2007年 11月 05日

辞めるって?!/補足

今朝書いたことに「補足」したくなった。
1.「国際的には、少なくとも北東アジアでは米国は対中国の覇権争いにここ数十年全神経を
注がざるを得ず、その争いの波間に日本は浮かぶか沈むかの瀬戸際にある
」という点につい
て、
イ.米国の外交誌「Foreign Affairs」の最新号にヒラリー・クリントンの外交論文が載って
いる(参照)。どの党の誰が大統領になろうと、上記の点に関する米中日の基本的関係は
動かない。しかし今の時点で次期大統領にもっとも近い距離にあるクリントンの論文の主旨
は、戦後の日米関係に基本的修正を余儀なくさせる可能性があることを示唆している。
・やや反米的な「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」(参照)の
日本のマスコミが注目したのは「日本」に関する記述の少なさだが、事実、論文のどこを探して
も文節として独立した「日本」という表現がない。
従来、米国の政治家はたとえリップ・サービスでも日本への期待をこめて、同盟関係の維持と
発展、過去の両国関係への評価がなされたものだった。
ところがヒラリーは中国重視、インドへ注目、そして日本を無視に近い論調で書いた。世界を米
国の利権構造で認識する彼女には、善意と非武装、無力のニッポンなんて目に入らなかった
に違いない。
「今世紀の最大に重要な相手国は中国」とヒラリーは平然と銘記した。

という紹介と、
・はっきり親米的な「溜池通信」Vol.375(参照)の
いろんな論点がありそうですが、以下の部分にちょっとしたショックを感じました。対中関係に
ついて述べた部分です。
Our relationship with China will be the most important bilateral relationship
in the world in this century
. The United States and China have vastly
different values and political systems, yet even though we disagree
profoundly on issues ranging from trade to human rights, religious freedom,
labor practices, and Tibet, there is much that the United States
and China can and must accomplish together. China's support was
important in reaching a deal to disable North Korea's nuclear facilities.
We should build on this framework to establish a Northeast Asian security
regime.

"The most important bilateral relationship"といえば、20 世紀にはもっぱら日米
関係を表す決り文句でありました(©:マイク・マンスフィールド駐日大使)。敢えてその言葉
を使って、「21 世紀は米中関係の時代」と宣言しているわけで、日米関係の側から見ると
内心穏やかではいられません。

という二つの記事で、大体の内容は推し量れる。
日本側にとって「新テロ特措法」をどうするかは、今後の対米関係の外交戦略上は避けて
通れない最重要課題ということになる。
ロ.小沢氏と米国の関係について太田さんが書いている
米国は、エシュロンで小沢氏の電話やメールは全部盗聴していると考えるべきであり、不祥事
の噂の絶えない小沢氏のことですから、その政治生命を米国が絶とうとしたらいつでも絶てる、
くらいに考えておいた方がいいのであって、小沢氏が虎の尾を踏む愚をこのところ繰り返して
いることは私には到底理解できません

という指摘。
以上に指摘したことが、具体的にどういう意味を持ってくるか、今の時点では見えないが、考慮
すべき論点として記憶にとどめておく価値はある。
2.「竜頭蛇尾に終えて才覚を疑わせた」という点について、
安部さんは、突然の辞任の理由に表向き「小沢氏との党首会談」を拒否されたことを挙げた。
小沢氏は「公開の場」で堂々と討論すれば良いのであって、「密室での談合」は拒否すると
応えた。「公開の論理」は、今回はどこに消えたのか?
「安部を選ぶか、小沢を選ぶか」と、事実上の政権選択の選挙と宣言し、参議院選挙で敗北
した自民党にはもはや政権政党としての「正統性」は失われたという主張と今回の辞任表明
の中の
民主党は、参院第1党の力を活用して、マニフェストで約束した年金改革、子育て支援、
農業再生をはじめ「国民の生活が第一」の政策を法案化して参院で提出しているが、衆院
では依然、自民党が圧倒的多数を占めている現状では、これらの法案をいま成立させる
ことはできません。逆にここで政策協議を行えば、国民との約束を実行することが可能に
なる

という主張は、どのように整合性を保ちうるのか?
3.「自民党にとっては不幸中の幸い」という点について、
理念先行型の稚拙な政治家に変えて、ある意味で小沢氏と同じタイプの政治家をトップに
戴いたことも、相手が(太田氏の云う)脛に傷を持つ政治家だったことも、その政治家が理由
はともあれ、突然こけたことも、そのこけた政治家に民主党首脳部が未練たらたらなことも、
すべて自民党にとっては「不幸中の幸い」。とはいえ
「良かれ」と思うすべての真剣な行為が裏目に出るのが、社会現象の末期的症状の特徴
という基本的性質は変わらない。この点は、また項を改めて。
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by agsanissi | 2007-11-05 21:20 | ミミズの寝言


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