2007年 10月 09日

無肥料栽培/参考記事

8.7/21.2度、日照6.9時間、このところ朝の冷え込みが順当になってきた。
谷間の木々にも、ポツポツと赤みを帯びた葉が散見され、全体にかすかに
色づき始めてきた。
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「現代農業」11月号に、《「無肥料栽培のりんご」はなぜ可能なのか?》という論考が掲載
されている。無肥料・無農薬の自然栽培を手掛ける青森県のりんご生産者の事例をもとに
自然栽培が科学的にどのような仕組みで無農薬、無肥料が成立しているか考察」している。

07/8/19 の「土を考える/無肥料栽培/16」に関連して、参考に、要点を紹介しておく。
1.窒素、リン酸、カリなど主要養分の収支関係
イ.窒素
自然栽培では、チッソはダイズなどのマメ科植物を植えて、マメ科植物の根粒菌による
空中チッソ固定作用を利用している

植え付け時の判断法は
・一株のダイズに根こぶが10個以下なら、その土壌はチッソが十分なので、次の作付には
マメ科植物は植えない。
・根こぶが30個以上なら、その土地にはチッソが不足しているから、次の作物にはまたマメ
科植物を植える。

ロ.リン酸
自然栽培ではリン酸は特に新たな成分を施していない。果樹の場合、葉は落葉となって
土に還り、分解してリン酸のような無機成分となり、作物に吸収される。こうしてその土地で
循環する

果実として、畑の外に持ち出されるリン酸成分の収支関係は(考え方や計算法は省略する)
りんごの根が、仮に5㍍伸びるとして、その土壌中のリン酸の蓄積量の概算値をもとに
一年に458グラム消費されても、(土壌中には)1万3100年分の蓄積がある」という。
ハ.カリ
カリについても同様に、「一年に2640グラムの減少ならば4545年分のカリが土壌中に
あるので、リン酸と同様に数十年程度は、カリ不足は余り問題にならない


2.雑草の役割
自然栽培において、あえて雑草を取らないのは、次の二つの意義がある。
第一には雑草分解物の有機成分によって、土壌の団粒構造を保つことである」
「第二には、雑草の根は大麦の根と同様に、りんご自身の深い根と共に、土壌の下層のミネ
ラルなどの養分をポンプのように吸い上げて、りんごの根の多い上層の土壌に運ぶことであ
る。このようにして肥料を施さずとも、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネ
ラル成分が補給されると考えられる


この論考の要点は、次の通り。
1.リン酸とカリは土壌中に充分蓄積されており、作物の果実・種子などの多少の持ち出しに
よっては、絶対的不足に陥ることはない。
2.チッソは、マメ科植物を取り入れることで空中チッソを利用する。
3.雑草によって、各種ミネラル成分は補給する。
この場合、リン酸とカリについては土壌中のストック量と年々のフローとの関係で養分収支を
考察するが、チッソに関しては土壌中のストック量は考察の対象外に置かれ、フローだけを
問題にする理由が分からない。
他方、リン酸とカリについて、ストック量が、そのまま植物に利用しうる形態なのかどうか、
ストック量とフロー量との関係からだけで、数千、万年単位で利用できると云い得るのかどう
か、「科学的な仕組み」の考察としては、多少、お粗末の感を免れない。とはいえ興味深い
論考ではある。

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この記事は、取り敢えず「参考記事」の中に入れておいた。問題は「覚書」として、一括して
ある記事の扱い。文字通り「メモ」的な記事、土壌肥料学的な記事、書評的記事など様々。
要するに「日誌」に分類されない農業関連記事を全部「覚書」に一括してきた。これを内容に
即したカテゴリ分けをするには、どうする??余りに細分化するのも煩いし。
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by agsanissi | 2007-10-09 23:48 | 考える&学ぶ


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