農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2011年 11月 29日

和野山点描

・和野山の開発農地の南の外れに漁協の網干場がある(Google地図で見る)。道路を中に南北に二つある。
休漁期には、使わない網を丸めてブルーシートで覆って保管してある。
・南側の広い干場は、今は太田名部漁港周辺のガレキ置き場に変わっている。
・普代村のガレキは、他の沿岸市町村に比べれば、ほんの微々たるもの。それでさえ仮置き場への移転費用だけで三千万円余とは驚き。
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・この写真を撮りながら、ふと思ったけれど、僕が普代に来てから18年、約二世代分にもなる。僕にとってはアッという間だったけれど
普代も色々と変わった。和野山の農業者だけでも、僕が来た当時7人いたが現在は4人(ないし5人)、この間に辞めた人が3人、来ては
辞めて去っていった人が5人(ないし5家族)。外部から来て定着して今でも農業をやっている人が僕を含めて二人(ないし二家族)。
・当初は、開発農地の60町歩全部が利用され、大根の主産地の一角を占めていたが、今では家庭菜園規模が残るだけで、大根生産者
は一人もいない。そもそも大規模土地利用型の開発農地として始まったが、僕以外はハウス栽培に変わって利用地は縮小され、空いた
農地の全部は岩泉の農業公社に貸し出されて、毎年デントコーンが作付けされている。
・変わらないようでいて、思えばずいぶん変わったなとの感慨を深くすると共に、それを知る生き証人も一人減り、二人減り....。
・この作業日誌自体も、最初は「HTML文法」を使って、あれこれのプロバイダーを利用して公開していたが、やがて掲示板からブログに
変わり、ブログもあれこれ利用していたが、やっとExcite&Googleに安定した。この間にPCも何台か代変わりし、トラブルも加わって、
今までの記録が全部消えてしまったり、アクセスできなくなってしまったり、それはそれで良いけれど、「日常性の中の意外性」という
言葉がふと浮かんで...
・どうってことのない日常的記録も留めておこうか、などと考えた。

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・昨日今日と全天下層雲に覆われる。時々雨混じりの天気で畑は湿気を帯びている。昼過ぎには前線が通過し、一時雨の降る可能性も。
・明日も同様。木・金と晴れて、土曜日は再び雨の予報。ジャガイモの掘り取りが完了してホッとしている。これで雪でも振り出せば、と
思うと安堵感を実感してもらえるかしら。
・ダイズが、未だ2.5町歩ほど残っている。コンバインが、突然、エンジンがかからなくなってしまった。原因はバッテリーではないようだ、
セルかしら?
残った仕事は、ダイズの刈り取りを除けば、小麦播種畑の後始末ダイズ選別種芋の点検&保管


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【日々雑纂】
「農業クラウド」の共同実証実験、「クラウドWatch」の最新ニュースに「富士通とイオンアグリ創造」が、共同でイオン直営農場に
富士通のクラウドコンピューティングを活用したICTシステムを導入して共同実証実験を開始するとの記事が載っている(参照)。
・「クラウドコンピューティングを活用」というから、最初は「野菜工場」かと思ったが、イオンアグリ創造が運営する5県7カ所(茨城県、
栃木県、千葉県、埼玉県、大分県)の直営農場で、経営・生産・品質の「見える化」を図り、農産物の生産から加工・物流・販売に至る
までの全行程を「農業クラウド」で一貫して管理する、というもの。
・経営の見える化については、農産物の収穫量や出荷情報、作業実績を、従業員がPCや携帯電話で記録することで、圃場(ほじょう)
ごとの生産コストや利益を算出・管理する。
・生産の見える化については、従業員が携帯電話のカメラを利用して圃場の様子を写真で登録。リアルタイムに確認可能にするととも
に、携帯電話のGPS機能により、写真を撮った場所を自動的に記録。また、圃場に設置したセンサーで、気温・降水量・土壌温度など
の気象データを一定間隔で収集する。
・品質の見える化については、農産物の生産段階における管理基準として世界標準とされる「グローバルGAP(Good Agricultural
Practice)」への適合を管理する。

野菜工場のように、栽培過程そのものを「クラウドコンピューティングを活用」して管理するのかと思ったが、要するに百姓の感覚器官と
頭脳を、センサーとコンピューターに置き換えるだけだ。その可能性と限界に注目!

