2007年 08月 11日

品目横断的経営安定対策/大豆編

六日以来五日ぶりに、朝からスッキリ晴れる。しかし昨日の夕方の俄雨の後遺症で今日も
芋掘りは延期。収穫機の下に潜り込んでの修理作業の後遺症で、今朝は首や肩が凝って
午前中はユッタリお休み。
****************************
8月7日付け「お豆腐ランド」(参照)に、「農林業センサス」統計の大豆部門から2005年の
都道府県別の販売農家の大豆作付面積が掲載されている。それによると全国の大豆作付
面積13.4万haで、その内、販売用作付面積は7.6万haと約56%に相当する。この場合、
販売用とは「経営耕地面積30アール以上、または農産物販売金額50万円以上の農業を
営む世帯」の作付面積の意味だから、産直販売・庭先販売などを考慮すれば、実際には
これ以上の可能性もあるが、この部分は最初から財政支援の対象外の作付で、品目横断
対策などの影響を殆ど受けないと見てよい。
二千ha以上の作付面積があるのは11道県のみで、北海道の1.6万haは別格、その他は
青森(2183)秋田(5669)山形(5221)茨城(2457)栃木(4345)新潟(3239)富山
(2805)滋賀(2413)福岡(5798)佐賀(6949)。このうち主業農家が圧倒的多数を占める
のは北海道のみで、その他には青森、山形で主業農家の割合が多い。他の県は副業的
及び準主業的農家の割合が圧倒的に多い(主業、準主業、副業の定義は「お豆腐ランド」を
参照)。全国では約15万戸の作付農家の半分が副業的、四分の一が主業的、四分の一が
準主業的農家だが面積別の割合は分からない。

一方、平成18年産の作付け面積は14.2万haで、四千ha以上は北海道(28100)青森
(4100)岩手(4070)宮城(9800)秋田(7910)山形(6240)茨城(4790)栃木(5060)
新潟(6450)富山(5510)愛知(4360)滋賀(4460)福岡(8110)佐賀(7490)の十四道県
参照)。「農林業センサス」統計と比較すると岩手(41%)宮城(16%)愛知(41%)などは
販売用作付面積の割合が平均値よりは低い。要するに小規模作付農家が相対的に多い。

以上の統計と品目横断的経営安定対策の大豆の加入状況(参照)とを比較すると
作付け面積は約11万ha(認定農業者7万、集落営農組織4万)で77%がカバーされている。
これは「農林業センサス」販売用作付け面積と比較すると1.4倍で、この点から見れば集落
営農組織を通して小規模農家を政策支援対象にしているというのは嘘ではない

道県別に見ると、集落営農組織による作付け面積が二千ha以上の県は宮城(6353)秋田
(2293)山形(2277)福岡(5645)佐賀(6519)で、認定農業者の作付け面積を加えると、
これらの県では販売用作付け面積を上回る。例えば宮城は1547に対して9426、秋田は
5669に対して6815
、山形は5221に対して5712、福岡は5789に対して7872、佐賀は
6949に対して7896
となっている。熊本は認定農業者はゼロで集落営農組織が1871、
一方、愛知は集落営農組織はゼロで認定農業者が3890と販売農家の作付け面積1774を
倍以上も上回っている。認定農業者と集落営農組織の作付け面積が販売用作付け面積を
上回るのが18道県に達する。
集落営農組織の中味を見ると、宮城では米・大豆と大豆のみの組織が多く、秋田・山形は
米・大豆の組織、福岡は麦・大豆と米・麦・大豆、佐賀は米・麦・大豆の組織が多い。
以上を見ると、県の方針によって集落営農組織を積極的に勧めている地方、認定農業者を
積極的に勧めている地方などの特徴があるが、今後、集落営農組織の成否如何によって、
大豆や麦の品目横断的経営安定策の加入面積は大幅に増える可能性もなしとはしない

前回(8/6)「麦、大豆は品目横断的経営安定対策を導入しても、現在の生産高はほぼ維持
されるか、やや下回る程度
」と書いたが、実質的販売高は上回る可能性もある。

米の加入面積26%と併せて、以上の点を考慮すると、米作中心の財政支援から相対的に
麦・大豆または米・麦・大豆作にシフトしているように伺えるが、これは米作の推移や麦・大豆
作への実際の財政支援の中味を見ないとハッキリとは分らない。
とはいえ、品目横断的経営安定対策が、農業全体を支援対象とした戦後農政の基本的方向
転換、はっきりと規模拡大(と経営合理化)に目的を絞った財政支援への転換、ある意味では
初めての根本的な方向転換であることは間違いないようだ。
[PR]

by agsanissi | 2007-08-11 10:18 | 参考記事


<< 品目横断的経営安定対策/コメ編      今日も俄雨 >>