農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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カテゴリ:参考記事( 51 )


2007年 08月 11日

品目横断的経営安定対策/コメ編

20.0/31.8度、日照11.1時間、30度を超えるとさすがに暑い。
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平成18年産水稲の作付面積の比較的大きなコメの主産地の面積及び当該道県の品目横断
的経営安定対策の加入面積との比較表を掲載しておく。
平成18年産の水稲の作付面積は全国で168万haで、このうち4万ha以上の作付面積が
あるのは14道県で、その作付面積の合計は101万と全国の総面積の約六割を占めている。
各道県の後段は認定農業者+集落営農組織の加入者の作付面積と各道県の総作付面積
に対する割合
である。同加入者の全国総面積は43.6万haで総作付面積の26%に相当する
から、米の主産地の加入割合は、一部例外を除けば、概ね平均値よりは高い。
加入者割合の高い、北海道、秋田、山形、新潟、富山などは一戸当りの作付面積が比較的
大きいのではないかと想像できる。他方、福島、茨城、千葉など加入者の面積割合が著しく
低い地方は何故なのか、千葉、茨城は自家販売の割合が高いのではないかと想像できるが、
必要な統計資料が得られないので確かなことは分からない。
道府県別の稲作農家の戸数、平均の作付面積など分からないので、当面、これ以上のこと
は分からないが、将来の分析の参考資料として掲載しておく(出所は農林水産統計の「平成
18年産水稲の作付面積及び予想収穫量」から、参照)。

北 海 道   115 500  92449(80.0)、単位:ha、()内は%
青   森    53 400  13496(25.2)
岩   手    60 100  20052(33.3)
宮   城    78 600  24087(30.6)
秋   田    94 400  40624(43.0)
山   形    71 800  33752(47.0)
福   島    82 800   9275(11.2)
茨   城    78 400  7378( 9.4)
栃   木    67 000 16323(24.4)
千   葉    62 800  1182( 1.9)
新   潟   120 900  41123(34.0)
富   山    40 900   16122(39.4)
福   岡    41 400   9973(24.1)
熊   本    43 600  12584(28.9)
合計    1011 600 338420(33.4)

参考:岩手日報によると、岩手県の販売用のコメの作付面積は3.6万haで、
このうち販売用加入面積は1万9019haと、作付面積の概ね五割強が参加
県農業会議は引き続き未加入農家の加入促進を勧めるとのこと。
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by agsanissi | 2007-08-11 21:35 | 参考記事
2007年 08月 11日

品目横断的経営安定対策/大豆編

六日以来五日ぶりに、朝からスッキリ晴れる。しかし昨日の夕方の俄雨の後遺症で今日も
芋掘りは延期。収穫機の下に潜り込んでの修理作業の後遺症で、今朝は首や肩が凝って
午前中はユッタリお休み。
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8月7日付け「お豆腐ランド」(参照)に、「農林業センサス」統計の大豆部門から2005年の
都道府県別の販売農家の大豆作付面積が掲載されている。それによると全国の大豆作付
面積13.4万haで、その内、販売用作付面積は7.6万haと約56%に相当する。この場合、
販売用とは「経営耕地面積30アール以上、または農産物販売金額50万円以上の農業を
営む世帯」の作付面積の意味だから、産直販売・庭先販売などを考慮すれば、実際には
これ以上の可能性もあるが、この部分は最初から財政支援の対象外の作付で、品目横断
対策などの影響を殆ど受けないと見てよい。
二千ha以上の作付面積があるのは11道県のみで、北海道の1.6万haは別格、その他は
青森(2183)秋田(5669)山形(5221)茨城(2457)栃木(4345)新潟(3239)富山
(2805)滋賀(2413)福岡(5798)佐賀(6949)。このうち主業農家が圧倒的多数を占める
のは北海道のみで、その他には青森、山形で主業農家の割合が多い。他の県は副業的
及び準主業的農家の割合が圧倒的に多い(主業、準主業、副業の定義は「お豆腐ランド」を
参照)。全国では約15万戸の作付農家の半分が副業的、四分の一が主業的、四分の一が
準主業的農家だが面積別の割合は分からない。

