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2007年 11月 11日

頭の体操

小沢氏の辞任劇と大連立構想をめぐっていろいろ論じられている。
さほど関心があるわけではないが、やや際立つ二つの論点が目に付いた。これから半年
から一年程度、小局をみるには記憶に値するかな?

一つは、JMMの『from 911/USAレポート』第328回の冷泉彰彦さんの「腹芸の時代」
NYヤンキースの監督辞任問題に触れながら、
 この「腹芸」に比べると今回の「大連立構想と小沢辞任撤回騒動」における、福田
康夫首相と小沢一郎民主党党首の繰り広げた「腹芸」は何ともお粗末に見えてなりま
せん。お粗末というのは、何といっても小沢氏のほうで、私の見るところ福田首相の
繰り広げた老獪なコミュニケーションのテクニックの前に、右へ左へと大きく振り回
されて「ヘロヘロ」になっている、そんな印象があります。

 今回の騒動に関しては「ナベツネ」氏や中曽根元首相が暗躍したとか、与謝野前官
房長官が囲碁の対戦の際に何かを囁いたとか、色々なことが言われていますが、どう
やら全てを主導していたのは福田首相本人のようです。今回の政治ショーにおける福
田首相の意図は2つあると思います。それは(1)会期延長を円滑に行う、(2)民
主党に公明党への「手を突っ込ませない」、という単純な二点だと思います。

 まず(1)について言えば、これからの国会運営で「民主党にイニシアティブは渡
さない」一方で「民主党の顔も潰さない」という微妙なバランスを「福田ペース」で
進めよう、そのためには「会期延長」「予算」「給油」の三つの中で「3分の2再可
決」は一回しか使えないだろう、そんな計算があるのではないでしょうか。そして恐
らくは福田首相の計算としては、民主党が腰砕けになる中で「会期延長」を通し、
「予算」は民主党と何とか合意を探る、その中で民主党が乗るなら消費税率アップも
やり通す、その代わり「テロ新法」は「3分の2」をやっても通す、そんな見取り図
を持っているのではないかと思います。

 実はこちらの方が本筋、私にはそう見えます。大連立とか中選挙区制というのは壮
大な「腹芸」であって、それを使って民主党を揺さぶりながら、公明党に猜疑心を抱
かせないようにして政局の主導権を握ろう、どうやらそういうことなのではないで
しょうか。どうして民主党に対する揺さぶりになるのかといえば、政権参加をちらつ
かせてしまえば、相手は「政権のチャンスから逃げれば無責任」、乗る姿勢を見せれ
ば有権者からは「談合で政権批判を取り下げた」と言われ、どちらに転んでも勢いを
失うからです。また、何故、消費税の議論を含む予算審議では強硬に行かないかとい
うと、政権として強行突破に行くと選挙で負けるからであり、では安保問題ではどう
して最終的に強硬に行く選択があるのかというと、豪腕を発揮できれば党内基盤が固
まって長期政権への道筋が見えてくるからに他なりません。


もう一つは、軍事ジャーナリスト神浦元彰さんの11/09のコメント参照)、
昨日の小沢代表の”続投”記者会見で、これで民主党が劣勢に立ったという楽観論は
考え物である。逆に民主党が優勢に立ったという見方が正しい。自軍の背後に川を
背負う布陣によって、自軍の退路を断ち、攻め寄せる敵勢に総力で立ち向かうのも戦法
である。衆院で再可決されて野党が過半数を占める参院で、民主党が問責決議を出さ
なければ自殺行為である。ケンカ上手の小沢氏がこの起死回生のチャンスを見逃す訳
がない。楽観論など笑止である。

 また与党は民主党内の一派を切り崩し、大臣の椅子をエサに謀反(むほん)を企む
ことは必至だ。しかしそんなことをすれば、かつて外相の椅子に飛びついて自滅した
政治家(柿沢氏)と同じ運命である。今回は民主党の前原氏あたりが狙われやすいが、
彼が民主党を裏切って自民党に行く度胸があるか見ものである。民主党の岡田氏は
与野党の政権が代われば、最優先で次の首相候補になると思う。小沢代表、菅代表
代行、鳩山幹事長は次の首相候補にはなれない。そのことは本人も自覚していると思う。

 いよいよ新テロ特措法案の審議は、衆院の解散総選挙から政権交代までの現実味を
帯びてきた。民主党が新テロ特の対案(骨子)を出してきたことで、ここまで読めるのだ。
これほど軍事知識(兵法)というのは実践的で”面白い”ものなのである。

 民主党から首相の問責決議が出され、福田首相が衆院を解散しても、決して”勘違い
解散”などと呼ばないで欲しい。これが小沢流兵法(戦略・ケンカ)のすごいところである。


一方は、福田側が仕掛け、小沢が劣勢にたったとし、他方は小沢側が仕掛け福田が
劣勢にたったと見る。神浦さんは小沢氏の安全保障論に惚れ込んでおり、その点から
やや眼が眩んだかという印象がある。僕は政界の内情など何も知らないし、どっちの
見方が正しいのかさっぱり分からない。まあ、どっちでも良いし、どっちに転んだところで
大差ないと思っている。では、なにが大事な論点になるか

最近までの与野党の主要な対立軸は、大雑把に言うと
・日米同盟を日本の国際関係の基軸にすえるかどうか
・経済成長を基軸にするか、福祉的社会政策を基軸にすえるか
という点にあった。
この十数年で、社会主義圏の崩壊、経済成長の停滞と借金財政の肥大化、中国の台頭
など、かつての対立軸を支えた与件が変化した。この変化に伴って、まず社会党・共産党
が衰退し(歴史的には終わった)、民主党が成立した。
これからの対立軸は、どうなるか?
・戦後の日米関係は、中国の台頭に伴って、基本的に変化する可能性がある。
(20世紀の日米関係は、中国を軸に180度転換した)
日本の自立と日米中の関係をどのように組み立てていくか
・経済の相対的停滞を前提に国民的な所得分配の配分をどのように組み立てるか
というようなとことではないだろうか。
この点で、自民・民主両党の考え方は、すっきり整列しておらず、部分的にかつての対立軸
を引きずったまま、交錯し、捻じれた関係になっている。
新たな対立軸が、もっと鮮明になれば、政党の再編は不可避になるとみなしている。いまは
まだその過渡期で、様々な紆余曲折は避けられない。
誰が仕掛け人で、どっちが有利にたったかは、当事者にとっては必死だろうが大勢からみれ
ばどっちにしても大差のない問題ではないか。
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by agsanissi | 2007-11-11 17:36 | ミミズの寝言


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