2008年 03月 02日

アジアに広がる食料品価格の高騰/2

少し間が空いたけれど、2/18の参考記事の続き。

○アジアで食料価格高騰、貧困層に大打撃(08/02/12、参照
・FAOの統計によると2007年、食料価格は世界全体で40%近く上昇し、ミャンマーやパキ
スタン、インドネシア、マレーシアなどで抗議デモが相次いだ。
・悪天候の影響で最も大きな打撃を受けているのがバングラデシュで、前年はサイクロンに
より6億ドル(約640億円)相当の稲作が被害を受けた。今年のコメ価格は前年比70%増と
急上昇、1キロ当たり50セント(約53円)前後となっているが、同国の国民の1日の生活費
は1ドル(約106円)に満たない。
○食料品価格の高騰が更に深刻に、ベトナム株情報(07/12/06、参照
・ハノイ市の市場における肉類や水産物、米、食用油、乾物などの生活必需品の価格は一斉
に値上がりし、豚肉価格は1キロ当たり2,000~4,000ドン(~約28円)上がって、キロ4万
5,000~5万5,000ドン(~約380円)で推移している。ガソリンの価格上昇による運送料
上昇のため、食料品価格の上昇はいかんともし難いという。
・市場の小売店では、このまま行けば2008年旧正月の肉類の価格は、現在の価格の倍
程度、1キロ当たり8万~10万ドン(~約690円)に値上がりすると予想している。
・先週で水産物の価格はキロ当たり1万~1万5,000ドン、米の価格はキロ当たり2,000ドン、
野菜、果物の価格はキロ2,000~4,000ドン、食用油の上昇は激しく、1箱当たり2万2,000
ドン、それぞれ上昇したという。
○ミッチーナにおける食料品価格の高騰、ブログ記事(07/08/28)
・ビルマでは、政府による燃料値上げのあおりを受けて食料品や生活必需品の価格まで高騰
している。カチン州ミッチーナでは、米は1袋1,000チャット(約100円)~2,000チャットだっ
たが、今では1万9,000チャット~2万2,000チャットにまで値上がりした。また、食堂で1回
食事をするのに300チャットあれば済んでいたものが、今では800チャット~1,000チャット
かかるようになった。このほか、肉類、食用油、自転車、オートバイ、自動車部品なども軒並み
値上がりした。
・ミッチーナにおける値上げ後の国産燃料の価格は、1ガロン(約4.5リットル)あたり天然ガス
が2,500チャット、軽油が3,000チャットであるが、一般市民は国産燃料を手に入れにくく、
さらに割高な中国産燃料の使用を強いられている。中国産燃料は、1ガロンあたり天然ガスが
4,500チャット、軽油が4,800チャットである。
○[オピニオン]穀物戦争/東亜日報(08/02/20、参照
・650ウォンだった辛(シン)ラーメンが今日から750ウォン、750ウォンのチャパゲティ(即席
麺)は850ウォン、セウカン(スナック菓子)は700ウォンから800ウォンに値上がりする。サイ
ダー、ジュース、コーヒー、ヨーグルト価格の値上げも控えている。ドルベースの農産物の輸入
物価指数は、昨年12月ベースで前年比35.8%、今年1月食料品の消費者物価指数は、前年
比2.9%上昇している。昨年、全国世帯あたり月平均実質所得は2.5%増にとどまった。主婦
たちのため息も増えるばかりだ。世界を襲っている穀物ショックのためだ。
・先月14日、インドネシアの首都ジャカルタの大統領宮の前では、市民、労働者1万人あまり
がデモを行った。前年度に125%跳ね上がった大豆の値段がさらに50%値上がりし、食品
メーカーの工場が閉鎖に追い込まれるや、街頭に飛び出したのだ。ニューヨークタイムズ紙
は、「世界の随所で物価上昇を糾弾する集会が相次いでいる」と報じている。国連食料農業
機関(FAO)が、国際市場で取引される60食品の輸出価格を踏まえ、食品価格指数を算出
してみたところ、06年14%アップから昨年37%と高騰している。
○食糧価格高騰。その抑制に大急ぎで取組み始める政府/ロシア・ノーボスチ通信社
(07/10/16、参照
・金融アナリストの評価では、ロシアの本年通年のインフレ率は9-9,5%に達すると予想して
いる、昨日、この予想は新しい経済発展相のナビウリナも認めた。
・政府では、価格加速は外部要因のためであると確信している。発展途上国からの食糧品に
対する需要の逼迫が原因であるとしている。とりわけ、中国とインドからの需要の逼迫が著し
い。そして生物燃料製造用に食糧品が積極的に農業に利用されていることも一因だ。また、
EUが自国農業のための輸出奨励金を提供し資金援助するのを止めた為輸出業者は高い
価格で輸出しなければならなくなったことも価格高騰につながっている。結果は周知の如くだ。
ロシア統計局のデータでは、本年初めから、食糧品の最低摂取量の価格は17%上がった。
独立系専門家はさらなる、著しい価格高騰がありうると言っている。平均価格で、植物油と乳
製品では60%、パン製品では40-45%高騰している。
○食料品価格の高騰続く?政府内でもインフレ対策にさまざまな見方? (ロシア) 08/02
/08、ジェトロ、参照
・2007年の消費者物価上昇率(前年12月比)が11.9%になるなど、インフレが加速している。
政府は2007年10月以降、主要食料品価格の統制や輸出入関税の操作といった対策を実施
してきたが、これまでのところ効果は十分に出ていない。インフレの原因については、食料品
価格高騰のほか、マネーサプライの増加、エネルギー価格の引き上げなどさまざまな考え方
があり、対策についても政府内での合意が形成されていない。