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by agsanissi | 2011-11-29 09:31 | 和野山点描
2011年 11月 27日

日々雑纂

・全天、雲に覆われる、処々雲の切れ間がある。北海道及び青森の日本海側は朝から雨。
・雨雲は北東に流れ、普代にはかからぬ模様。強風・乾燥(今朝の室内で45%)の注意報が出ており、
12~14時頃風が強まる見込み。
・8時の気温は2.1度、昨日は△1.4度、歩いていると今朝はやや汗ばむ気温。

・12時から芋掘り(ワセシロ、8列、最終)の予定
・12~14時、黒崎から4人+普代から2人参加、製品2.3㌧+タネ用300、持ち帰り300、約3㌧弱
・芋は比較的乾いており、掘り取った時の状況は昨日よりは改善される。この時間帯の気温は16~18度
・ちなみに最低最高気温&日照時間は、△1.9/18.1度、5.1時間。強風注意報が出ているが、比較的穏やか

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歯の構成割合と摂取食物の割合、【葉山瑛一コラム】というブログがある。日本語で「マクガバン・レポート」を検索していたところ
目についた。同ブログの参考資料「マクガバン・レポート」(参照)の一節に、こんなことが書いてある。
・では私達人間はどんなものを食べればよいのか?
その答えが私達の「歯」にあらわされているといいます。
臼歯  穀物や豆などをすりつぶすための歯  20本
門歯  野菜や海草をかみ切るための歯     8本
犬歯   肉や魚などを食べるための歯      4本 、計32本です。
この割合は、日本人であろうがアメリカ人であろうが、そしてヨーロッパ人であろうと変わりません。
人類共通のものです。
・これらの点から人類は本来、穀物食を中心にしてきた動物だろうと考えたのです。
従って、現代に生きる私たちも、この歯の割合で、食物を食べ分けるのが体に合った一番望ましい食べ方であるということです。
つまり、
主食 炭水化物(穀類・豆類・芋類) 62.5%
副食1  野菜・海草類など、   25%
副食2   肉・魚など  12.5%
の割合で食べるということになります。
」云々(以上、引用;下線は僕)⇒歯の構成割合から、摂取すべき食物の栄養構成(これは
重量構成か、容積構成か、それともカロリー構成か、または全然別の基準による構成割合か?)を推論する話は、初めて目にした。
さて、これをどう考えたら良いか?

・まず、簡単にわかることは、「従って」とは、必ずしも論理的に結びつかないこと。
・人類は、10の6乗のレベルで、一日の大半を食物を得るための労働に費やし・かつ日常的な飢餓状態にされされる生活を送って
きた。農業革命のよって”安定的な”食料生産の可能性が開けたのは、たかだか10の4乗レベルでしかない。実際に”飽食”時代を
経験するのは10の1乗から2乗レベルで、しかも地球上の数分の一の「先進」諸国の人間でしかない。このように激変した労働及び
食環境の中で、10の6乗レベルで形成された歯の構成から「従って」と摂取すべき栄養構成を即断するわけにはいくまい。
・11/22に「先史時代の勝者の遺伝的体質」で引用したように「食物が手に入るときに脂肪を最も効率的に蓄えることの出来る身体」
は現代では、逆にアダ(糖尿病)となっているが、余分なエネルギーを「脂肪」として効率的に蓄えるもとになるのは、実は「脂肪」その
ものというより、過剰に摂取された炭水化物のほうだ。
・考えられる別の可能性、野生の炭水化物から栄養源を取り出すには、肉・魚・野菜などに比べて何倍・何十倍もの努力が必要で、
噛み砕いたり・擦り潰したりしなければならず、煮たり・焼いたりする以前、更には石臼のような道具が出来る以前は、当然、歯が
その役割を果たさなければならなかった(それ故、臼歯の割合が多い。言い換えると噛み砕いたり・磨り潰したりしなければならない
量に比べて、摂取できるカロリーの割合が低い)。現代の精製され・加工され・難消化物質を取り除かれてしまった・消化しやすい
炭水化物を同じ割合で摂取すれば、たちまち過剰摂取に陥るのではないか。
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by agsanissi | 2011-11-27 09:14 | 日々雑纂
2011年 11月 26日

