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2007年 06月 30日

食の安全・安心

c0048643_15332076.jpg15.1/17度、日照ゼロ、昨日からの総雨量78ミリ、
アメダスでは10時前には雨が止んだことになって
いる。山では、午後になっても、道路がシットリ濡れ
るか濡れない程度の霧(雨)が舞っている。
でも、五分も立っていると「雨だな」と実感する。
小麦の登熟が予想以上に早いようだ。刈取りまで
二週と見たが、10日程度か。尤も、来週前半は
雨勝ちの傾向だ。明日駄目押しに木酢液を散布
するか?


「謙虚たれ」と説く者に謙虚な人間はいないと云った人がいる。
それと似たような感情なのか、農水省が、声高に「食の安全・安心」を謳うのを、何か胡散臭い
と感じてしまう。ミートホープや加ト吉の問題が発覚すると「業者間取引の品質表示」義務など
一段と煩い規制が義務化されるのだろうけど、それで「食の安全・安心」は一歩でも前進する
のだろうか?
毎日新聞は、昨年4月、ミートホープの元幹部社員が牛ミンチ偽装などの不正行為を農水省
北海道農政事務所に内部告発したのに、応対した職員は「これではどこの製品なのか分から
ない」と受け取りを拒否、門前払いを受けたという記事を掲載している(参照)。
この記事だけをみれば、農政事務所は一体仕事をやってるのか?社会保険庁と変わらない
じゃないかと思える。しかしネット上の出鱈目で無責任な告発や学校・教育委員会に理不尽
で手前勝手な訴えや告発が急増しているというのを聞くと、農政事務所にも一々対応しきれ
ない事情が山積している可能性はないのか、とも感ずる。そもそもマスコミなんぞ、大衆受け
しそうな記事を扇情的に騒ぎ立てるだけ、事の本質を探る地味な仕事は最初から放擲して
しまって久しい。
一旦、明るみに出ると、これでもかこれでもかと不正がポロポロ出てくるのは、関係者の間で
周知の事実が、何かの平衡が破れて一挙に噴き出たに過ぎないのではと思われてくる。
側から見れば、なんて無茶苦茶なことをやっていると思われるが、会社社会では五十歩百歩
の例を経験した人はなんぼでもいるのじゃないか。自分が、その内部社会・仲間社会の一員
になれば「内部告発」がどんなに勇気のいることか(最初は「仲間を裏切るのでは」という狭い
義侠心が疼く、次いで)、自分の社会的地位はもち論、生命さえかけなければ、否!生命を
賭けても出来ないことは農水大臣が身をもって証明した。
その意味では、特定仲間社会の一員としては加害者であり、特定仲間社会の外部の人間と
しては被害者だ。そしてみんなが何がしかの仲間社会の一員としては同時に被害者であり、
加害者の可能性は、誰にもある。

こんな事件が次々発覚するのは、「太った豚」に書いたように企業を初め社会的エリートに
エリートとしての義務と責任、要するに倫理観が喪失しているのではないかと感ずる。でも
彼等はある意味では国民的気分の鏡だ。増幅して映し出しているか、歪んで映し出している
か、それは兎も角も、外から見れば一見して明らかなほど国民的気分の鏡だ、と僕は考え
ている。
一連の事件を取り上げて、「食の安全・安心」は脅かされている、農水省はいったい仕事を
やっているのか、こんなことで国民の健康・安全を守る仕事を任せられるか等と騒ぎ立てる
のは、止めにしておくが良い。結果としてそれは、彼らの官尊民卑の心を肥やし、煩雑で・
小煩い規制の網を一段と複雑にするだけだから。
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by agsanissi | 2007-06-30 18:25 | ミミズの寝言
2007年 06月 30日

