農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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カテゴリ:参考記事( 51 )


2007年 11月 15日

中国の「一人っ子」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」の07/10/20に(参照
医療専門誌『ランセット』(The Lancet、英語雑誌)の調査に依れば、1979年の一人っ子
政策導入以来、中国では一億人の赤ちゃんが堕胎で死亡していると衝撃の報告がでた。

との記事が出ていた。Lancetの記事を探してみたが確認できなかったので、触れないで
おいた。
14日の「人民網日本語版」に(参照
中国の農村の出生性比(女児100人に対する男児の数)が依然高いレベルを保っている。
出生性比は自然な状態で103から107とされているが、中国国家統計局のサンプル調査に
よると、中国の出生性比は119.58、農村ではさらに高い122.85となっている。「新華網」が
伝えた。

と出ている。
農村での高い男性比率は、云うまでもなく、労働力に対する期待からで、同じ「一人っ子」なら、
同じ生計費なら、女児よりも男児ということだ。もち論、自然の産み分けの結果ではない。
05/11/16の「中国情報局」ニュースに(参照
人口を抑制するための「計画生育」いわゆる一人っ子政策が1979年に本格的に導入されて
から現在までで、全国の「一人っ子」は約9000万人を数える。このうち、2002年の男女比は
11対7となっており、正常値を超えている。

と出ている。ということは出生性比は157.14ということで、一億人の赤ちゃんが堕胎というの
も肯ける。当局は「違法行為である男女産み分け」というが、「国家人口・計画生育」という発想
が生み出した結果であることは云うまでもない。
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by agsanissi | 2007-11-15 00:27 | 参考記事
2007年 11月 06日

デジタル図書館

朝から全天雲に覆われ、一点の青空も見えない。昨日に比べやや生温か、5-6度。
ダイズ刈り取りは、早朝の湿気を避けるため、いずれ10時頃から開始しているが、
この様子では、どうなるか?大陸の高気圧に押されて雲域が下がれば、午後には
出来るかな。

いつだか、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」に、最近の日本人は本を読まなくなった。
知的水準が下がった証拠だ、てなことが書いてあった。知的水準のことは知らぬが、社会
的エリートの社会的責任感の喪失と知的・道徳的退廃は切に感ずる。
まあ、それはともかく僕も本を買わなくなった。少なくとも古典的文献に関しては、ほとんど
買う必要がなくなった。日本の「青空文庫」(参照)はまだちょっと貧弱だけれど、Project
Gutenberg(参照)は、文句なしに敬服する。そればかりか米国のNational Archives
(参照)を初めとした欧米諸国の議会、公文書館、図書館の執念とも云える「公開」の熱意
は、(日本は)比較の比ではない。
とはいえ、この数年、日本のネット文化も急速に変化し始めたようだ。

最近、僕が一番感動したのは「東大史料編纂所」のデータベース(参照)が公開され始めた
ことだ。昔、幕末維新時代のことを調べるために「大日本維新史料稿本」という全4500冊の
史料を読むために、所長の特別許可書を申請して、ガラス張りの特別室で読むために通わ
なければならなかった。いろいろな事情で、「通い」を諦めざるを得なくなって、稿本に接する
機会を失っていたけれど、実に二十数年ぶりにネット上で稿本全4500冊を読めると分かっ
たのだ。
また国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」(参照)も、明治以降の所蔵文献を公開
する事業を開始した。最近(10/15)、新たに「国立国会図書館デジタルアーカイブポータル
(PORTA)」(参照)を開始した。ちなみに、このサイトから前に「土を考える/一物全体食/14」
参照)で触れたことのある石塚左玄の「食物養生法」を読むことが出来る(参照)。

サイトの説明では、
国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA)は、我が国のデジタル情報にアクセス
する総合的なポータルサイトとして国立国会図書館 (NDL:National Diet Library)が構築
しているものです。デジタル資源の保管庫である「デジタルアーカイブ」から情報を探すための
ポータルサイトとして、当館保有のデジタルアーカイブに加え、国や公共の機関、民間機関が
保有する複数のデジタルアーカイブを対象とした一元的な検索を可能とし、利用可能なコンテ
ンツやサービスへ案内します。
PORTA(ポルタ)は、ラテン語で「門」や「入り口」を意味する、国立国会図書館デジタルアーカ
イブポータルの通称です。

という内容。
ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 (参照)の10/29に、やや親切な
解説と今後の注文が載っている。
この点、ネットの世界では国境はますます希薄になったな(世界にアクセスできるのみならず、
世界の動きが直に伝播する可能性が広がった)というのを感ずる。
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by agsanissi | 2007-11-06 07:41 | 参考記事
2007年 10月 31日

「管理社会」

惑星群が、段々高緯度に揚がって来た。これからは、ひょっとすると海岸に行けば水星を
見られるかもしれない。そうすれば東の地平線から南の天頂にかけての円弧上に水星、
金星、土星、火星とならんで見られる。

自分では「管理」の息苦しさを直接感ずる立場にはないし、学生時代から、もう半世紀以上
そういう世の中とは半ば縁切り状態で、「管理社会」を身を以て痛切に感じたことはないから、
それを正面きって批判するほど世間を知らぬ。それでも間接情報から垣間見ることは出来る
し、一を聞いて、三なり、五なり、十なり窺い知ることは出来る。

そんな面白い記事の一つが、NBonlineの10/26に載っている。殆ど全部引用、僕の操作
と云えば、下線引きだけ。昨日の記事「賞味期限なんかクソ喰らえ!」とも関係するし、官が
民の首を絞めているだけではなく、自分で自分の首を絞めるような、それでいて自分では
ちっとも気付いていないという独特の社会のあり様を窺わせる面白い記事だ。表題は「屁尾
下郎」氏のツッコミが世の中を詰まらせる
、糸井重里さんと編集部の対談、というか一問一答
参照、記事を読むには要登録)。