日々雑纂

c0048643_15402356.jpg・昨日は3.5/7.5度、しかし風が強く、”烈風吹きすさぶ”という調子。
・今朝は、朝の冷え込みは昨日よりは厳しいが、日中は風も弱く、
天気図を見てもいかにも穏やか。気温も11度まで上がり、陽だまり
は小春日和。△3.5/11.1度、日照7.5時間、平均風速は昨日の
6~8㍍に対して2~3㍍

・明日は更に気温が上がり、予報では15度。終日曇マークが出て
いるが、大きな崩れはない模様。
ワセシロの最終掘り取りを予定。土と芋の様子をみるため、一往復
2列を試し掘り。
・約700キロ(製品600、タネ50、持ち帰り60等)、真ん中辺にやや
腐敗(浸水か?)あり。
・土は乾いており、収穫機の運行はスムーズ、一往復20分、トラブル
なし。芋はやや湿気を帯びており、素手で扱っていると、指先が冷え
てくる。但し、黒アザ病を含めて、外見的な障害はない。
・11月に入って、明日の掘り取り分を含めて12~13㌧を取ったこと
になるが、その保管方法を含めて、10月中に掘り上げてしまう体制
を作ること(来年の課題)。
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by agsanissi | 2011-11-26 15:51 | 日々雑纂
2011年 11月 24日

日々雑纂

・この二週間で、和野山も紅葉から冬枯れの様相に、すっかり変貌してしまった。
・二つ玉低気圧と前線の通過に伴い気温はめまぐるしく変わる。
・昨夜、22~24時にかけて急上昇、11度を超えて、22時26分に11.6度の最高気温を記録。その後は徐々に下がって、
今朝6時24分にはこれまでの最低気温3.6度まで下がった後、8時以降再び急上昇して9時現在で12.7度。北から西の
空にかけて低気圧に伴う黒雲が湧くように漂う。北海道は大荒れの天気とか。

・西7の畑の高台から北西の空を見た雲の様子&同じ時間の天気図、この写真のやや左側西北西の空には淡い虹
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by agsanissi | 2011-11-24 09:27 | 日々雑纂
2011年 11月 22日

日々雑纂

◆変容
・普代浜園地(Google地図参照
・去年の5月までは、この場所を毎日、和野山まで通っていた。この対岸の堤防の奥に自宅があり、
そこから県道44号線を通って太田名部漁港を抜けて山に真っ直ぐ登る道を登り切ったところに畑が
あった。今は黒崎と畑を往復する毎日で、この道は月に2~3度通るか通らぬかになってしまった。
・対岸の山々の色合いが、こんなに華やかに見えたのは十数年、この道を通っていながら初めてだ。
・震災前まで、この手前に、漁師の番屋と松林があり、対岸は見えなかった。
・その一切が押し流され、新たな光景が広がった。
・かつての普代浜の整った姿は消えたが、荒涼とした砂浜と華やかな樹々の色彩とのコントラストの創出。
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◆作業メモ
・午前中は、食材加工用のジャガイモ(ワセシロ)&人参出荷
・午後は、東6の黒大豆刈り取り及び男爵芋の選別・袋詰め

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先史時代の勝者の遺伝的体質、【バーンスタイン医師の糖尿病の解決】(日本語版、101.p)「奇妙なことに、今日我々の
社会では遺伝的なものと思われている肥満体質が先史時代には生存の効果的方法として機能した。皮肉なことに、今日最も
2型糖尿病のリスクの高い人達の祖先は、先史時代には病気になったり死んだりする方ではなく、生き残る方だった。飢餓が
米国内で起こるとしたら、誰が最も容易に生き残れると想像しますか?2型糖尿病のリスクの最も高い人達なのである。食物入手
の最も不確実な厳しい場所に住んでいる人たちにとって、食物が手に入るときに脂肪を最も効率的に蓄えることの出来る身体は
子孫を残すために生存できるのである