ソウカ病

昨日の6時半から休みなく降り続いている。若狭湾から東北北部沿岸を結ぶ線上に雨雲が
集中し、今の時間は日本海と太平洋の沿岸部に、またこれとはやや別の気圧の谷が津軽
海峡から十勝地方にかかっているようだ。
この時期、俗に「梅雨のない北海道」という決まり文句が使われるが、意外に雨は多いのだ。
梅雨前線が北海道まで北上しないという意味では、「梅雨のない」といってもよいが、それなら
昨日今日の雨だって、煩いことを云えば前線を伴った移動性低気圧による雨じゃないのか?
決まり文句は、思考の節約には便利だけれど、余り節約していると思考が錆付いて、延髄
だけが肥大化する反射運動に堕する懸念はないのかしら??

憎まれ口は、それくらいにして...
このブログに「アクセス解析」というのがある。その中に、どんな言葉(ワード)で検索し、この
ブログに辿り付いたかの解析がある。「ソウカ病」が多く、上位10件の検索ワードの内40%
以上を占める。ソウカ病に関する基本的事項は、ジャガイモ博物館の「病害虫防除の要点」
参照)にも出ている。若干の補足をしておくと、...
土壌細菌による土壌伝染性の病害で、「ソウカ」とはかさぶたや出来物の意味で、皮膚病の
ようなもの。収量には影響ないし、軽症なら食用にも差し支えはないが、商品価値は著しく
落ちる。またジャガイモの表皮は、様々な病菌に対する生体防禦の障壁だから、皮膚が犯
されれば他の病菌に対する耐性は劣化し、他の病害を併発する可能性は高くなる。
種芋によっても媒介されるから、無病の種芋を使うことが絶対条件。ジャガイモ博物館の
「家庭菜園、疑問・愚問」(参照)には、「合格証票のある種芋を使うならばソウカ病...など
を持ち込む心配は無いので」と書いてあるが、僕の経験では「合格証票」は必ずしも無病の
保証にはならない。まあ、「合格証票」はないよりはあった方が絶対的に良いが。
一般的には塊茎形成期(着蕾-開花始期)に地温が20度以上と高く、乾燥している場合は
多発
する。但しソウカ病の放線菌には四種類あり、いわゆる象皮病(象の足のような網目
状の表皮)の場合は多湿条件で多発するというから厄介だ。また6.5以上のアルカリ性の
強い畑ほど多発
するから、石灰資材の多投や野菜跡地では要注意。
連作すれば土壌病菌の密度は高まるから、原則として連作は避けるべき。ましてソウカ病
の発症した畑での連作は論外。
品種によって、ソウカ病に対する抵抗性は違うから、抵抗性のある品種を栽培するのは
有効だが、その場合でも連作は避けるのが賢明。
種芋の殺菌剤はあるが、生育中の予防薬・治療薬はない。というわけでソウカ病は持ち
込まない・出さないというのが基本で、無病の種芋を使って、4-5年の輪作を心掛ける
以外には、お手軽な対処療法はない。飽食と運動不足を続けながら、ダイエット食で痩せ
よう等の愚行は絶えないのが世の常だが...
米ぬかが効いたとか、牛の尿を散布してピタリと止まったなどの民間療法は(「現代農業」
など)、いろいろ紹介されているが、病気の発症は気象・土壌条件によっても違うが、その
点を考慮した追跡記事は見たことがないし、一般性のある対策は確立されていない。
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by agsanissi | 2007-06-30 11:08 | ジャガイモ
2007年 06月 29日

小麦の作柄

麦秋というには一週間早い。しかも今日は雨だ。しかし6月の好天で萎縮による生育不足
7-8割方までは回復したと見ている。県南の紫波町では去年よりは一週間早く、昨日から
ナンブコムギの収穫が始まったそうだ。普代よりは、平均気温が3-4度ほど高いから、収穫
は10日から二週は早い。

