2007年 10月 30日

賞味期限なんかクソ喰らえ!

10.0/15.4度、日照ゼロ、朝の気温が温い割りに日中の気温が上らぬ。朝は身を切る
ような清冽な冷たさが好きだが、この温さは何なんだ?!

自慢じゃないが、店先でも、自宅でも、賞味期限なんか気にしたことはない。気に留めると
すれば期限切れ直前の見切り品を安値で買うときくらい。料理するときには自分の鼻と舌
を頼りにするだけで、たまには間違えて下すこともあるけれど、それはそれで正規反応だ
から気に止むことはない。それで一向に不都合はない。ブランド物や世間の評判には目も
呉れない貧乏人の生活はそんなものだと割り切っている。

食品の不当表示をめぐる事件が相次いでいる。四ヵ月前に「食の安全・安心」(参照)の中で、
一連の事件を取り上げて、「食の安全・安心」は脅かされている、農水省はいったい仕事を
やっているのか、こんなことで国民の健康・安全を守る仕事を任せられるか等と騒ぎ立てる
のは、止めにしておくが良い。結果としてそれは、彼らの官尊民卑の心を肥やし、煩雑で・
小煩い規制の網を一段と複雑にするだけだから。

と書いたことがある。

その後も、規制や管理を一段と強化させるような事件が相次いでいる。誤解を恐れずに云えば、
僕はこの種の「事件」は、そういう概念が刑法学にあるのかどうか知らないが、実質犯では
なく形式犯だと考えている。殺人や窃盗は、明白な実害を伴っている。一方、賞味期限や製造
年月日を偽ったとか、偽物を高値で売りつけたとか、確かに詐欺行為には違いないが、果たし
て「食品の安全・安心」を脅かすような本質的な実害行為なのか?
というよりも本質的実害を伴わないからこそ(要するに騙された人は、摘発されるまではそれと
分からずに自己満足しているのだ)産地を偽ったり、賞味期限や製造年月日を付け替えたり、
次から次へと摘発の暇もないほど横行しているのではないのか。内部告発で摘発されるのは、
ほんの氷山の一角。こんなさもしい連中の詐欺行為を機会に、ますます「きめ細かい規制」
を課せられるのは甚だ迷惑だし、社会的浪費を肥大させるだけだ。そんなことで「食の安全・
安心」が担保されると考えるとすれば見当違いも良いところ。

29日付の「萬晩報」に「結局、賞味期限って何なの!!」という記事が載っている(参照)。
加工食品の「表示」が「製造年月日」から「賞味期限(消費期限)」に変わってから12年に
なる。よく聞かれる質問は「賞味期限って誰が決めるの?」というものである。....

という書き出しで始まっている。

消費期限なんてものはせいぜいスーパーの店舗での話で、いったん消費者が購入してしま
えば、あとは「野となれ山となれ」。自己責任の世界なのだ。
実は食品衛生法にもJAS法にも「賞味期限の」規定はない。食品衛生法施行規則の「食品
の表示」という項目に「表示しなければならない」項目のひとつとして、添加物や原産地などと
並んでいるにすぎない。つまり“一定”の加工食品には「賞味期限を表示しなければならず、
期限の短いものは消費期限として表示する」ことになっている。
細かいことで申し訳ないが。賞味期限は製造者が決めることになっている。「この加工食品の
味について表示している期限内なら我社は品質を保証する」といった程度の話なのである。
スーパーやコンビニでぜひ食品の表示を見比べると非常におもしろい。


この曖昧模糊とした「賞味期限」の制約(単なる目安に過ぎないものが、明示されれば限界
値に代わってしまう)で、かなりの量の食品が廃棄されているはずだ。日本の食品廃棄物は
年間1900万トンに及ぶそうだ。これは世界の食糧援助量の三倍に相当し、これを供給熱量
に換算すると総供給量の四分の一を廃棄している。出所では家庭からの廃棄量が1000万
トン、外食産業など事業系から530万トンにあたるという(第二回食料の未来を描く戦略会議
の議事録、11、13、14頁、参照)。この内、どの程度が「賞味期限」に係わるのか不明だが、
一方ではこの大量の食品廃棄を問題にしながら、他方では「賞味期限」の機械的な適用を
そのままにしていて良いのか?

そもそも「食の安全・安心」は、本質的にはどのような形式で担保されるのか、法的規制や
行政の介入はどの程度まで要請され、企業の社会的責任はどのような形式で担保され、
消費者の自己責任はどの程度まで要請されるのか?
消費者が自己責任を放擲し、公的「お墨付き」に依存する割合に応じて管理・規制の煩わしさ
は幾何級数的に肥大する。
結局、こんなことでやいのやいのと大騒ぎしているのは、消費大国の贅沢ではないのかという
思いを拭いきれない。
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by agsanissi | 2007-10-30 20:28 | ミミズの寝言


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