口内衛生と心血管イベントとの密接な関係、(米国心臓協会・学術集会での報告から、日経メディカル、11/11/22、参照
過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある人は、歯石除去を受けたことのない人に比べ心血管イベントのリスクが低く、
歯石除去の頻度とリスク減少の程度は関連することが、台湾の大規模住民データの後ろ向き解析から明らかになった
」云々。
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by agsanissi | 2011-11-22 05:45 | 日々雑纂
2011年 11月 21日

日々雑纂

c0048643_7371827.jpg・今朝の最低気温は+0.3度(4:13)、6時半前雪が舞い始め20分程で
薄っすらとした雪景色に変わる。レーダー解析を見ると、雨雲(または雪雲)
は北海道から若狭湾にかけての日本海側にかかっている。太平洋側には
殆ど雨雲はかかっていない。
・レーダー解析では全く予想外の雪。昨夜は強風に煽られてか、空気は
清冽なまでに澄み渡り、南東の空に一際明るく輝く木星、東に顔を向けると
木星のやや左側天頂付近を通って東から西に向かって無数の星々が織り
成す天の川が薄雲のように伸びている。これほど見事な星空はめったに
見られない。あれは一夜の夢だったかと疑わせる今朝の雪。
・気象衛星画像を見ると雪雲特有の筋状の雲が能登半島から北緯40度線
に向かって、ほぼ45度に伸びている。天気図ではほぼ南北に並んだ等圧線
の屈曲部に沿って雨雲(ないし雪雲)が流れている。
・右の週間寒気予想を見ると上空5千㍍付近の△30度の寒気団のヘリに
沿って雪雲が流れている。
・7:40、雪の舞う中、雲間から一条の光が射してきた。シナイ山のモーセが
ふと浮かんできた。「疾風の吹きつけるシナイの山腹に震えながら攀じ登って
いく」ベートーヴェンが頭に残っていたせいか。
・初雪(orやはり16日かな?)


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by agsanissi | 2011-11-21 07:42 | 気象/季節メモ
2011年 11月 20日

日々雑纂

・明け方一時小雨、深夜は12度以上あり、その後下がってはきたが、今朝の最低気温は11.2度(4:15)、なんという気まぐれ!!
・Kくん来る。沿岸部の被災者支援事業としてクルミ買取&殻の剥き取り作業の支援をやっているそうで、陸前高田から久慈までの
沿岸部一帯から約15トンの野生クルミが集まったそうだ。その買取・収集の途中に寄ったとのこと。「宮古を境に久慈までの北部で
は真剣で顔つきが違う」との話。クルミを採集してくる人は60代後半から70代までのおばあちゃん達とか。

◆人参掘り
・午前中、ディガーを入れて掘り起こした後、13時~14時に3.5人で抜き終わる。その後、葉っぱの切り落とし&選別・袋詰めまで
含めて15時に全て完了する(480キロ+選外150キロ程度)。人参の作業は、これで完了。
・人参の出来不出来或いは生育状況は、毎年、かなりのバラツキがある。片手間にやっている傾向は否めないが、主要な要因は?

◆景色
・初冬ののどやかな配色と彩り
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埋葬、近所のお婆さんとの対話
婆さん「ヤギはどうしました」
    「老衰で亡くなったので埋葬しました」
婆さん「大変だったべ?!」
    「ユンボで穴を掘って埋めてやりました、5分ですんだかな...」
婆さん「....最初は、こう、盛り上がっているけんど、その内低くなって分かんなくなんダ
    「...........」
いきなり、この反応には驚いた。土葬をやった経験のある人でなければ、しかも何度もやった人でなければ出来ない発想かな。
・18年前、普代村に入植した当時、その時から「10年か、20年前は樽に入れて土葬していた」との話だった。
・40年以上昔のことだが、福島の山奥を訪ねたことがある。偶々、葬式に行き遭って、僕とは縁もゆかりもない人だけれど葬儀に
立ち会ったことがある。裏山に薪を井桁に組んで背丈ほどの高さに積み上げてあった。遺体は、多分その中に安置されていたの
だろう。参列者は、各々竹を持って、その周囲を囲んでいる。やがて火が付けられ盛んに燃え上がってくると、先端を削ったその
竹で炎の中を突っつきながら炎の周囲を巡り始めた。誰かが、僕にも竹を持たせて同じようにしろと云う。断ったところ、「故人への
供養だから...」と勧められて、巡って突っついた覚えがある。思えば都会育ちの僕には貴重な異文化体験だった。
・膨張して”破裂する”のを防ぐ知恵と”供養”という発想の見事な融合!