今の時期、麦がきれいに色づいてくるから、他人は「今年は小麦が良いね、がっぽりだね」など
と呑気なことを云ってくれる。間違いなく、いまは良い。問題は、収穫期の一週間(7月第二週)
の天候で、約四十二週間の全生育期間の成果の成否はこれでほぼ決まる。但し、開花期を
挟む一、二週間にカビに対する耐性を如何に作るかで、その成否自体が左右される(この辺の
関係は微妙で説明が厄介だ)。
今年の6月の日照時間は、異常に長かった。だからといって7月の天候が良いという予想は、
全く成り立たない。過去20年間(1987-06)の日照時間の平均値は6月が約130時間に対し
て、7月は116時間、梅雨本番に入るということか。
ところが面白いことに170時間を超える年が五度もある一方、僅か21時間、30時間の年も
ある。要するに長短のバラツキ、日照時間の変動幅が大きいのだ。仮に各年の日照時間と
20年間の平均日照時間との差分を合計して平均すると6月が18.4に対して7月は39.0、
同じく標準偏差値は23.7に対して50.2、要するにバラツキが大きすぎて7月の日照時間
について今からは何も云えないし、6月の天候からは何も予測できない。

ところで僕の小麦の販売実績を見ると、平成14年までは全量一、二等。ところが平成15年
は約5割、16年は7割5歩、17年は十割が格外(30キロ5-6千円の小麦が、格外になると
千円以下4-500円
になる)、18年は全量二等など。そして小麦の合格率と日照時間とは
相関していない。

何が起きたのか??
平成15年度産から赤カビの検査規格が、前年までの25倍にまで厳しくなり、混入率0.0%
になったのだ(天敵Wikiという面白いサイトの赤カビ病の項を参照)。平成18年は天候不順
で全国的に赤カビ病が多発したそうだ。久慈管内では、僕の小麦を除いて全量格外になった
という(数十戸はいるのかな)。
ところで問題は、品目横断的経営安定対策が導入されると
1.この対策の対象外の生産者の小麦の販売価格は30キロ2-2.5千円程度
2.次に、この対策の対象者は最高4千円前後が上乗せされるが、その上乗せ額は平成16-
18年の販売実績の平均値で決定される固定値で、19年以降の実績は一切勘案されない。
3.従って平成18年以前に販売実績がない場合、また気象条件などでこの間の販売実績が
悪い場合は、そのまま固定実績として19年以降の販売価格に投影される。つまり4千円が
上乗せされるのではなく、0から4千円程度のどこかになり、しかもその後の生産実績と関係
なく継続される。

この平成16-18年の販売実績の平均値を固定値として19年以降の販売価格に投影させる
方式
は、現場レベルでは様々な不満や矛盾を内包するものだ。これに対応するため農水省
担当者は、現場レベルの担当者を集めて研修会を開き、この方式は「今後10年間は変えない」
と断言したそうだ。
もち論、こんな断言は笑止というほかない。
1.10年以上の長期的展望を以て、継続的に実施された農政が今までにあったのか?
2.その農水省担当者は、10年以上継続してこの政策に係わるのか?
3.云うまでもなく、まだ実施される以前から、再検討しますとは口が裂けても云えない。

かくて、この政策は
1.この対策の対象外の生産者を切り捨てるものだ
2.新規参入の意欲を完全に否定し、シャットアウトさせるものだ
3.赤カビ検査基準の厳格化と相俟って、今後の拡大意欲を阻害するものだ
4.今後の全国的な小麦生産の動向は、米政策と相俟って集落営農方式の成否如何に
よって左右される、などなどのことが予測される。
少なくとも、小麦に関しては自給率を引き上げる云々は、単なるウソに過ぎない。
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by agsanissi | 2007-06-29 19:17 | 小麦
2007年 06月 29日

豚かソクラテスか/雨の無駄話

6時半から雨になった。その前に畑を一巡りして、ダイズの出芽状態を確認してきた。多少の
未出芽部分もあるが、この雨で出芽できるかどうか、駄目なら土目が駄目ということだろう。
黒ダイズは兎も角も、スズカリ(一昨年の屑ダイズだが)は予想以上の健闘だ。
長く大陸まで延びる前線を伴った低気圧は、時速55キロで東に移動しているが、その背後に
は次の低気圧が控えている。この雨は、明日昼まで続くとの予報。
ニュースでは、無造作に「梅雨前線が北上し」等といってるが、僕の認識では「梅雨前線」とは
基本的に停滞前線だと思っていたが、55キロで移動する停滞前線など形容矛盾ではないの?

