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農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2008年 03月 11日

海外に農地保有?!

「世界的な食糧危機、なすすべのない韓国」という記事が朝鮮日報に載っている(08/03/09、
参照)。
世界的に食糧問題が緊急の課題として浮上しているが、穀物の海外依存度が高い韓国は
この状況にまったく対応できていない。日々高騰を続ける穀物価格が物価を押し上げるアグ
フレーション(農業+インフレ)に直面しているのはもちろん、金を払っても穀物を買うことが
できず、韓国国民4700万人の食卓が脅威を受ける食糧安全保障問題に直面する恐れが
現実化している
」と書いている。

・穀物ショックは、一時的な需給不均衡の時期さえ過ぎ去れば解決するような問題ではない。
韓国国内や海外で農地を確保して直接農業を営むか、あるいは安定した輸入先を確保する
という根本的な対策が必要だ。
・(FAOは、安全な穀物在庫率として18-19%を推奨しているが)韓国の主な穀物在庫率
(2007年基準)はコメ13.7%、小麦11.8%、トウモロコシ5.3%、大豆10.6%など、FAO
が定める基準をはるかに下回っている。また国内消費に国産が占める割合(自給率)も、小麦
0.2%、トウモロコシ0.8%、大豆13.6%にとどまっており、海外からの輸入に多くを頼って
いる状況だ。
・食糧安保次元での備えを以前から続けてきた日本は、東南アジア・中国・南米など世界各国
に1200万ヘクタールの農地を確保
している。日本国内の農地面積の3倍に達する規模だ。
・しかし韓国の海外農地開拓は非常にわずかだ。10の民間企業や団体がロシア沿海州などに
数百から数万ヘクタール規模の農地を所有しているが、食糧不足を解消できる次元の規模で
はない。しかし国内での増産も容易ではない。

この記事で、特に注目したのは、日本が「世界に1200万ヘクタールの農地」を確保している
という点だ。「食糧安保次元での備えを以前から続けてきた」という指摘は、日本で指摘される
自意識とは、かなり落差がある。が、多分、これが事実なのだろう。
どのような確保なのか?当然、商社その他が農産物の様々な契約生産に乗り出していること
は想像に難くないが、実際に1200万ヘクタールを確保しているというデータは始めてみた。

このようなデータは、どこで、どのように調査しているのか知らないが、事実とすれば、日本の
農業問題は、全く違った様相を呈してくる。形は異なるとはいえ、食料生産に関しては、かつて
の大英帝国のような立場に立つことになる。この場合、国内の農業生産は世界市場とは全く
別の方面に特化しなければ、早晩、生き残ることは不可能になろう。
こんな貴重なデータを知らなかったとは、我ながら、随分、迂闊な話だ。(但し、朝鮮日報の
早とちりの可能性は捨てきらない、08/03/13追記)

by agsanissi | 2008-03-11 08:37 | 参考記事


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