ベートーヴェンとモーツアルト、【アミエルの日記】(1856/12/17から)「どっちが偉いか、モーツアルトかベートーヴェンか。無益
な問である。一方は完成していて他方は巨大なのである。前者は完全な芸術の平和、直接な美である。後者は崇高、恐怖と憐憫、
立返って味わう美である。後者が望ませるものを前者は与える。モーツアルトは光と青海のクラシカルな純粋さを持ち、ベートーヴェン
は空と海と嵐のロマンチックなな偉大さを持つ。モーツアルトの心はオリンポスのエーテルに浸された頂に住んでいるようで、ベートー
ヴェンの心は疾風の吹きつけるシナイの山腹に震えながら攀じ登ってい
」⇒最後の一節が、特に適切な比喩かな。
バルザックとジョルジュ・サンド、(同前、1861/7/25から)「【ウジェニ・グランデ】(バルザック)を読んだ。第一印象は(ジョルジュ・
サンドを読んだ後では)不愉快である。文体の堕落だ。読者は、音楽及び詩から現実の辛い露骨な散文へ移ったことになる。ジョル
ジュ・サンドが云っている《事物の不滅な調和の神的な感じ》の中に人を保ち若しくは高めるものはバルザックではない

バルザックへの評価は、概ね当たっているが、それゆえに僕はバルザックが好きだ。《事物の不滅な調和の神的な感じ》に浸って
いたい人には耐えられない荒々しい現実

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by agsanissi | 2011-11-20 08:37 | 日々雑纂
2011年 11月 19日

日々雑纂

破壊と創造、夫々のレベルで、あるいはタイム・スケールで、破壊と創造は繰り返されている。生と死と言い換えても良い。
個人の生と死は一回限りのドラマだけれど、人類の誕生と衰退を個人レベルの生と死の集積としてみれば、無数のドラマの
混沌とした累積としか見えない。一方、個人の生を細胞レベルの生と死の集積としてみれば、単なる混沌とした累積物とは
異なるある種の法則性(あるいは規則性)があるはずで、だからこそ「人間」という有機的統合体が可能なのだろう。
・【ATOKATA】と題する篠山紀信の津波被災地の写真集の広告が「日経ビジネス」のサイトに載っている(参照)。
その冒頭に
「2011年3月11日。自然は圧倒的なエネルギーによって自らを破壊した。」とある。
・誰の言葉か(篠山氏か、編集部か?)知らぬが、「それは違うだろう」と思った。破壊と創造は表裏一体で、《万物は流転する》
という変化の一様態にすぎないと思いながら、冒頭のようなことを考えた。そうすれば生は同時に死への一歩であり、成長は
衰退へのあゆみであり、変化する物質の一様態に過ぎない。この場合、人間の魂、ないし意識をどう捉えれば良いか(あるいは
物質と意識の関係)、これが分からない。この分からないという有り様そのものが意識の賜物で、多分、物資の変化する様態
そのものには、この手の自己認識はないのだろう。
・《万物は流転する》という認識があるからこそ、不老不死などという妄想が生まれるのだろうが、富・権力・地位・名声などの
余計な夾雑物の産物に他ならない。「生きた証」なども庶民的レベルの夾雑物の産物に他ならないと僕は見なしている。つまる
ところ一個の《路傍の石》に過ぎぬ(と見切ったとは云わぬも)と見切りたいと願っている。
・ともあれ、上記サイトの写真に添えられた篠山氏の言葉、
「自然による新しい自然の創造。
それは神の悪戯でも凄惨な地獄でもなく、
静謐で尊く、荘厳な光景であった」
「僕は自然の力に畏怖し、
畏敬をもって凝視するしかなかった」