今どき、東大総長の告示など話題にもならないが、40年以上前には「太った豚になるより、
痩せたソクラテスになれ」という言葉が、卒業式前に新聞紙上で報じられ、あっと言う間に
世の中に広まった。格調高い言葉とも思わないが、語られるより前に世間に喧伝されたのは、
高度成長期の「安心感」が痩せたソクラテスへの願望を生んだのか、それとも今日の余りに
無慙な社会的エリートの知的・道徳的荒廃の予兆でもあったのか(栴檀は双葉より芳しという
のは変か、ニンニクは芽にして既に臭し)?
この言葉も、東大の卒業式だったからこそ、多少とも持て囃されたが、仮に失業者で溢れる
「職安」の前で、こんな演説でもやって袋叩きにあわなければおめでとう!

今日、あなたは「太った豚と痩せたソクラテス」のどっちの生き方を選択しますかという世論
調査をやったら(痩せた豚と太ったソクラテスの選択肢がないのは一面的だが)、果たして
どんな結果になることやら...。

全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)が、参院選挙の公示を控え、担い手対策や
農地政策で、主要政党に公開質問を提出し、その回答を公表したそうだ。自民党は現在の
品目横断的経営安定対策を進め、「担い手への万全な経営安定」を主張し、民主党は、全
販売農家への戸別所得補償制度の実施を挙げているとか。
要するに、多少とも「太った」豚かソクラテスにはなりうるとの社会的補償を与えているつもり
のようだが、これで農業への新規参入を誘いうると、本気で考えているのか?

今でこそ、声高に・公然と「日本に農業はいらない」と論ずる声は少ないが、敢えて論ずる
までもない、農業担い手の高齢化と共に、産業としては自然死に近い衰弱死を迎えるから
ではないのか?
品目横断的経営安定対策が、「担い手」に経営資源を集中し、それによって経営効率化を
実現し「経営安定」を図れるという説明が第一のウソ。
仮に第一のウソが真だとしても、品目横断的経営安定対策が(若者に対して)農業を新たに
やってみたいという(新規参入への積極的)動機付けにならなければ、農業には産業としての
未来はない
。ところが品目横断的経営安定対策の中身は百%「新規参入は阿呆くさい」と
思わせる(実際、阿呆くさいのだ!!)仕組みになっている。これが明白な第二のウソ。
それでも農業をやりたい若者がポツポツいるのは、「太った豚」の横行する社会的エリートに
対するアンチ・テーゼか?
尤も、太ったソクラテスとて決して醜いわけではない。
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by agsanissi | 2007-06-29 13:25 | ミミズの寝言
2007年 06月 29日

寝言の繰り返し/太った豚ども

「太った豚」の中で、緒方某の件を「或いは裏を知られるが故に偽装仲介を断れなかったか?」
と朝鮮総連側を主体とする偽装詐欺のように書いた(6/26参照)。

28日のニュースでは、緒方某は、資金調達の見込みもないのに朝鮮総連と売買契約を結び、
朝鮮総連本部を騙し取った詐欺の疑いで逮捕された。所有権移転後に代金を支払うことにして
欲しい。それが契約の絶対条件だと持ちかけて、三十数億円の会館を騙し取ったというものだ。
当初は、朝鮮総連が「差し押さえ」を逃れるために緒方を仲介者にして所有権の偽装移転を図
ったと見られていたが、実は緒方の「詐欺」だという。要するに「食い逃げ」だという。