一方、平成18年産の作付け面積は14.2万haで、四千ha以上は北海道(28100)青森
(4100)岩手(4070)宮城(9800)秋田(7910)山形(6240)茨城(4790)栃木(5060)
新潟(6450)富山(5510)愛知(4360)滋賀(4460)福岡(8110)佐賀(7490)の十四道県
参照)。「農林業センサス」統計と比較すると岩手(41%)宮城(16%)愛知(41%)などは
販売用作付面積の割合が平均値よりは低い。要するに小規模作付農家が相対的に多い。

以上の統計と品目横断的経営安定対策の大豆の加入状況(参照)とを比較すると
作付け面積は約11万ha(認定農業者7万、集落営農組織4万)で77%がカバーされている。
これは「農林業センサス」販売用作付け面積と比較すると1.4倍で、この点から見れば集落
営農組織を通して小規模農家を政策支援対象にしているというのは嘘ではない

道県別に見ると、集落営農組織による作付け面積が二千ha以上の県は宮城(6353)秋田
(2293)山形(2277)福岡(5645)佐賀(6519)で、認定農業者の作付け面積を加えると、
これらの県では販売用作付け面積を上回る。例えば宮城は1547に対して9426、秋田は
5669に対して6815
、山形は5221に対して5712、福岡は5789に対して7872、佐賀は
6949に対して7896
となっている。熊本は認定農業者はゼロで集落営農組織が1871、
一方、愛知は集落営農組織はゼロで認定農業者が3890と販売農家の作付け面積1774を
倍以上も上回っている。認定農業者と集落営農組織の作付け面積が販売用作付け面積を
上回るのが18道県に達する。
集落営農組織の中味を見ると、宮城では米・大豆と大豆のみの組織が多く、秋田・山形は
米・大豆の組織、福岡は麦・大豆と米・麦・大豆、佐賀は米・麦・大豆の組織が多い。
以上を見ると、県の方針によって集落営農組織を積極的に勧めている地方、認定農業者を
積極的に勧めている地方などの特徴があるが、今後、集落営農組織の成否如何によって、
大豆や麦の品目横断的経営安定策の加入面積は大幅に増える可能性もなしとはしない

前回(8/6)「麦、大豆は品目横断的経営安定対策を導入しても、現在の生産高はほぼ維持
されるか、やや下回る程度
」と書いたが、実質的販売高は上回る可能性もある。

米の加入面積26%と併せて、以上の点を考慮すると、米作中心の財政支援から相対的に
麦・大豆または米・麦・大豆作にシフトしているように伺えるが、これは米作の推移や麦・大豆
作への実際の財政支援の中味を見ないとハッキリとは分らない。
とはいえ、品目横断的経営安定対策が、農業全体を支援対象とした戦後農政の基本的方向
転換、はっきりと規模拡大(と経営合理化)に目的を絞った財政支援への転換、ある意味では
初めての根本的な方向転換であることは間違いないようだ。
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by agsanissi | 2007-08-11 10:18 | 参考記事
2007年 08月 08日

「品目横断的経営安定対策」/メモ

20.9/24.9度、ほぼ終日昨日のコピーのような天気で曇時々雨、総雨量は5-6ミリで
雨の時間帯は昨日よりも長い。

c0048643_2172533.jpgさて、昨日2-3時間で終わると見込んだ反対側の車軸の
引き出し作業は、車輪にロープをかけてユンボで一引き、
わずか5分で終わってしまった。
昨日の難航は一体なんだったんだと云うほどあっけない。
昨日は前(車軸)後(ステアリング用バー)の内、車軸だけ
が動いて、ステアリング用のバーが錆付いて動かず、これ
を並行に戻すのにも一苦労したが、今日は並行に動いて
拍子抜けするほど簡単に片付く。準備作業込みで30分。