という言葉が身に染みる。
・人間的ドラマの時間スケールの変化の中に、突然、地球的レベルの時間スケールの変化のドラマが挿入されれば、誰だって
一瞬、戸惑わざるを得ないだろうが、事の本質はそういうことだ。それは決して、一方的な破壊ではなく、破壊と創造のドラマの
一局面に過ぎない。歴史的・社会的・政治的変化もまた、時にそういう時間スケールの置き換えという発想の転換によって考え
なおしてみる必要があるのではないか。

発想の転換、「Newsweek」日本語版(11/11/17、参照)に池田信夫氏が【「カロリーベース」という幻想を捨てれば日本の
農業はハイテク産業になる】との記事を載せている。
・TPP(環太平洋パートナーシップ)に対して農林水産省や農業団体は「関税が撤廃されたら日本の農業は壊滅する」という。土地
の狭い日本の農業は高コストで、海外の安い農産物が入ってきたらひとたまりもないというのが彼らの主張だ。しかし世界第1位
の農産物輸出国はアメリカだが、第2位はどこか、ご存じだろうか。
・オランダである。面積は4万平方キロと日本の1割強。農地面積は世界の0.02%しかないのに、農産物の輸出額は世界の1割
近い。農家一人あたりの年間輸出額は14万6000ドル(約1100万円)と、世界トップだ。その主力はよく知られている花や観葉
植物だが、トマト、ズッキーニ、パプリカなどの野菜も多い。しかもその輸出額は毎年のびている。高級農産物は成長産業なのだ。
・他方、日本の農水省は「カロリーベース」の食料自給率を高めることを政策目標にしている。日本で消費される農産物のうち、
国内生産の比率は金額ベースでは69%だが、カロリーベースでは39%になる。これは家畜の食う餌の自給率を農産物の自給率
にかけるためで、たとえば卵の自給率は金額ベースでは96%だが、鶏の飼料の9割以上は輸入なので、カロリーベースの自給率
は9%になる。

・価値基準をどこに置くか、何よって価値を計るかによって、物事は全く違った様相を呈する。
・もし日本の製造業が「重量ベースの自給率」を高めたら、半導体や携帯電話の生産が止まってコンクリートブロックや石材の生産
が増えるだろう。それが社会主義国で起こったことだ。旧ソ連では生産を重量ベースで計画したため、工業製品は重量の大きい
ごっついものばかり生産された(*)。日本の農業も補助金漬けの計画経済でやってきた結果、カロリーという無意味な指標で日本に
向かない穀物の生産に土地を浪費しているのだ。

・池田氏の意見に、必ずしも全面的に賛同するわけではないけれど、アメリカ・オーストラリア・カナダのような大陸国家と同じ土俵
の上で勝負しようとする考え方(最初から勝負にならないから「関税障壁」で守ろうという発想になる!)から脱却する必要があると
する点では、まさにその通り。規模拡大と効率化のスローガンも、)それ自体は不可欠の課題としても大陸国家の農業との「競争
条件」としてはB-29に対して竹槍を構える愚に等しい。

注(*);市場経済を廃止するため(「した」ためではなく、「する」ため)「貨幣」を名目的に廃止して、代わりに重量を
社会的価値尺度の基準として採用したため、個々の工業製品も重量で生産量が評価されたため、「重すぎ」て天井に
吊るせないシャンデリアが生産されたという「小話」がある(それとも実話?)!
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by agsanissi | 2011-11-19 06:55 | ミミズの寝言
2011年 11月 18日

ジャガイモ掘り

・今日は10時頃からジャガイモ掘りを予定していた。黒崎のボランティア・グループ(グループを作っているわけではないけれど)に
声をかけたところ、5~6人、忽ち「弁当を持って来る」という。ちょっとした芋掘り体験、またはピクニック気分。
・ところが今朝の冷え込みは今年一番、アメダスでは△3.1(4:50)、和野山のハウス内は△4度、畑はもっと下がっているようだ。
・畑は真っ白で、軽く凍っている。10時にはもちろん融けるけれど、まだ低温で(掘り取りの衝撃で)芋は傷つきやすい。昼からに
変更。
    参考:「地温が低すぎるとイモが打撲障害を受けやすいので、地温が10度以下のときは掘り取りをしないことが
         大切である」(【馬鈴薯概説】知識敬道、76.p)
・10:50~12:01、二往復
・12:05~12:40、三往復目
・12:47~13:17、四往復目(昼前に5人、午後から更に二人来て、掘取が追いつかなくなる)
・13:17~13:39、五往復目(掘取は順調になる、ほとんどトラブル無し)
・13:39~14:00、六往復目(掘り取りスピードをB-1からB-3に上げる)
・製品は概ね4㌧、タネ用として200キロ、掘り取りボランティアの持ち帰り400キロ、概数で4.5トン/12列
(収量は、やや少ないが、製品化率は高いか?)