しかしこんな子供じみた「詐欺」が果たしてあるものか??事の真相は、矢張り、差し押さえを
逃れるために総連が偽装移転の仲介を緒方に依頼したのではないか、と僕は見ている。
元公安調査庁長官が、朝鮮総連と図って偽装移転を目論んだというのでは、政府の立場として
余りに面目ないので(選挙も近いことだし!!)、緒方某の個人的詐欺に偽装した事件というの
が真相ではないか。
どっちにしても子供じみた幼稚な犯行で、それで数億円の金が動いたのは事実。なお緒方某
は、公安庁長官の退任後、広島、仙台の両高検検事長を歴任したというから、お笑いだね。
泥棒を捕らえてみれば我子なりというのはあるが、泥棒を捕らえてみれば我大先輩

なお、公安調査庁の政府内における中途半端な役割を、鋭くかつ面白く描いた小説に(尤も、
話の本筋は違うが)中嶋博行「司法戦争」(講談社文庫)というのがある。
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by agsanissi | 2007-06-29 05:00 | ミミズの寝言
2007年 06月 28日

ジャガイモの生育比較

15.3/26度、日照11.5時間(累計208.3時間)、午後は全天に霞をかけたように上空
の薄雲が広がる。全域に雷注意報、内陸に大雨・洪水注意報、沿岸部に濃霧注意報など。

東5のスズカリにロータリカルチ、ツユクサが猛烈な勢いで群生し、殆ど負けそうな気配。
来月半ばにかけて三回程度ロータリカルチで叩くことが出来れば、何とか抑えられるか。
西4と東15のダイズは、はっきり筋状に見えるようになったが、1-2割、まだ出芽しない
部分が残る。

6/18と6/28の比較
キタアカリ、S玉(平均60-70グラム)、4/12播種
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男爵、S玉(平均50-60)、4/19播種
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男爵、M全粒(平均80-90)、4/20播種
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生育不足の例
この辺では肥料過多で過繁茂に育てる例が多いのだけれど、ちょっと珍しい生育不足の例
を近所で見つけた。僕のキタアカリより数日早く植えて、出芽は一週程度早く、初期生育は
僕のものよりも良かった。先月20日頃、「何故かな」と頭を傾げたのを覚えている。その後
は逆転した。
6/21と6/28の比較写真で、本来なら最大生育期は二週くらい先で、後四週くらいは地上
部を維持したいところだが、今朝は既に若死の気配が見えている。明日の雨で、疫病が広
がり、ほぼ終末を迎える。予想では株当たり収量は、良く見積もって200-300グラムほど、
確かめるわけにはいかなけれど...。
若死は、もち論、生育不足が原因ではない。芋そのものの出来は肥料過多よりは、幾分
生育不足の方がかえって良い位だが、それには生涯を全うさせてやらなければならない。
病害で若死にさせてしまっては、収量は上がらないのはもち論、未熟芋しか出来ない。

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by agsanissi | 2007-06-28 20:28 | ジャガイモ
2007年 06月 28日

開花期/ウィークポイント?

25日に「開花期に入りつつあることを考慮」して、ジャガイモの疫病防除をやったと書いた。
開花期は、疫病に対する耐性が弱いのか?
それは分からない。また作物の各生育ステージで生体防禦システムがどのように働くのか
明らかにした文献も見たことはない。一般的に「軟弱に育てれば病害に弱い」と同義反復の
ようなことを真面目腐って指摘している場合が多い。
しかし開花期は、栄養生長から生殖生長に転換する時期で養水分の吸収状態や生体内の
栄養バランス、酵素の働きが大きく変化する時期で、この変化に応じて生体防禦システムに
影響があるだろうとは想像できる。要するに、開花のために余分なエネルギーを必要として、
外的ストレスに対する耐性が弱っているかもしれない。

