2008年 02月 01日

ジャガイモ栽培のヨーロッパへの伝播

南米の在来種のジャガイモの原産地は、チリ南部の低地帯とベネズエラ東部からアルゼンチン
北部にかけてのアンデス高地帯の二つの系統に分けられる。この二つの系統のうちのどっちの
ジャガイモが、ヨーロッパに伝来したのか、長い間、論争が続いていた。

08/01/31のARS News(Agricultural Research Service, USDA)によると、1700年
以来の標本植物のDNAの系統的な研究によって、この論争に、ほぼ決着がついたそうだ。
その内容は、やや込み入った専門的な話になるので割愛するが、American Journal of
Botany(参考)に掲載されたこの論文の中に、ジャガイモのヨーロッパ伝播の様子を概観
する面白い地図が載っているので紹介しておく。

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A.1567、カナリア諸島でヨー
ロッパで最初のジャガイモが
記録される。
1573、スペインで初めてジャ
ガイモが生食された記録
B.1596、ジャガイモについて
の初めての植物学的記述
C.1601、プロシャでジャガイ
モが栽培される
1771、飢饉によってジャガイ
モ栽培広がる
D.1601、ジャガイモ栽培の
試みがポツポツと始まる。
1770、ナポリの住民は、飢饉の最中にもジャガイモ食を拒否した。
E.-1600、東部フランスではジャガイモ栽培が始まっていた。
1749、ジャガイモはエキゾチックな食べ物とされた。
1761、ジャガイモは安全な食べ物だという広範な宣伝が行われた。
1771、パルマンティエが安全な食べ物だという効果的な宣伝をやった。
1814、国立農業学会によって120品種にのぼるジャガイモが収集された。
F.1640、畑作物として記録される。
G.1662、ジャガイモが重視され、英国学士院は飢饉対策として栽培を推奨した。
1760、スコットランドでは畑作物として広く栽培された。
1830、イングランドでは当たり前に栽培されていた。
H.1764、ジャガイモ栽培を推奨する勅令発布
I.1850、ニコライ一世、ジャガイモ栽培を義務付ける。

★ジャガイモのヨーロッパへの伝播の簡単な歴史は、「講読の部屋」の
「ジャガイモの社会文化史抄」(参照)にも、僅かに載せてある。
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by agsanissi | 2008-02-01 21:37 | ジャガイモ


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