*************************

今月三日に「平成19年産品目横断的経営安定対策加入申請状況」が公表された(参照)。
その概要は、加入申請が全国で7万2431件(内認定農業者が6.7万、他は集落営農組織)、
また全作付面積に占める加入農家の作付面積の比率は全国平均でコメ26%、ムギ93%、
ダイズ77%など
となった等と報じられている。
加入申請の資格が、認定農業者であって経営面積が四町歩以上(北海道は十町歩以上)また
は二十町歩以上の集落営農組織を立ち上げて、それに参加するかの二つに限られている。
米、麦、大豆など合わせた認定農業者の申請面積は67.5万ha、集落営農組織は21.3万ha、
合わせて88.8万haである。
「加入申請状況」には、都道府県別の申請数、申請面積、品目別または品目組み合わせ別
(例えば米単独、米+麦、米+大豆+麦、麦単独などの組合せ)の都道府県別申請数などが
公表されており、ここからどんなことが読み取れるか興味深い内容があるが、いまは分析して
いる暇がない。

取り敢えず、日本の農業部門全体の中で、「品目横断的経営安定対策」加入対象者が、どの
程度の地位を占めているのか、概要を見ると次のようになる。
農水省WEBサイトの「統計」部門の冒頭に今年7月現在の「農林水産基本データ集」(参照
がまとめられているが、ここの数値を参考に品目横断的経営安定対策の位置づけを見ると、
・主業農家40万戸(参照)の18%、
・認定農業者だけに限っても22.9万戸(参照)の30%、
・集落営農組織の場合は1.2万組織の45%が加入申請をした。
以上は、経営組織に対する参加割合。次に経営面積に対する割合は
・担い手が経営する農地面積181万haに対して49%、
・全耕地面積467万ha(参照)に対しては19%を占めている。
この場合、「担い手」というのは、認定農業者、法人経営、農業法人(一戸一法人を除く)、集落
営農組織(特定農業団体、特定農業法人)、農業生産法人などをひとまとめにした呼称のよう
で、その内訳は上記「農林水産基本データ集」に掲載されている。現在は総担い手数25.9万
に対して認定農業者が88%を占めているが、今後、この割合がどのように変わっていくのか、
日本の農業構造を考える上で重要なポイントだ。
担い手の経営耕地面積は、現在は181万で、これは全耕地面積の39%を占めるが、担い手
の経営耕地面積の内でさえ、品目横断的経営安定対策の対象面積は半分以下に過ぎない。

以上の点から、品目横断的経営安定対策の対象は、大まかに言って、主業農家の二割、また
全耕地面積の二割程度をカバー
していると分かる。一方、これを品目別の経営面積との関係で
見ると上記のように米では26、麦は93、大豆は77%をカバーしていることになる。
要するに麦、大豆は品目横断的経営安定対策を導入しても、現在の生産高はほぼ維持される
か、やや下回る程度。一方、米は経営面積の四分の一強をカバーするに過ぎないが、実際の
生産高はそんなに下回ることはないと見込んでいるようだ。その理由はいろいろ考えられるが、
・副業的農家が相対的に多い、従って
・もともと経営面積の小さい農家が多く、米収入の絶対的割合が小さい、従って
・限界的な米生産農家の全家計収入に占める米の販売収入の割合が低いため、収入減の
打撃が相対的に軽い
実際の推移がどうなるか、今後二、三年の成り行きを見なければ分からないが、米の場合、
たとえ品目横断的経営安定対策の対象から外されても、全部が生産をやめるはずはなく、
仮に生産高が下がっても、当面は2-3割程度以下に止まるのではないか。

以上のように考えてみると、品目横断的経営安定対策の狙いは、米、麦、大豆の生産高を
相対的に高く維持しながら、財政支援の対象を主業農家の約二割に限定しようとする効率的
財政支出策
だということが分かる。

民主党など野党は「小規模農家の切り捨てだ」と批判している。主業的農家の約八割を含む
全販売農家の95%以上を財政支援の対象外にするという意味では、文字通り「小規模農家
の切り捨て」には違いないが、農業そのものの切り捨て策になるかどうかは、また別問題だ。
一方、政府の側から考えれば、これによって農業経営全体の合理化を計ろうと狙っている
わけだが、どのような形で合理化されるのか、そもそも合理化されるのか未知数だ。
また経営規模や経営形態及び土地所有関係など非常に複雑な入り組んだ関係の中で、
集落組織を基礎に営まれてきた従来の農業経営の中から、一部の担い手農家のみを抽出
して財政支援を集中的に投入することが、集落組織全体にどのような作用・反作用を及ぼして
いくか、今後、注視すべき点である。
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by agsanissi | 2007-08-08 23:25 | 参考記事
2006年 09月 28日