試みに、googleで「開花期+防除」と複合検索をかけてみると64500件ヒットする。
小麦の赤カビ防除に関する事例が最も多いが、他に稲、果樹、大豆の事例が挙げられて
いる。麦への赤カビ菌の感染、稲・ダイズの低温障害など開花期に集中しており、作物の
生育ステージの中では、出芽期(出芽出来るかどうか?)とともに開花期は、質的転換期
であり、それ故、ウィークポイントでもあると見るべきか。
尤も、ジャガイモは塊茎の肥大化したもので、花蕾が付き始める頃に肥大が始まるが、
開花そのものと芋の肥大には直接関係はない。開花が多い場合も少ない場合も、また殆ど
開花しない場合もあるが、芋の収量には影響がない。また余分なエネルギーを取られない
ということなのか、花を摘むと芋の付きが良いという民間「説話」もあるそうだが、関係ない
という実証研究はかなり昔に行われている。

こんなことを、つらつら考えながら開花期と疫病蔓延の好適気象条件が重なれば、防除に
如くはないと25日に薬剤散布した。但し低気圧通過と濃霧注意報で雨+低温が続くと予測
した26、27日は、26日は兎も角も、27日は大外れ。
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by agsanissi | 2007-06-28 05:32 | ジャガイモ
2007年 06月 27日

ダイズ(スズカリ)出芽

15.2/26.1度、日照12.1時間(今月の累計196.8時間)、早朝、北東気流に乗って海霧
が入り、麓から中腹にかけて濃い霧に包まれる。山の上は晴れ渡り、ほぼ快晴。

20日に播種した東15のスズカリ・ダイズを点検に行った。もしやと思って陽射しを背に反対側
から見ると、6-7割が出芽している。この状態では、遅くとも昨日、早ければ一昨日には出芽
していた可能性がある。播種から6-7日目に出芽。
5月22日播種の出芽初めは6月2日と11日目だから、約40-50%短縮、雑草との競争で
この短縮と約二分の一にした峡畝がどの程度有利か、ここが次の注目点。
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by agsanissi | 2007-06-27 22:19 | ダイズ
2007年 06月 26日

今月の日照時間

16.5/19度、日照ゼロ、雨雲の回廊は山形・宮城上空に集中したようで、普代にはただ霧滴
をもたらしただけに終わった。

今月の天候を総括するには、まだ早いけれど、何故か日照時間が記録的な長さに達しそうだ。
昨日までの合計時間が184.7時間、明日から再び陽射しは戻るから200時間を超える可能
性も出てきた。
これがどんなに珍しいことか、1987年から06年までの過去20年間の平均値129.8時間
比較しても分かる。仮に今月の日照時間を200時間とすれば、これに次ぐ記録は21年前の
1987年182.6時間まで遡る。この21年間に150時間を上回る記録は87年と今年を含め
て僅か4回しかない。
一般に、6月の日照時間の地域分布図(参照)をみると、入梅時期と関係するのだろうけれど
北緯40度付近のこの地域は比較的長いほうに属する。しかし沿岸部の小範囲の実際の日照
時間は海上霧の影響で、平均値よりはかなり短い。

一般的に云えば、この時期の日照時間が長いことは光合成を活発にし、ジャガイモの乾物
生産にとって有利には違いない。しかし過去の日照時間と収量との関係を調べてみると、
実際の収量を規制する様々な諸要因の組合せの結果、日照時間と収量とはプラスの相関
関係があるとは必ずしも云えない
。例えば日照が長く、気温も高い場合は、呼吸活動が活発
になり乾物の消耗が激しくなると共に、生育期間は短めになる傾向がある。逆に曇天の日が
多い場合は光合成活動のレベルは意外と落ちないのに、呼吸活動はやや沈静化し、生育
期間も延長され総乾物生産量は却って増加する可能性がある...等々。
この一筋縄ではいかない複雑さが、多変数解析を解くような知的興味を誘う。とはいえ、実際
の日照時間は延長することも、予測することもできないけれど。
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by agsanissi | 2007-06-26 20:35 | 気象/季節メモ
2007年 06月 26日