ネットといっしょに、超管理社会がやってきた

糸井 去年みたいに、手帳をこうして、みたいなことを具体的に言いづらいんです。

―― え、なぜですか?
糸井 回りくどくなるけど、いいですか? 昔々『日本国憲法』という本を作った、島本修二さん
という編集者が小学館にいて、当時、彼から聞いた笑い話があります。
島本さんは、会社に、自転車で通勤していた。ところがそれを見てた人がいたんですね。で、
この人があるとき廊下でまじめな顔で話しかけてきた。
「あの、自転車通勤は許可されているんでしょうか?」
このときは二人で大笑いしたんだけど……。
でも今、ぼくが、もしその話を島本さんにされたら、やっぱりその人みたいに「自転車通勤って、
小学館的にはどうなの」って聞き返すと思うんですよね。

―― 当時笑えたのは「いやしくも『公』たる会社が、通勤手段ごとき『私』のことなんか、
かまう必要はないじゃないか」と、みんななんとなく思っていたから、ですよね。
糸井 そう。それが今だと、自転車で通勤しているやつが事故を起こした場合、労災がおりるか
どうか、とか。「自転車の置き場が会社にないから、自転車通勤の野放しは放置自転車を会社
が許したということになりますよね」とか。
そんなつまらないことを、俺らがつい考えついちゃう。それ自体が……。

―― すでに管理社会。全身どっぷり。
糸井 そのとおりです。島本さんとぼくが矢沢永吉の『成りあがり』とかを作っていた70年代
80年代は、まだ「自転車通勤は会社的にはいかがなものか」とわざわざ言ってくる人の存在
自体が、笑い話だったのに。今やそういう人はあっちにもこっちにもいて、人さし指で、いちいち
指さし点呼して「管理」してる、お互いに


―― そういえばマンションの耐震偽装の問題が起きてから、「あまるいに規制が厳しく
なって、新しいビルが建てられない」って、建築士さんが困っているという話があります。
糸井 じゃあ、規制が厳しくなって、結局誰の仕事が増えているか。というと「これは大丈夫
です」「これはダメです」「これは耐震構造的に法的にオーケーです」「オッケーじゃありません」
といったことを調査して報告するひとたちですよね。それって結局、官僚の仕事であり、弁護士
の仕事じゃないですか。

―― まさに管理する人の仕事だけが増えたんですね。
糸井 そこで問題なのは、「仕事は増えているけれど、何も生んでいないし、消費されていない」
ということなんですよ。

―― ええっ? どういうことですか?
糸井 つまり、見回りみたいな「管理」の仕事を増やしても、何も生み出さないし、誰も消費を
しないじゃないですか。ただ、たしかにこうした官僚的な仕事、官僚的なコストを増やしていくと、
ノーアイデアでいろいろ回るんです。

―― 最近、弁護士の数を増やそう、法化社会にしよう、という話をよく聞きますが、「そう
なると訴訟だなんだで、ものすごく社会的コストがかかっちゃう社会」になっちゃうかなあ、
という気がしてたんですが、すでにそうなりつつあるんですね。
糸井 見回ったり、管理したり、何が正しくて何が間違っているのかって仕事は、役人と天下り
の元お役人たちとで回していたわけですよ。現役の官僚としてルールを決めたり摘発する側に
いた人が、今度は民間に場所を変えて、それが順法かどうかを調べる人になる。こうした仕事の
やりとりが、減るどころか、もはやあらゆる業界に存在している。
この仕事のやりとりの何がすごいって、そこから何も生まれてないのがすごいんですよ。
まず、「ルール」っていう、わけの分からない魔物がいて、その魔物のスケッチを描けると仕事
になる。「魔物と遊ぼう」でもなければ、「魔物から逃げよう」でもなければ、「魔物をとっつかまえ
よう」でもなければ、「新しい魔物をつくろう」でもない


―― 法律だのコーポレートガバナンスだのといった「ルール」という魔物の番をする仕事
だけが増えてるわけですね……。
糸井 で、インターネットの世界でも……。

―― そうか、この手の「管理」したがる人が勝手にどんどん増えている! インターネットが
「自由」どころか「管理」の象徴に……。糸井さんがなんだか憂鬱な理由がわかってきました。
糸井 (笑)

―― それで思い出しました。あるアニメに関する記事を書いたら、「この記事は『某アニメ制作会社』の許可を取った上で書いているんですか」とメールしてくる読者の方がいました。このひとはどうやら、記事の中に作品名が載るだけで著作権利者に許可を求めなければならない、と思い込んでるわけです。
糸井 その手のメールは「ほぼ日刊イトイ新聞」でも絶えずありますよ。たとえば、ぼくが「田んぼの真ん中の渋柿を取った」と書いたら、「それは、泥棒です」とお叱りがあったり(笑)。
 「あなたほど影響力のある人が、泥棒を肯定するようなことを公然と書いているのは、いったい
どういうことなんですか!」というわけです。でも、たしかにそういっちゃえば、正しいんですよ、
その指摘は。なんといってもぼくはその渋柿を干して甘く食べられるように変換して、実際に食べ
ちゃいましたから(笑)。

―― おお、渋柿から干し柿に変換したんですね。
糸井 渋柿は干せば干し柿として市場に流通できるから、渋柿を取る行為は泥棒だよね、と。
日本中の渋柿が次々と勝手にもがれるような事態が起きたら、ぼくのせいだ、とまあそういう話
になります。

―― へえ。
糸井 で、この読者の方からの見解、正か邪かでいえば、正しいんですよ。

―― 養老孟司先生のWeb連載で、標本を作る大変さに「ラオスで虫を捕り過ぎた!」という
文章があったんですが、これには「捕り過ぎとは何ごとだ、それは殺戮である」というご指摘が
来ましたね。これも、正か邪か、といえば、おそらく正しいご指摘ですねえ。
糸井 そのとおり。

―― このときは、「いやそういう意味じゃなくって」と説明しようかと思ったんですが、こっちの
気持ちが折れちゃいまして、結局ご指摘には答えないままでした……。
糸井 そうやって作り出す側が疲れちゃうと、「どう守るか」ということになりますよね。ちょっと
危なっかしくても、新しくって思い切りのいい発言をするよりは、「何がセーフか」を意識しちゃう。
「作る」ことよりも、「どこまでがセーフなのかを調べる」ことにばかりコストを掛けるようになる。
 こうした仕事の循環が「今」のありようだと思うんですよね
。そうした空気は、この連載が載って
いる日経ビジネスオンラインのコンテンツにも、何気なく表れていると思うんですよ。