★記事索引/現代農業(06/01-06/10)

▼耕起
○土をよくする耕し方、プラウ耕の可否について、06/01/150(年/月/頁)
マクロ間隙、心土破砕
○プラウ耕をやめた畑のその後、06/07/154
○プラウ耕の可否、ダイコン作り、06/08/160
○深耕信仰で病気・障害が多発、06/08/169
○プラウ耕の可否、耕盤とはなに、06/10/52
▼土壌分析
○北海道・東北の土の特徴、ミネラル不足(特にMg、Ca、K)、06/01/250
○過剰施肥によるミネラルバランスの欠如(Na、Cu)、06/03/246
○pH・EC簡易分析で何が分る、06/10/192
▼肥料・堆肥
○化学肥料は毒にも薬にもなる、06/04/258
NB:ミネラルバランスの撹乱、土壌の生物的世界への影響
○クズ大豆は万能資材、06/06/64
○クズ大豆、おからの利用法、06/10/98
○魚肥の活用、06/08/106
○自分で作る魚肥、06/08/112、120
タンパク質の分解法(微生物、酸、熱)
○カツオ・ソリューブル、06/08/121、306
○海のミネラルの力、海藻の利用、06/10/167
1.海藻の乳酸発酵肥料、06/10/176
2.モリブテンに迫るチタンの力、06/10/182
3.マグネシウムの効果、06/10/186
○米酢と糖蜜の葉面散布で高タンパク栽培、06/10/224
チッソを効かせる
○ペプチド吸収で根毛がワッと増える、06/10/288
▼資材
○牛乳と木酢液のアブラムシ退治、06/07/47
○重曹で根菜類のボリュームアップ、06/09/47

▼ジャガイモ
○ジャガイモの品種比較一覧、06/02/110
RF:品種解説(ジャガイモ博物館)、各種ジャガイモの花(参照
○収量二倍のジャガイモの作り方(読者投稿)、06/03/372
○ジャガイモ増収作戦(読者投稿)、06/09/380
○ソウカ病対策に米ぬか、06/10/128
▼小麦
○小麦に石灰窒素の追肥(幼穂形成期、広告)、06/03/126
○小麦のなでなで戦術、エチレン効果、06/04/70
○ミネラル補給による小麦の限界収量の向上、06/04/260
○木酢・竹酢の抗菌作用の比較、06/06/130
▼ダイズ
○不耕起狭畦栽培、06/07/136
RF:大豆不耕起狭畦栽培マニュアル(参照
○ダイズ増収作戦、耕しすぎない耕し方、06/10/86
▼ソバ
○多肥・薄播きの「倒しどり」で多収、06/07/244
NB:この発想は見事、難点は刈り取り
▼アブラナ科野菜
○アブラナ科野菜のルーツ、06/03/70
○春のつぼみの効用、06/03/86

▼発芽促進
○オクラの発芽、ペンチで割る、06/03/40
▼自家採取
○無肥料で育つニンジン、06/02/188
土の肥毒、タネの肥毒
○自然生えでタネ取り、06/02/196、口絵
作物別の自然生え適性表
▼植物生理
○植物の病害虫防御戦略、06/06/304(これは面白い!!
○葉齢調査はおもしろい、06/07/112
○ペプチド吸収で根毛がワッと増える、06/10/288
NB:有機・無機肥料の違い(参照)、有機態窒素の吸収(参照)との関連で注目
▼野草
○身体に良いもの山野にあり、06/07/58
○薬効、症状・効用別索引、06/07/104

▼加工・漬物
○簡単燻製、ドラム缶、一斗缶、中華鍋、06/01/304
○豆腐のもろみ漬け(味噌)、06/05/36
○キムチオクラ、06/08/312
○シソ利用尽くし、06/08/314