「太った豚」

曇天無風、17-8度、湿度が高いのだろう、やや蒸し暑い感じ。当面の緊急作業は一段落、
次の作業ポイントまでは三四週ある。18日に播種した黒ダイズは、ぽつぽつ出芽し始めて
いる。播種から八日目、去年、5月25日に播種した黒ダイズは11日目に出芽し始めた。
三日早くなっているが、この程度は気象・土壌条件による変動幅の内といえぬこともない。

今朝のニュースで、雪印、不二家、加ト吉と相次ぐ不祥事の発覚は「食品業界にはいったい
企業倫理があるのだろうかと疑わしくなる」と、どなたかが仰っていた。経団連の御手洗会長
は牛ミンチ偽装事件について「生命にかかわるビジネスは、普通より高いコンプライアンスや
モラルが必要」と指摘、経団連理事の加ト吉の加藤相談役を処分する方針とか。
モラルといえば、キャノンの会長でもある御手洗氏は自社の偽装請負問題を国会で追及を
受けた際に、現行の「請負法制に無理がありすぎる」と法制度の不備にこそ偽装請負の真因
があるかに開き直ったものだが、「他人には厳しく、自らには甘く」と現代企業経営者として
のモラルのあり方の範を垂れたお方だ。

技術評論・経済評論家として永年にわたって数多くの経営トップとのインタビュー・対話を
重ねてきた内橋克人さんは、キャノンの偽装請負問題を取り上げて、かつての企業経営者
には、まず「人間としての徳の高さ」を感じさせる人が多かったが、最近は「儲けさえすれば
良しとする卑しさ」を感ずるという意味のことを話していた。
当時、「バブル謳歌の日本に猛省を促した話題のベストセラー」と囃された中野孝次の「清貧
の思想」(1992年刊)は、思想としては昇華せず、一時の徒花に終わったのか。

かつて東大の卒業式で大河内一男総長が、卒業生に語ったとされる「太った豚になるより、
痩せたソクラテスになれ」との告示を与えたのは1964年のこと。当時の卒業生は、いまや
64、5歳、功なり名を挙げて、時に天下り、会長職・名誉職に収まりつつある年代か。
暫らく前、朝鮮総連本部の所有権の偽装名義変更を仲介して話題となった弁護士緒方某は、
検事を振り出しに、公安調査庁長官を務めた人物だが、これよりは一世代上の年代。
職業倫理などはかなぐり捨て、ただただ自分のかつての職業を金儲けの餌にして、恬として
恥じない恥知らずと分かる。これでは表向き、どんなに高潔な発言をしようと裏を知るものに
嘗められて不思議はない。或いは裏を知られるが故に偽装仲介を断れなかったか?(6/29、参照)
すべての臭いものを、自らの「責任」として背負い込み、自らの死によって、より醜悪な臭い
ものに蓋をした大臣は、多少とも恥じを知る人士とでも云うべきか??これも同じ年代。

こうしてみると、名もなき清貧はいざ知らず、功なり名を挙げた諸氏は、総長の送る言葉を
人生の反面教師として処世訓にした人士が多いかのようだ。社会的エリートには「太った豚」
が横行し、勝ち組負け組みなどと浮かれる巷には「太った子豚」が横行し、他方ではダイエット
こそ、まるで「食」の目的であるかに喧伝するコマーシャリズムの横行する、
この経済大国日本の文化的到達点とは、いったい何なんだ??
(ソクラテスは痩せていたわけでもなし、豚が太って悪いことでもないけれど...)
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by agsanissi | 2007-06-26 13:10 | ミミズの寝言