―― ありますか。
糸井 ある会社の話をするとしましょう。その会社、ある程度の可能性はあるけれど、将来確実
に伸びるかどうかはわからない。そんな会社が「今」うまくいっている話を載せる場合、必ず
「でも、ここには問題がありそうですね」という情報を付け加えておく。こうした記事の着地点って、
常にそこにありますよね。

―― う(汗)。
糸井 マスコミの論理展開は、みんなそこに行きますよね

―― ……たしかに万が一、その会社がコケた場合の保険として書かざるを得ないです。
糸井 会社の先行きなんて、ほんとは誰もわからないなら、原稿の分量配分としては、成否
五分五分にしておかないと、あとで何かあったとき、突っ込まれるかもしれない。

―― うえーっ、そうか、公平に書こうとしてそんな記事の書き方を無意識にしていましたが、
あれはあとから後ろ指を指されないための保険だったのか。
糸井 本当に「うえーっ」ですよね(笑)

―― 嫌な時代ですねえ。
糸井 ええ。でも、これはこの先、ずっとひどくなると思いますよ。明らかにひどくなる。
 そういうビジネスがらみの話でいうと、たとえば最後の悪が「ホリエモン」であり「村上ファンド」だった、ということになったわけじゃないですか。たしかにどちらも悪いところはあった。それで、みんなが「ああいった悪いやつ」が大またで偉そうに歩くような時代はごめんだね、ということを思った。さらにいうと、二度とあの手の「悪」が現れないようにしたい、と思った。すると今度は、
ちょっとでも「悪」の気配があったら、そいつはつぶす!となっていくわけです。

―― 監視国家に向かって一直線な感じですね。
糸井 もはや、性欲みたいな個人の持ち物ですら、法律で縛られていくような気がする。その
うち「こんなことを考えてしまったんですけど」って仮に人前で言ったら、言った途端から捕まる
時代になるんです。

「屁尾下郎」が跋扈する
―― これってなんとなくみんながそうなってるって話で気持ち悪いですね。一般の人々が
そうやって「官僚化」する瞬間は、どんなときなんでしょう

糸井 それは、リスク回避をしたいときですよ。リスクを回避する、というのは、必ず「正義の側」につく、ってことなんです。
 前に何気なく書いた話なんですが、人ごみの中でおならをした人が、「誰か屁をしたな!」って、でかい声を出す。それをやられちゃうと、「ぼくはしてないですよ」、あるいは「お前じゃないか?」という発言しか、周りは言えなくなっちゃう
昔、NHKのドキュメンタリーで、文革のときの中国の紅衛兵のときの話を取り上げていました。これがもう笑っちゃうぐらいみんな、この「誰が屁をしたな!」の論理で動く。それぞれが「あいつは悪い」って告げ口しあうことで、自分だけが生き延びようとしたんです。

―― とにかく先に「あいつが悪い」と言ったやつのほうが生き延びる。
糸井 そうなんです、「俺は悪くない」と言うとその時点ですでに犯人扱いになっちゃう。ましてや、「え、あいつって本当に悪いのかい?」なんて言ったら、もうその人はおしまいなんです。
そういうやりとりを横で見ている連中は、「結局、一番うまくやったのは誰だろう」って勉強をし
ちゃう。だからみんな、自分のリスクを避けるために「屁をしたろう」「屁をしたろう」と、みんなで
指を差し合っているわけ。そこでうっかり「したよっ」て言ったら一発でお縄ですよね。
でも、本当は今の世の中、大声で言ってみたい感じ。「俺は屁をするぞー!」って

(後略)

何が面白いといって、僕は屁の話が一番面白い。守屋氏が、倫理規定監視委員会の委員長
だったなんて話は、そのまま人ごみの中の屁じゃないか!!
今や、追及する側に立った人らはどうなんだ、というのが太田氏の指摘だ。
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by agsanissi | 2007-10-31 06:15 | 参考記事
2007年 10月 30日

守屋氏の証人喚問

大事の前の小事なのか、小事の前の大事なのか、この時点での降って湧いたような守屋氏の
不祥事は「身から出た錆」とはいえ、与党にとってはテロ防止・イラク支援特別措置法案の人質
に取られたようなもの。与党自身としても、この人質、ここは切って捨てねばなるまい。
しかしこの不祥事、小池前防衛大臣が守屋氏の辞職を迫った際には、半ば公然の事実。
今更、取引業者とのゴルフ遊興の回数をあげつらって倫理規定違反を激しく追及したところで
守屋氏個人の「不徳」を暴き立てるだけで、かかる人材をトップに戴く組織としての資質は、どの
ように理解すればよいのか?

内情を知らぬ者の眼から、のほほんと聞いていれば中々厳しい証人喚問のようにも窺えるが
防衛庁の内情を知り尽くした、守屋氏と同期入庁の太田述正氏から見ると、全く的外れの茶番
というのが真相
のようだ。
太田氏、このところそのブログ(参照)で、防衛施設庁談合事件について16回、防衛省事務次
官人事問題について21回、防衛省不祥事に思うを9回、書いておられる。
その全体を読んでの感想は、軍事組織としての本質的役割を憲法上で制約され、半ば否定さ
れた組織は、半ば無用の不労所得の集団に過ぎず、従って巨大な利権に巣食う無為徒食の
組織に堕さざるを得ないという意見のようだ。

そのような視点から、昨日の証人喚問を見ると
◆守屋喚問は、私が予想したように、自民党と民主党の裏取引が行われた模様であり、守屋
倫理規程違反だけで決着させるというシナリオの下でのうわべだけの質疑で終わりました。
自民党議員が、山田洋行への天下りの話と小沢さんが政治資金をもらった話をしたけれど、
民主党議員は、この自民党の小沢疑惑ちらつかせ戦術のせいで萎縮しきった感じであり、
(東氏の件もこれあり?)天下りの話について完全パスしていましたね。
また、遺憾なことに、社民党も共産党も、小沢さんが「友党」たる民主党の党首であるためか、
小沢さんの疑惑を追及しようとはしませんでした。
私の率直な印象としては、(公明党など言及するのもアホらしいので止めときますが、)この4党
は全部つるんでいるな
、というものです。
◆いずれにせよ、最大の問題は天下りなのです。
◆何度も繰り返して恐縮ですが、守屋のゴルフ等接待という形で山田洋行が防衛省にキック
バックした金額に比べ、荒っぽい計算ではあるものの、実にその100倍もの金額を山田洋行
は、天下った防衛省OBの給与の形で防衛省にキックバックしています。
◆何度も申し上げているように、接待費用などたかがしれているからであり、山田洋行に天下り
している防衛省OBの給与経費にこそ焦点があてられるべきだからです。
つまり防衛省は、あくまでも天下りの見返りとして山田洋行に「発注や契約などで便宜を図」っているのであり、山田洋行の守屋等に対する接待など、防衛省にとっても守屋にとってもゴミのような話だということです。