○FAO食料需給見通し、プレスリリース(07/11/07、参照、pdf)
・FAOの最新の分析によると、国際穀物価格は世界の多くの国での食料インフレーションに
より上昇しているとしている。「殆どの穀物は、最近数年間よりも逼迫した供給状態にあり、その
一方、需要は食料・家畜飼料・工業利用のため増加の一途である。」と報告書は述べている。
今期始めより既に低レベルだった在庫量は、世界の穀物生産量が辛うじて利用量に見合う分
しかないことから、現在の低いレベルが続くもの、と予測している。 又、2006年に農産物価格
は高騰したが、一部産品ではそのペースを上回る上昇が本年では見られるとした。
・穀物等主要作物の国際価格高騰の波紋は、食料供給チェーン全体に連鎖・拡大しており、
パン・パスタ・肉・ミルク等の基本食料品の小売価格を押し上げている。FAOは、世界が現在
のような広範囲に及ぶ共通の食料品価格インフレーションを経験することは極めて稀なことであり、輸出国・輸入国、また先進国・途上国を問わず、農産物価格の今後の動向について議論
を活発化することとなる、と分析している。
・石油価格の最近の急激な高騰は、農産物の生産資材価格の上昇とバイオ燃料へのこれら
農産物の需要拡大という形で、農産物の価格を一層押し上げている。
Food Outlook は、石油価格高騰と環境問題対処の要望の高まりという両面から、原料、
特に砂糖、メイズ、菜種、大豆、ヤシ油やその他油糧種子作物、そして小麦の需要が今後さら
に高まるものと予測している。

以上は、石油及び穀物価格の高騰をきっかけに中国、東南アジア、ロシアなどで食品価格
の高騰が広がっているという話だ。一方、日本は石油及び食料品は輸入に依存している。
1973年の石油価格の高騰の時は、消費者物価は「狂乱物価」というほどに急騰した。現在は
じわりと消費者物価は上昇してはいるものの、石油や穀物価格の急騰振りから想像するほど
には上がっていない。例えば、小麦の政府売渡価格は平均30%引上げられるが、その消費者
物価指数に与える影響は0.03%と、農水省は試算している。
さて、この違い、イ.70年代との相違、ロ.アジア各国との相違は何に由来するのか?
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by agsanissi | 2008-03-02 09:18 | 参考記事


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