の農業経営の中から、一部の担い手農家のみを抽出
して財政支援を集中的に投入することが、集落組織全体にどのような作用・反作用を及ぼして
いくか、今後、注視すべき点である。
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by agsanissi | 2007-08-08 23:25 | 参考記事


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