参考:守屋氏の証人喚問の実況中継は、
衆議院TV(参照)のサイトから、会議名「テロ防止・イラク支援特別委員会」を選択して、
検索をクリックして、10/29の委員会を選べば、見ることが出来ます。
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by agsanissi | 2007-10-30 21:47 | 参考記事
2007年 10月 24日

「食料の未来を描く戦略会議」

1.4/16.0度、日照8.4時間、今日も快晴、野田の平地では霜が降りたとか。

10/9、農水大臣主催の第二回の「食料の未来を描く戦略会議」が開かれた。「食料の未来」
を描くための戦略という命名は、何を戦略目標にするのかいま一つ曖昧だが、その趣旨説明
によれば(参照)、
・食料をめぐる世界情勢に変化の兆しが見られる。それ故
・国民に対する食料の安定供給の確保を図るための方向性について議論し、
・食料問題に関する認識を国民全体で共有すること
が、目標だそうだ。

どのような「変化の兆し」が表れているかは、
第二回会議の配布資料「今、世界の食料に何が起きているのか」(参照)が語っている。
その要点は、
・国際的な穀物需給が逼迫し、30余年ぶりに世界の全穀物の在庫量は安全水準を下回り、
穀物価格は上昇している
・供給面では、異常気象や砂漠化による生産条件の悪化(単位面積あたり収量増の鈍化)、
家畜伝染病の発生による供給制限
・需要面では、人口増加や所得上昇による需要の質と量の変化(特に、中国の経済成長に
伴う需要の急増)、バイオ燃料作物需要との競合
要するに、長期的に食糧需給は逼迫し、食料輸入は不安定化する。
一方、我国の食料供給の現状は、
第一回会議(7/17)の配布資料「今、我が国の食料事情はどうなっているか」(参照)で、
その概要を示している。
要点は、
・所得上昇に伴い、食生活の内容は大きく変化した。米の消費が減少し、畜産物・油脂類の
消費が増加した
・供給面では、農業生産者と耕地面積の減少、生産者の高齢化と耕作放棄地の拡大に
よって国内生産力は低下した
・食料輸入が増加し、自給率は大幅に低下し、先進国の中で最低水準に陥る
・百%食料を自給するには、現在の耕地面積の3.5倍の農地が必要

以上のような現状を踏まえて、「安定供給の確保を図るための方向性」について、どのような
戦略が掲げられるのか、まだ会議は始まったばかりで実質的討議には入っていない。まずは
今後のお手並み拝見。
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by agsanissi | 2007-10-24 20:30 | 参考記事
2007年 10月 20日

記事索引/現代農業(06/01-07/11)

▼耕起
○土をよくする耕し方、プラウ耕の可否について、06/01/150(年/月/頁)
マクロ間隙、心土破砕
○プラウ耕をやめた畑のその後、06/07/154
○プラウ耕の可否、ダイコン作り、06/08/160
○深耕信仰で病気・障害が多発、06/08/169
○プラウ耕の可否、耕盤とはなに、06/10/52
○プラウ耕、土質や作物による使い分け、07/01/176
○耕盤特集、07/01
○畑の耕転極意(特集記事)、07/04
土壌水分と耕転のタイミング
○作土層の診断、07/10/87
団粒と腐植、雑草を見て診断、休閑緑肥の利用、土ごと発酵

▼土壌分析
○北海道・東北の土の特徴、ミネラル不足(特にMg、Ca、K)、06/01/250
○過剰施肥によるミネラルバランスの欠如(Na、Cu)、06/03/246
○pH・EC簡易分析で何が分る、06/10/192
▼肥料・堆肥
○化学肥料は毒にも薬にもなる、06/04/258
NB:ミネラルバランスの撹乱、土壌の生物的世界への影響
○クズ大豆は万能資材、06/06/64
○クズ大豆、おからの利用法、06/10/98
○魚肥の活用、06/08/106
○自分で作る魚肥、06/08/112、120
タンパク質の分解法(微生物、酸、熱)
○カツオ・ソリューブル、06/08/121、306
○海のミネラルの力、海藻の利用、06/10/167
1.海藻の乳酸発酵肥料、06/10/176
2.モリブテンに迫るチタンの力、06/10/182
3.マグネシウムの効果、06/10/186
○米酢と糖蜜の葉面散布で高タンパク栽培、06/10/224
チッソを効かせる
○ペプチド吸収で根毛がワッと増える、06/10/288
○尿素で地温が下がる、07/08/176
▼堆肥
○コンポストの改造、パイプ取り付けで急速分解、06/12/302
○米ぬか+魚のアラ、07/01/49
○生ゴミ堆肥化法、07/10/202
▼微生物&酵素
○酵母菌の世界(特集記事)、06/12
○自分でつくる植物酵素液(特集記事)、07/03
○手作り酵母・酵素液、07/10/139
▼資材
○牛乳と木酢液のアブラムシ退治、06/07/47
○重曹で根菜類のボリュームアップ、06/09/47
○竹酢液による貯蔵法、06/11/297
○食酢で種モミ処理、07/03/100
○石灰防除(特集記事)、07/06、07/10
石灰資材の作用機序
○石灰を含む肥料の特性と使い方(一覧)、07/10/82
○海水・塩の活用法(特集記事)、07/08
作用機序について、07/08/116
▼農薬
○農薬の使い方A to Z、07/06/162
水和剤の仕組み、フロアブル、農薬の残効期間、累積雨量と残効期間
▼有機・無肥料
○テーア「合理的農業の基礎」の紹介、07/10/304
○「無肥料栽培のりんご」はなぜ可能か、07/11/200
マメ科植物の利用

