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農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2007年 10月 26日

生活習慣病/覚書

5.4/21.2度、午前中は昨日までの秋晴れの延長で、5時前には金星は明るく輝き、土星も
火星もはっきりと見えた。11時頃から黒雲広がり、15時半過ぎから小雨になる。通常なら、
21時過ぎには10度を下回るが、今日は依然として15度、やや蒸し暑さを感ずる。

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昨日から、沖縄で「日本高血圧学会総会」が開かれている。会長の琉球大学医学部瀧下
修一教授は、開会の挨拶で、
全体のプログラムでは、特に食生活の面に着目した点を強調。長寿県として有名であった
沖縄が危機に直面している現状を引き合いに出しながら、「生活習慣の欧米化とそれに伴
なって肥満、恐らくはメタボリックシンドロームが著増している」との見解を示した。この問題
意識のもとに「栄養」をテーマにしたシンポジウムを設けたとし、「栄養学の専門家らとの連
携を図るとともに、食生活という側面からのアプローチで高血圧や肥満を含めた生活習慣
病の予防への攻略
を考えたい」とした。

とのこと(「日経メディカルオンライン」から、参照

ここにいう「沖縄の危機」とは肥満度で連続全国第一になったことだ。
昨年3/8付けの沖縄タイムス「社説」(参照)は
沖縄の肥満の割合が男女とも二〇〇〇年度から五年連続で全国一位であることが分かっ
た。
社会保険庁が三十代以上の「生活習慣病予防健診」で、肥満度を測る体格指数(BMI)を
比較した。体格指数は体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長(メートル)が25以上を肥満と
する。男性は五年間で45―47%、女性は25―26%で推移しているという。

(注:「25を超える肥満者の割合が」という意味かな)

県医師会などは二〇〇〇年に男性の平均寿命が全国二十六位に急落した「26ショック」
以降、肥満解消を訴えてきたが、依然として改善されていないことが証明された格好だ。
沖縄は百歳を超える人口はなお多い。長寿者が若い世代をカバーしきれなくなったのである。

と訴えている。

この話題を取り上げたのは、10/22の「食と農を考える/覚書」及び10/24の「食料の未来
を描く戦略会議」との関連だ。

人間及び動物は、無機元素から栄養分を取り出すことは出来ない。植物及び他の動物を
摂取して自己の身体を作る(同化)と共にエネルギーを取り出している(異化)。同化・異化を
まとめて代謝という。代謝を司る器官と代謝の機能は、数百万年というタイムスケールの所産
である。その結果、人間の身体は「飢餓」状態に対しては幾重もの防禦システムが作動する
が、この僅か数十年の社会システムの変容によって生み出された「飽食」には対処するシス
テムの備えがない。この意味では、生活習慣病とは風土と歴史的伝統によって培われた
人間の身体のシステムと社会システムの変容によって突然現出した食生活習慣とが本質的に
相容れなくなった現象だ
、と僕は理解している。

4年前、僕は、現代の都会生活は病的だ=「社会的な糖尿病」だと書いた。それを切に感じた
のは、更にその十年前、まだバブル景気の崩壊直後のことだ。糖尿病の治療にはエネルギー
摂取の制限が必要だ。同様に、地球環境のみならず人間自身の健康のためにも、現代の
先進諸国は様々な分野のエネルギー消費レベルを二三割引き下げる必要があると考えて
いる。先進諸国がエネルギー消費を二三割引き下げれば、京都議定書なんか軽くクリアー
出来るし、個人レベルでは栄養摂取量を二三割引き下げて「一汁三菜」を基本にした簡素な
食事を心掛ければ、食料自給率はたちまち三四割は上るし、生活習慣病なんかその言葉さえ
なくなってしまう。
でも、社会レベルでも、個人レベルでも、そんな暴論を受け入れるものは一握りの異端派に
過ぎない。だからこそ、如何にも問題は深刻で、様々な分野の知恵を総動員して絞っている
のだろうけれど、問題そのものの所在は明快だ。
地球環境の悪化は、現代のエネルギー消費レベルは地球生態系の浄化機能にとっては過大
すぎることを示している。生活習慣病の急増は、自分の身体と生活条件にそぐわぬ食事内容と
過大なエネルギー摂取を示しており(免疫機能を高めるには粗食が良いそうだ)、日本の社会
的条件の下では、結果としてそれは食料自給率の低下をもたらしている。

まあ、簡略に過ぎる暴論だけれど、これからぼちぼち展開する積り。

by agsanissi | 2007-10-26 22:33 | 考える&学ぶ


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