▼ミツバチ
○日本ミツバチ、誰にでも飼える在来種(マンガ)、06/02/35

▼旧暦
○新月に木を切る、月のリズムと植物のリズムの共振、06/03/36
○月の満ち欠けとガの産卵・孵化の関係、06/05/44

▼健康
○穀類・豆・野菜・果物のガン予防効果、キレイ社会の落とし穴(連載)、06/04/346
ファイトケミカル、腸内細菌の不足、植物性乳酸菌
○「清潔」な食事が食中毒を増やす、06/07/354
NB:土壌微生物と腸内細菌のアナロジー
○噛むことの意味、食中毒の予防、歯と口の健康通信(連載)06/07/294

▼農政
○集落営農は「経営体か」?、06/07/360
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by agsanissi | 2006-09-28 21:43 | 参考記事
2006年 09月 20日

品目横断的経営安定対策/その2


品目横断的経営安定対策の眼目は、価格保障政策をやめて所得保障政策に転換する
という点にある。外国農産物に比べて破格に高い価格で国内農産物(この場合、コメ・麦
・ダイズ)を買い上げる一種の関税障壁は廃止していくというのがWTOの一般的合意に
なっている。一方、価格保障政策を続けていれば農業の構造改革は一向に進まないと、
いまさらのように「担い手」に各種施策を集中的・重点的に実施し、所得保障方式に転換
することで構造改革を一挙に推し進めようというのが謳い文句だ。

僕は、個人的には「品目横断的経営安定対策」にはほとんど関心を持っていない。その
理由は前にも書いたように「阿呆臭くて真面目に相手をしていられない」と見なしている
からだ。というのは畑作の視点から見たこの対策の意味合いは、「小麦の生産費用」に
書いたことにほとんど尽きている。

しかし日本の農政はコメ政策を中心に廻っている。麦・ダイズ政策はコメ政策の余波の
ようなもので、畑作の視点からこの政策の全体像を理解しようとすれば、多分、重大な
見落としをするはずだ。
退職勧奨制度のようなもので、「品質や能率の悪い麦作は止めなさい」という勧めだと
書いたけれど、それが本来の狙いなのか、そもそも「本来の狙い」とも云うべき明確な
政策的意図はあるのか、それとも各種利害関係団体との意見のすり合わせの結果と
して出てきた「瓢箪から駒」のような政策なのか。こういう点を正確に論ずるには、もっと
時間を置かなければならないし、(公表されるなら)議事録などを含めてこの対策の全体
像とその余波を検討しなければならない。

この対策は、ある意味では、戦後の農政の革命的政策転換とも評価しうるもので、本来
なら集落営農組織を含めて検討しなければならないし、場合によっては集落営農組織へ
の転換(僕は日本的人民公社だと直感的に考えているが)こそ、本来の狙い目かも知れ
ない。
こういう点をキチンと検討するには、いまではまだ材料が欠けているので、暫く時間を置
かなければならないし、僕自身の知識が限定されすぎている。これらの条件が揃ってくれ
ば、「日本に農業はいらないか」の続編のよう形で「耕す生活」にでも書いてみようかという
程度の関心はある。

いまは日本中の農政の下請け機関・関係団体をあげて、「品目横断的経営安定対策」へ
の対応に追われて、その中味と将来像を考えることなく、ほとんど無自覚的に全速力で
駆け出している。これで日本の農業と農村がどう変わるのか、それを正確に見通すような
論説があるのかどうかも、僕は知らない。こういう点も含めて、いつか検討してみたい。
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by agsanissi | 2006-09-20 05:25 | 参考記事
2006年 09月 15日

品目横断的経営安定対策

11.7/22度、日照10.2時間、朝から雲ひとつない快晴だが、最も日照時間の
長い時期に比較して約1.5時間も短くなっている。午後3時を過ぎると陽射しは
「暑い」というより、既に「温もり」を感ずる季節になった。
そういえば、JMMのメールマガジン『大陸の風-現地メディアに見る中国社会』
で、北京では9月になると「ギンギンと射るようにさしていた夏の陽光ではなく、柔
らかく注ぐ陽光が今や午後3時を過ぎた頃からゆっくりと昼間の光から夕方の光
へと切り替わる」
と書いているのを読んだばかりだ。
奇しくも普代村と北京市は、北緯40度にある。