▼ジャガイモ
○サツマイモ&ジャガイモ(特集記事)、06/11
焼き芋器、レシピ、品種別の調理法、イモの健康力、イモ焼酎の造り方、
貯蔵法、屑イモの利用(除草&肥料)

○ジャガイモの品種比較一覧、06/02/110
RF:品種解説(ジャガイモ博物館)、各種ジャガイモの花(参照
○収量二倍のジャガイモの作り方(読者投稿)、06/03/372
○ジャガイモ増収作戦(読者投稿)、06/09/380
○ジャガイモ高畝栽培(上記投稿記事の追跡記事)、07/04/305
NB:過剰施肥にならぬ限り合理的な考え方だ
○ソウカ病対策に米ぬか、06/10/128(否定的な関連記事、06/11/299)
○ジャガイモ畑に石灰、06/11/258
○ソウカ病対策に消石灰の追肥、07/06/70、07/10/58
○屑イモの利用法、ジャガイモ入りボカシ、06/12/48
○ニジョウヤホシテントウ、07/06/292
○ジャガイモ畑の土壌診断、07/10/229
単肥配合でコストダウン
▼小麦
○小麦に石灰窒素の追肥(幼穂形成期、広告)、06/03/126
○小麦のなでなで戦術、エチレン効果、06/04/70
○ミネラル補給による小麦の限界収量の向上、06/04/260
○木酢・竹酢の抗菌作用の比較、06/06/130
小麦の冬季播種栽培法、06/12/154
NB:輪作体系の多様化、収穫期の危険分散、縞萎縮病対策
秋播き小麦のカリ追肥、40%の増収、07/01/142
○イネの倒伏防止に塩を散布、07/05/39
○麦の倒伏防止に塩を散布、07/08/86
○赤カビ防除に新薬、07/06/217
▼ダイズ
○不耕起狭畦栽培、06/07/136
RF:大豆不耕起狭畦栽培マニュアル(参照
○ダイズ増収作戦、耕しすぎない耕し方、06/10/86
○ダイズ・麦、品種特集、07/02/252
「峡畝密植」栽培で強くなる、07/07/152
NB:遅播きの密植栽培に特徴
▼ソバ
○多肥・薄播きの「倒しどり」で多収、06/07/244
NB:この発想は見事、難点は刈り取り
▼アブラナ科野菜
○アブラナ科野菜のルーツ、06/03/70
○春のつぼみの効用、06/03/86
○花一杯で草はなし(抑草)、06/11/142
▼その他
○トマトの生育診断、芯を見る、07/09/グラビア

▼発芽促進
○オクラの発芽、ペンチで割る、06/03/40
▼自家採取
○無肥料で育つニンジン、06/02/188
土の肥毒、タネの肥毒
○自然生えでタネ取り、06/02/196、口絵
作物別の自然生え適性表
▼植物生理
○植物の病害虫防御戦略、06/06/304(これは面白い!!
○葉齢調査はおもしろい、06/07/112
○ペプチド吸収で根毛がワッと増える、06/10/288
NB:有機・無機肥料の違い(参照)、有機態窒素の吸収(参照)との関連で注目
▼野草
○身体に良いもの山野にあり、06/07/58
○薬効、症状・効用別索引、06/07/104

▼加工・漬物
○簡単燻製、ドラム缶、一斗缶、中華鍋、06/01/304
○豆腐のもろみ漬け(味噌)、06/05/36
○キムチオクラ、06/08/312
○シソ利用尽くし、06/08/314
○ヤマブドウジュース、06/11/210
○ヤマブドウのワイン、06/12/88
○味噌色の塩(味噌作りの副産)、07/01/51
○トウガンなどの味噌粕漬け、07/07/306
干し納豆の作り方、07/08/332
○カボチャの冷凍保存、07/08/343
▼ミツバチ
○日本ミツバチ、誰にでも飼える在来種(マンガ)、06/02/35

▼旧暦
○新月に木を切る、月のリズムと植物のリズムの共振、06/03/36
○月の満ち欠けとガの産卵・孵化の関係、06/05/44
○月のリズムと作物のリズム、バイオリズム農法の栽培管理法、07/05/129

▼健康
○穀類・豆・野菜・果物のガン予防効果、キレイ社会の落とし穴(連載)、06/04/346
ファイトケミカル、腸内細菌の不足、植物性乳酸菌
○「清潔」な食事が食中毒を増やす、06/07/354
NB:土壌微生物と腸内細菌のアナロジー
○噛むことの意味、食中毒の予防、歯と口の健康通信(連載)06/07/294
○真向法体操(連載開始)、07/01/291

▼農政
○集落営農は「経営体か」?、06/07/360
○集落営農とは何か(連載開始)、07/01/355
○品種表示法の怪、杓子定規、07/03/27
○業務・加工用野菜需要(連載開始)、07/03/336
○日豪FTA協定について、07/04/318
○「土建の帰農」のその後、07/09/346

▼機械
○手作り自走式ブーム、07/06/227
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by agsanissi | 2007-10-20 02:14 | 参考記事
2007年 10月 19日

栽培大豆の起源

7.4/16.1度、日照3.5時間、朝から黒雲が広がり、やや高めの気温。夜から明日早朝に
かけては雨の予報。

朝日新聞WEB版(10/17)によると
山梨県北杜(ほくと)市の酒呑場(さけのみば)遺跡で出土した縄文時代中期の土器から、
大豆の圧痕(あっこん)が発見されたと17日、県立博物館などの研究グループが発表し
た。大豆の栽培開始は弥生時代が定説だったが、9月に熊本大などが、九州の縄文後期
の遺跡で大豆の圧痕を確認。今回の発見はそれを1500年ほどさかのぼり、すでに約5千
年前に大豆が栽培されていたことを示す。地域も九州から中部へ広がったことで、大豆を
はじめとする雑穀栽培が、縄文中期に日本列島の広範な地域で行われていた可能性が
強まった」

また、栽培種の大豆の圧痕と確認した方法及び理由は
県内各地の遺跡で出土した2万点の土器を調べ、植物の種子などの跡があれば、型に
取って顕微鏡で観察する「レプリカ法」で調査。県北西部の酒呑場遺跡で出土した深鉢形
土器の取っ手から、長さ11.9ミリ、幅5.7ミリ、厚さ3.7ミリの大型種子の圧痕が見つかり、
大豆特有の「へそ」が確認された。野生種だと、水につかって膨張した場合でも最大長さ8
ミリ程度にしかならないことなどから、扁平(へんぺい)系の栽培種と判断した」
とのこと。
この「植物の種子などの跡」というのは、
土器の取っ手の中に長さ約十二ミリの豆粒状の空洞があり、そこにシリコーン樹脂を流し
込んで型を作り、電子顕微鏡などで調べたところ、粘土に交じっていた豆が焼成の際に
燃えてなくなった痕跡
」とのこと(この部分は中国新聞WEB版、10/18)。

ダイズの起源についてはいろいろな説がある。
「食用マメ類の科学」(養賢堂、2003年刊)によると、
ダイズは、今から5千年ほど前に、中国で、ツルマメから栽培化されたと考えられて
きた。中国が栽培起源地として想定される根拠は、そこに祖先となった野生種ツルマメ
が広く分布していたことと多様な在来品種が広く栽培されていることであろう

更に、中国内の場所については系統分化と伝播を考慮して、中国の東北部説、北部・中部
説、江南説、雲南説と一定しない。日本には、一般的には朝鮮半島を経由して弥生時代に
伝播したと考えられてきた。
一方、OECD発行の「最新バイオテクノロジーの役割評価における基準線となる歴史的な
考察」(参照)には、
ダイズ(Glycine max L. Merrill)はマメ科植物の栽培種の1つである。ダイズの起源、
およびダイズ生産の初期の歴史についてはよくわかっていない。Hymowitz(1970年)に
よると、おそらくダイズは紀元前11世紀頃には、現在の中国北東部で栽培されていたと
思われる。栽培ダイズは、野生ダイズ(G. soja Seib. et Zucc.)と近縁種であり、野生
ダイズと極めて交雑和合性が高い。G. soja(以前はG. ussuriensisとして知られてい
た)は、中国、台湾、韓国、そしてロシア東部のほぼ全土に自然に分布する一年生草本
植物である。G. maxとG. sojaは、集合的に栽培ダイズの自然の交雑領域を構成して
いる
」とある。ここに云う野生種ダイズとはツルマメのことである。
Hymowitz(1970年)の「紀元前11世紀頃」の栽培説は、理由は分からないが未だ定説
とはなっていないようだ。しかし今回の発見で、弥生時代に朝鮮半島を経由して伝播したと
いう従来の説は完全に否定された。また、日本で独自に栽培化したと考えない限り、中国で
の栽培化は5千年前より遡ることは、ほぼ確実だ。

より広く、日本の農耕文化の起源という観点から考えると、大きく分けて稲作文化と畑作
文化、どちらを中心に考えるかの対立がある。即ち
日本の農耕文化の起源をめぐる民族学や民俗学の分野では、二つの大きな意見の対
立がある。一つは弥生文化による水田稲作の導入によって、現在につながる日本文化の
基礎が形作られたとするもので、今一つは稲作以前から雑穀やサトイモを栽培する農耕
文化が存在し、近代まで継承されてきたとするものだ
」(「米・百姓・天皇」から、網野善彦・
石井進対談)
今日、稲作の始まりは縄文晩期まで遡ると考えられている。一方、縄文中期は動植物の
採集・狩猟経済が中心で、せいぜいドングリや木の実などを加工技術(藤森栄一「縄文の
世界」には5千年前の食パンが紹介されている)が発達したに過ぎないと考えられてきた。

今回の栽培大豆の発見が、直ちに「農耕」文化とまで評価しうるかどうか分からないが、
畑作農耕の始まりが、従来考えられてきたよりも遥かに遡り得ることは確実だ。
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by agsanissi | 2007-10-19 19:42 | 参考記事
2007年 10月 15日

野生動物の北上/被害

夜明け前から雨がちで、最低気温も9度台とやや高めだ。午前中一杯こんな天気が
続きそうだ。

10/12、農水省は18年度の「全国の野生鳥獣類による農作物被害状況について」を
公表した(参照)。それによると
鳥獣による平成18年度の農作物被害については、被害金額は196億円で前年度に
比べ10億円(対前年比5%)増加、被害面積は10万6千haで前年度に比べ1万5千
ha(対前年比12%)減少、被害量が40万1千tで前年度に比べ8万2千t(対前年比
26%)増加となっている
」そうだ。
被害金額は、
・イノシシが55億円で前年度に比べ6億円(+13%)増加、
・シカが43億円で前年度に比べ4億円(+11%)増加、
・カラスが30億円で前年度比2.7億円(▲9.8%)減少
・サルが16億円で前年度に比べ2億円(+17%)増加
だそうだ。

これが野生の鳥獣類による四大被害で、その他の鳥獣類による被害を含めて、面積、
被害量、被害金額がPDFファイルで公表(参照)されている。
調査方法は、市町村の被害調査を基に都道府県で集計したものだそうだ。

第三者として、この種の統計数字を見ると如何にももっともらしく見えるが、さて、被害
当事者として、この尤もらしい統計数字を見るとどう解釈したものか大いに迷ってしまう。
カモシカやカラス・ハトによる被害(ダイズ、ソバ、ジャガイモ)はあるが、また村の中で
は耕作面積がダントツに広いから、その被害も相対的には多い方だろうが、その面積・
被害作物量・金額を定量してくれと云われても、そんなものはサッパリ分からない。
尤も、そんな調査依頼を受けたことは一度もないが...。また、鳥獣類のみならず、
野菜類の中には温暖化で虫類被害も拡大しているのだろうが、その調査はないようだ。