9月から「品目横断的経営安定対策」が実施され、その加入申請の説明会が
今週初めに開かれた。普代村では対象者は3人、他には集落営農などに該当
するものもない。
農業の構造改革の加速化のために、意欲と能力のある「担い手」に各種施策を
集中的・重点的に実施
し、担い手の経営安定を図るというのが謳い文句だ。
傍から見れば、「担い手」農家はエリート百姓で、色々な優遇・支援措置を受けら
れ、麦・大豆などを作ってさえいれば経営が安定するかの錯覚を受けるかもしれ
ない。
当事者としては、阿呆臭くて真面目に相手をしていられないというのが、率直な
感想だ。
制度の中味は複雑で、農水省の解説は晦渋で、ひょっとすると僕の誤解もある
かもしれないが、この制度で小麦の販売価格がどう変わるか概要を書いておく。
現在の小麦の価格を8500円/60キロとする(等級・品種による格差は捨象)。
製粉業者への販売価格を2500円とすると、6000円が麦作経営安定資金から
出ている。
制度変更されるのは、「麦作経営安定資金」の部分で、まず作付面積が4町歩
以下の百姓は制度対象から除外される。この場合、製粉業者への販売価格が
そのまま小麦の価格になる(需給で変動し2500円とは限らない)。
「品目横断的経営安定対策」の加入者(作付面積4町歩以上の認定農業者)は
6000円に相当する部分が、ほぼ保証されるかの解説がなされているが、実態
は違う。
簡単のために金額で説明するが、6000円の「経営安定資金」は7対3の割合で
①過去3年(平成16-18年)の麦作経営安定資金に加入した実績面積
②毎年の生産量・品質による支払い
に振り当てられる。
しかも①の評価は、当該年から遡る過去3年ではなく、平成16-18年の三年間
に固定される。従って極端な例で、この3年間に小麦を4町歩作付けし、12トン
の収穫があったが、赤カビで格外に評価されたとすると、この間の実績面積は
ゼロと評価される。すなわち6000円の7割、4200円はその後の生産実績とは
関係なしに評価対象外とされる。
この場合、最も良い条件で販売されたとしても2500+6000×0.3=4300円
/60キロで評価されるに過ぎない。
逆に、この三年間が最高値で評価された場合は、その後の生産実績が悪くとも
少なくとも2500+6000×0.7=6700円以上には評価される。
この場合、二つの問題がある。平成16-18年の実績が偶々悪い場合、その
マイナス評価が、その後の価格査定の基準になる。赤カビの混入率の基準値が
25分の1と厳しくなったのが三年前だから、平均的実績はかなり下がっている
はずだ。これが一つ目。
新たに小麦作を拡大した場合、その部分は評価対象外だから、この対策によって
新規参入して麦作を拡大しようという意欲はかえって殺がれることになる。これが
二つ目。
将来に向って、新たに麦作への意欲をかきたてる施策ではなく、麦作への新たな
参入意欲を殺す施策でしかない。

米作が加わると、事情はかなり変わってくるから、「品目横断的経営安定対策」
によって、実際に麦作・ダイズ作がどう変わっていくか予測しがたい面もあるが
本来の畑作百姓にとっては麦作・ダイズ作の経営収支が悪くなることはあっても
良くなることは決してない。
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by agsanissi | 2006-09-15 21:56 | 参考記事
2006年 09月 07日

野菜の生産出荷統計/その2

17.4/22度、日照0.1時間、昨夜から時々雨、21時までの24時間雨量は16ミリ、
今のところ雨の中心は太平洋側の県南から宮城県にかけて。東北地方の日本海側には
8日朝にかけて「大雨に関する気象情報」が出されている。