まあ、これは余談として、最近、この四大被害のイノシシ、日本鹿が岩手県にも、また
県内でも北上してきているそうだ。環境庁の調査では、イノシシの北限は宮城県だが、
一関、奥州市などで目撃情報や足跡が相次いで確認されているそうだ。
日本鹿は、沿岸南部の釜石、大船渡市付近の五葉山が、従来の北限とされてきたが
去年、普代ダム付近で日本鹿を見たという話を初めて聞いた。つい、数日前、普代の
山手方面の友人がやってきて「家の裏山には前から居ますよ」と、当たり前な顔をして
いた。桜の北上前線と同じように、年間の平均気温の上昇とイノシシや日本鹿の北上
距離には相関関係があるのだろうか。
一方、下北半島の日本猿は「北限の猿」としてつとに有名だが、最近の調査では1700
頭居て、猿による農作物被害が大きいそうだが、猿の中でも特に悪さをするのは三十数
頭で猿一般ではないそうだ。「サルによる被害」という表現はサルにすれば猿差別という
ことになりそうだ。
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by agsanissi | 2007-10-15 09:09 | 参考記事
2007年 10月 13日

中国の「位置」

07/10/12付の「日経ビジネス」WEB版(参照)に、「不面目な中国“世界マイナス1位”ラン
キング」と題する記事が掲載されている。<2010年日中逆転>と題する特集記事の一部で、
「2010年 日中逆転」を支える中国の実像という副題がついている。
実は、この記事そのものが、中国の大手ポータルサイトである「網易」(“NETEASE”)のブログ
に2007年9月21日付で「華木蓮」と名乗る男性ブロガーの「中国の不名誉な世界ランキング」
という記事の要約で、従って以下の引用は全部孫引きということになる。

「実像」というのは、実は一つではなくて、視点によって様々な「実像」を結ぶことが出来るし、
また統計調査は、調査方法という問題を別にしても、結果の選定の仕方によっては「お望み」
の実像を浮かび上がらせられるということを承知したうえでも、なおかつこれだけ集めてみると
いろいろな意味で興味深いので、注釈抜きで転載しておく。

1.中国の衛生医療の公平性は世界でビリから数えて4番目:
世界保健機関(WHO)による加盟国の衛生資金の調達・分配の公平性に関する総合評価で
は191カ国中188位。中国では外来診療を受けねばならない人の50%、入院しなければ
ならない人の30%が各種要因で治療を受けられない。

2.支払い能力から見て中国の大学の学費は世界最高:
絶対額で見れば日本の学費が世界最高で、毎年の教育総支出は約11万元(約165万円)で
ある。しかし、1人当りのGDP(国内総生産)で考えると、日本の学費の総支出は中国の3550
元(約5万4000円)に相当する額に過ぎない。従い、1万元(約15万円)以上もかかる中国の
大学の学費は世界一と言える。

3.中国の都市と農村の収入格差は世界一:
医療、教育、失業保障など貨幣でない要素を算入すると、中国の都市と農村の収入格差は
世界一である。例えば、都市住民は公費による医療を受けることができるし、小中学校は国家
から大量な財政支援を受けることができるが、農村住民にこのような待遇はない。このほか、
都市住民は年金保障、失業保険、生活保護を享受しているが、これらは農村住民にとって望む
べくもない。これらの要素を加えて計算すると、都市と農村の収入格差は4~5倍、ひいては
6倍以上にも達する。

4.中国の「腐敗認識指数」(CPI=Corruption Perceptions Index)は世界第71位:
<筆者註>2007年9月26日にNPO(非営利組織)「トランスペアレンシー・インターナショナ
ル」(本部:ベルリン)が発表した2007年CPIランキングでは、世界180カ国のうち中国はイン
ド、ブラジルと並んで第72位であり、ロシアは第143位だった(日本は第17位)。同じNPOが
毎年発表している「贈賄指数」(BPI=Bribe Payers Index)の2006年ランキングでは世界
30カ国のうち中国は第29位で最下位のインド、第28位のロシアの間に位置づけられた(日本
は第11位)。

5.中国の炭鉱事故による死亡者数はその世界総数の80%を占める:
中国の石炭産出量は世界の3分の1を占めているが、炭鉱事故による死亡者数は世界総数
の80%を占めている。

6.「環境持続可能性指数」(ESI= Environmental Sustainability Index)の2005年
国別ランキングで末尾に位置づけされている:
世界の144の国と地域の中で、中国は第133位にランクされている。
<筆者註>中国は2006年の同ランキングでは133カ国中で第94位と大きくその順位を上げ
た。もっとも中国の環境はますます悪化しているようにしか思えないので、筆者にはその理由が
理解できないが。

7.中国は既に地球上で大気汚染が最も深刻な国家となっている:
WHOが発表した地球上で大気汚染が最も深刻な10都市の中に、中国は北京をはじめとする
7都市が含まれ、山西省の太原市は世界第1位に位置づけられた。2006年の二酸化硫黄の
排出量は2100万トンに達し、煤塵の排出量は世界第2位であり、二酸化炭素の排出量は既に
世界第1位である。環境統計を取っている300都市の7割以上が大気環境標準のレベル3に
あり、人類の居住には適していない。

8.中国は自殺者数で世界第1位である:
中国の人口は13億人を超え、世界の人口の5分の1を占めるが、自殺者数は世界人口35%
を占める。毎年自殺者が35万人以上、自殺未遂者が200万人以上で世界第1位である。

9.中国は行政コストが世界最高の国家である:
行政の審査認可制度が高コストの主要原因の1つである。煩雑な審査許可手続きが政府機構
を膨れ上がらせて人員を増大させ、政府の行政効率を低下させるだけでなく、行政経費の支出
を膨大なものとして行政効率の低下をもたらしている。

10.中国は世界で死刑の罪名が最も多い国家である:
中国は今なお死刑を存続しており、刑法細則中の7つの条文に28もの死刑となる罪名が規定
されている。これとは別に刑法の“決定事項”と“補充規定”には29の条項に40もの死刑と
なる罪名が規定されている。これらを合計すると42の条文中に69の死刑となる罪名が規定さ
れている。

11.中国は「文盲」あるいは「半文盲」の人数が世界最多の国家である:
中国は膨大な余剰労働力を有するが、この大きな人口が長期間にわたって中国社会を悩ま
し、重い負担となっている。これと同時に世界で文盲・半文盲の数が最も多い国家であり、15歳
以上の人口のうち、1.8億人が文盲・半文盲で総人口の15.88%を占める。