ジャガイモの生産・出荷統計に、もう少しこだわってみよう。
岩手県の平成17年産の春植えばれいしょの作付面積、反当り収量、生産量、出荷量は
547ha、2020キロ、1.1万トン、918トンとなっている。
これらの数値のうち信頼性があるのは、県内の青果市場の聞き取り調査などで確定でき
る出荷量の918トンだけだ。
生産量と出荷量を比較すると、県内生産の約8%が市場出荷され、92%が自家消費用
または自家販売用だ。仮に出荷用生産量に平均的反収を適用すれば、出荷用作付面積
は45haとなる。平均的作付面積を1反とすれば450人、2反とすれば225人、いずれに
せよ聞き取り調査をするに不可能な人数ではない。
実際には、先日の統計調査員にジャガイモ生産者が何人いるのか、平均的な作付面積
はどのくらいか聞いたけれど、県内はもち論、久慈管内の生産者数も分らないそうだ。
一方、自家用ジャガイモ生産となれば、普代村でもわずかな空地があればジャガイモが
植えてある。仮に一戸当りの生産量を100キロ(平均反収を適用すれば1/2アール)と
すれば生産者数は10万戸に達する(ちなみに「農林業センサス」によると、岩手県の販売
農家戸数は約6.7万戸、参照)。実際は、10万戸よりはるかに多いだろうか。
僅か数百名の出荷用生産者の実情も分らなくて、自家消費・自家販売用を含めた全体の
作付面積や生産量をどうやって推定できるのか?

この統計調査(参照)の最後尾に【調査の仕様】が掲載されており、その「 調査方法」の
項に「調査員による集出荷団体等に対する面接調査、センター職員による作況基準筆
調査及び作況基準筆調査結果に基づく巡回・見積りによる」とある。
また「春植えばれいしょ」の「調査客体数」(北海道を除くと)によると、約2200の市町村を
対象に119筆を調査している。県単位では40-50の市町村を対象に1-2筆の基準調査を
もとに全体を推計したことになっている。
しかしこのような方法で岩手県全体のジャガイモ生産の作付面積や生産量を推計するの
は雲を掴むような話でしかない。要するに、最初から実情を正確につかめるような体制には
なっていない。まずは出荷用生産者の実情をしっかり掴むことから出発しなければ、全体像
を掴むことは不可能ではないのか??
尤も、北海道と他二三の産地の実情を掴んでおけば、ジャガイモ生産の大勢は充分に掴
むことが出来るが...。
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by agsanissi | 2006-09-07 22:29 | 参考記事
2006年 09月 05日

野菜の生産出荷統計

18/26.6度、日照3.1時間。
台風12号の影響なのかどうなのか、風がやや強い。また曇で風が強いせいなのか
どうか分らないが、ソバ畑には10時前からミツバチは飛んでいない。

小麦やナタネの播種に備えて、ジャガイモの跡地を整地したいところだが、土は乾燥
しきってカチカチのコンクリートのようだ。今夜は雨の予報だったが、空には十三夜の
月が輝いている。

岩手農政事務所の方がジャガイモの作付け面積、収量、出荷量などの聞き取り調査
に見えた。いままで小麦の聞き取り調査に来てはいたが、それ以外の作物について
はソバ、ダイズ、ジャガイモのいずれについても、ただの一度も聞かれたことがない。
それにもかかわらず農水省の生産出荷統計には、もっともらしく岩手県の作付面積、
10a当り収量、収穫量、出荷量などが出ているからおかしい。
大勢には影響のない数ならぬ身なのか?
それとも態々聞き取り調査をしなくとも、役場、農協、普及所などを通して、実態を
正確に掌握しているのか??もち論、そんなことはない。

「いままで一度も聞き取りを受けたことのないジャガイモ生産について、なぜ調査する
のだ?」と聞いたけれど、「いままでも調査することにはなっていた」というだけで、担当
者がサボっていたのか、調査漏れになっていたのか、適当な数字をでっち上げて報告
していたのか、それは分らない。

ともあれ農林水産統計の「平成17年産春植えばれいしょの作付面積、収穫量、
出荷量
」(平成17年11月25日公表)の統計(参照)を見ると、
岩手県の作付面積、10a当り収穫量、収穫量、出荷量について、それぞれ547ha、
2020キロ、1.1万トン、918トンと出ている。さて、僕の作付面積、収穫量、出荷量は、
この数値に対して概ね1%、1%、10%を占めているが、これがこの統計に反映されて
いるのかどうか分らない。ただし僕自身は、聞き取り調査を受けたことは一度もない。

統計データという、いかにも科学的・客観的な数値を利用するときには、その基礎
データがどういう方法で集められ、集計され、加工されたかというプロセスとともに
考慮しなければ、とんでもない錯誤を犯しかねないことが、これで分る。
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by agsanissi | 2006-09-05 22:44 | 参考記事
2006年 02月 17日

緯度・経度・標高


緯度・経度・標高取得サービス」というのが試験運用されている。
国土地理院「電子国土Web」を応用したもので、日本全図から地域を絞り込んで、多少、
大げさに表現すれば自分の家の母屋の位置まで絞り込んで、その地点の緯度・経度・標高
を取得できる。
多少大きな畑なら、東端と西端の標高差とか、道路と畑の中心点との標高差とか、雨水の
流れる方向の推測とか(尤も標高値は最大誤差10メートルを含むから実用性はどの程度あ
るかな?)、緯度・経度の差とか、その差から推測できる畑の位置での地球の周囲の長さ
とか、いろいろ楽しい推測が出来る。

このサービスと、アストロアーツの「星空ガイド」をあわせると、自分の立っている地点
での太陽・月・惑星の正確な出没時間や正中時間を知れる。
尤も、大まかな太陽や月の出没時間だけを知りたければ、「こよみのページ」が便利かな。

◆◆ 畑を耕し、自分を耕し、世間を耕す、【耕す生活 ◆◆
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by agsanissi | 2006-02-17 12:48 | 参考記事
2006年 02月 08日

トランス・ファット

refdesk.com から[site-of-the-day] というメールマガジンが発行されている。
まあ、図書館の「相談コーナー」の「本日の推奨サイト」のお知らせ、といったところか。

7日付のマガジンは「Trans Fat Now Listed On Food Labels」と題された、米国保健・
福祉省の食品・医薬品局(FDA)のトランス・ファットに関するサイトで、2006年1月から、
新たに栄養成分表示に不飽和脂肪酸やコレステロールと共にトランス・ファットの含有量の
表示を義務付けた
ことに伴うサイトのようだ。

さて、トランス・ファットとは耳慣れない言葉で、迂闊にも聞いたことがない。
尤も、極め付けに世間に疎いほうだから、驚くにはあたらないが、書かれている内容の重要
性からは、「非核三原則」があるから核配備はされていないだろうと信ずるのと、どちらが
迂闊か?(迂闊にも知らなかったことを、新たに知ったからとて、俄かに身の危険に恐慌を
来たすほどのことではない、という比喩に過ぎないが...)

日本語で「トランス・ファット」で検索(google)したら、29500件ヒットした。例え
ばコレステロールでは347万件、脂肪酸では160万件、不飽和脂肪酸では28万件に比
べれば、まだまだ世間的にもマイナーな・聴きなれない言葉のようだ。
(ちなみに「トランスファット」では381件しかヒットしない。またトランスファットで楽天広場
のブログ検索にかけると7件ヒットする。)

で、トランス・ファットの検索の冒頭に「恐ろしいマーガリン・植物性ショートニング 」と
いうサイトが引っかかる。トランス・ファットの事実部分に関する内容は、概ね、米国食品・
医薬局のものの要約と思えばよい。

これを一読してみれば、なぜ、トランス・ファットが聞きなれない言葉かという事実の一端
も窺い知ることが出来る。
例えば、輸入牛肉問題などを見ていると、食品安全問題に関する取り組みは非常に厳しい
規制がかかっているかに錯覚することがあるが、事実は意外に(圧力団体との関係で)偏頗
な構造になっている。日本に限ったことではないが...。

◆◆ 畑を耕し、自分を耕し、世間を耕す、【耕す生活 ◆◆
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by agsanissi | 2006-02-08 09:38 | 参考記事