以上は、この記事の筆者が引用している記事で、文中<筆者註>とあるのは引用者のこと。
以下の記事は筆者自身の追加記事。

[1] 中国の教育投資はアフリカのウガンダにも及ばず、未就学や中途退学の児童数は
世界一。
[2] 貧困家庭の子弟の大学合格で、学費手当不能による父母の自殺や一家離散の数は
世界一。
[3] 過去10年で汚職役人が国家財産500億元(約7500億円)を海外へ移して回収不能は
世界一。
[4] 中国政府の飲食や派手な浪費は年間で3000億元(約4兆5000億円)以上で世界一。
<2002年は2000億元(約3兆円)で三峡ダムの建設費と同等だった>
[5] 中国政府の公用車費用は2000億元以上で世界一。
[6] 中国の大中都市の発展は欧米並みだが、大部分の農村はアフリカの農村と同レベル、
この格差の大きさは世界でも稀。
[7] 中国の各級政府庁舎の豪華さは、米国や日本の政府庁舎も見劣りする程で世界一。
[8] 大学4年間の学費は農民家庭が飲まず食わずで41年間働いた所得に相当し、高学費
で世界第2位の日本の3倍で世界一。
[9] 農民が都市で生活するには「暫定居住証」の手続きが必要、中国人が中国に暫定で
しか住めないとは世界でも稀。
[10] 農村には今なお無数の未就学児童や倒壊寸前の危険な校舎が存在するのに、中央
テレビが新ビルを建てる予算は70億元(約1050億円)で世界最高。


以上のような事実が、「社会主義にもかかわらず」なのか、「社会主義だから」なのかは議論
の分かれるところだ。当然、そもそも「本来の社会主義ではない」という議論もある。ともあれ
事実上、共産党の一党独裁国で、党の「最終目標と最高の理想を共産主義を実現すること」
に置き、現在は「共産主義を実現するための初級段階として社会主義」を行っているというの
が自己規定だ。
19世紀半ば、マルクスと共に「共産党宣言」を書いたエンゲルスは、当時、世界最先端の
工業国家イギリスのロンドンの裏町に一歩足を踏み込むや、そこに展開される労働者階級の
悲惨な有様を、当時の統計調査をもとに「イギリスに於ける労働者階級の状態」という論文で
描き出したことがある。この記事がきっかけでマルクスと邂逅し、二人は生涯の友となる。
中国に於ける労働者階級の状態は「共産主義の理想」を実現するための自己犠牲なのか、
それとも「理想の果実」を他に供給するための単なる捨石に過ぎないのか。
尤も、その「果実」の一部は、我々自身、身辺に溢れる「Made in China」によって戴いて
いるのだが...。

参考:「イギリスに於ける労働者階級の状態」は、日本語版は全集本にしか収録されて
いないが、英語版はネット上で読めないこともない(参照)。
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by agsanissi | 2007-10-13 00:00 | 参考記事
2007年 08月 13日

「担い手農家」の経営分析/農水省公表

21.2/28.8度、日照11.3時間、上空に筋雲が薄く広がり、昨日までの強烈な日差しも
心持ち和らぎ、時折爽やかな風が吹き渡り、やや天気の変わり目を暗示する。
キタアカリの掘り取り完了、10袋(昨日分を含め28-9袋)、(12時で終業にする)。
**************************************

8月10日付で、農水省の「担い手の経営状況の変化に関する分析(水田作経営)」が公表
された(参照)。平成7年から17年までの10年間の経営状況の追跡調査の分析というが、
公表結果を見る限り、単純に平成7年と17年の比較分析と云って良い。調査対象が114
経営体と同一対象に限定されている点が特徴で、この意味では「追跡調査」には違いない。
そのポイント版(参照をみると、平成7年から17年までの10年間に
全114経営体は、田畑面積は、6haから8haに34%増加、
農業粗収益は1163万円から1100万円に5%減少、
経営コストは650万円から707万円に9%増加、
農業所得は513万円から393万円に23%減少、
要するに、全体としては経営規模を拡大して経営コストは増加したが、農産物価格の低落で
総販売額と農業所得は減少した

しかし中には、約二割に相当する24経営体(Aグループとする)は規模拡大とともに農業所得
も増加した。このグループは、
田畑面積は、8.6haから14.4haに68%増加、
農業粗収益は1775万円から2182万円に36%増加、
経営コストは1032万円から1270万円に23%増加したが、面積当たりでは27%減少、
この結果、農業所得は570万円から912万円に60%増加した。

規模拡大とともに農業所得を増加したグループ(Aグループ)と逆に農業所得を減少させた
グループ(Bグループで50経営体)との比較は、詳細版(参照に出ているが、両グループの
最も大きな違いは何か?
Aグループは、田畑面積を8.6から14.4に5.8ha拡大して、その大部分を麦・大豆の作付
面積の拡大に充て(1.9から6.2に4.3ha拡大)
、その結果、麦・大豆収入が約3倍になり、
総所得の増加に寄与した。一方、Bグループは、田畑面積を5.3から7.7に2.4ha拡大した
が、コメと野菜の作付拡大に充て、麦・大豆の拡大は相対的に少なかった(0.42から1.0に
0.58ha拡大)。その結果、コメ・野菜の価格低落による収入減少を麦・大豆の収入増で補
えなかった。
農水省の分析は、「農業所得の増加には、このような販売・コスト両面での経営努力が必要
であることが改めて明らかになった」と間抜けた結論を引き出しているが(ポイント版参照)、
両グループの比較から明らかな結論は、以下の通り。
麦・大豆はコメ・野菜に比較して面積当りの経営コストが何分の一と云うほど低く、かつ規模
拡大のメリット(スケールメリット)が端的に表れる作目で、規模拡大とともに農業総所得の中
で麦・大豆の所得依存度を(コメ・野菜の収入減少を補える程度まで)高めた経営体は農業
所得をも増加させることが出来た
ということである。

農水省は、漸次的規模拡大と共に、(面積当りの)経営コストが漸次的に低下するかのよう
な阿呆なこと云ってるが、この調査は単純な規模拡大は決して農業所得の増加につながら
ないことを、むしろ圧倒的多数の事例は規模拡大によって経営コストを増加させ、農業粗収益
まで減少し、その結果、農業所得を却って減少させたことを示している。
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by agsanissi | 2007-08-13 21:52 | 参考記事