・和野山、今朝7時40分と8時半
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【日々雑纂】
ロシアの国民性、【アミエルの日記】1856/07/01から、「国民性は常に人を通して、特に女を通して、透いて見える。それでロシアの
女も、その国の湖や河のように、突然襲って来て間々永く続く峻厳な天候の影響を蒙っているように見える。波のようにうねうねとして
優しい動きのうちに、いつも思いがけない氷の破片の脅威が含まれている。」

発想の転換、行き詰まったときは発想の転換を図れというのが僕の生活信条だ。そうは言っても、実際に発想の転換を図るのは難しい。
外部的な条件の転換によって、今までの考え方の延長では二進も三進もいかない状況にでも追い詰められない限り、慣性の法則とでも
云おうか、惰性に流される。(社会的には、どんな悪弊も、それに伴う既得権益が発生し、それにしがみ付く社会的勢力が発生する)
・「米作りが日本の農業の基本だ」という幻想を元に、減反政策のような全く相反する農政を数十年にわたってダラダラと続けてきた政策
の根本的な発想の転換を図るには、一度、壊滅的打撃を蒙るような外部的ショックも(TPPに、それほどの破壊力があるかどうか?)
不可欠じゃないのかと思っている。
・そんな騒ぎとは別に、人は「農業は衰退産業だ」と思っているかも知れないが、僕は「農業はこれからの産業だ」と考えている。今までの
農業は、基本的に肥料化学と機械工学に支えられて大規模化・効率化を図ってきた。これからは微生物学・発酵学・遺伝子工学を基礎
にした農業への転換を図っていくという発想の転換が必要なのではないかと夢想している(僕の生きている間に実現するかな?)
・それには天災か、政治的人災かを問わず、(既得権益にしがみつく連中を吹き飛ばすくらいの)壊滅的打撃を蒙る外的ショックを一度は
経験してみる必要があるのじゃないか。
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by agsanissi | 2011-11-18 09:48 | ジャガイモ
2011年 11月 17日

大詰め

・この数日が気温の陰の極のようだ。今朝は、アメダスで2時36分に△0.2度、通常は日の出直前5-6時台に最低気温は記録することが
多いが、今朝はその時間4度台まで上がる。僕の部屋の温度は4時半に9.1度で、この数日では一番下がった。
・気温もさることながら、風が強い。吹きさらしの畑での野外作業では、これが一番つらい。
・まだ畑に残っている収穫物は、ジャガイモ(ワセシロ)22列約7㌧、黒大豆4Ha、人参少々。来週中には全部終わる予定にしているが、さて
どうだろう。その後は畑の後処理(チョッパー&プラウ、またはハロー)、更に小麦播種。種イモの選別保管処理をして、今年の作業は全て
完了予定。

◆黒大豆刈り取り
・今日の午後から、東6の黒大豆の刈り取り開始。
・鴨糞を散布したところ、しないところ;その生育ぶりの際立った対照に唖然。窒素が効きすぎればダイズが駄目なのはわかっているが、
鶏糞に比べて鴨糞の窒素分は(水鳥だから)何分の一かと聞いていたので大丈夫と判断したが、甘かったね!雑草ばかり繁茂して
肝心のダイズは申し訳程度。
・小麦・人参には絶大な効果があるが、ダイズは翌々年以降にすべき。ジャガイモの場合は前作に散布を前提にしているが、東6のこの
部分、来年はジャガイモを予定しているが結果は如何に?

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◆ジャガイモの収量
・東14のジャガイモの収量は、概ね350~400キロ/列。平均して700株植わっているから、腐れ・その他を考慮しても、一株当り500~
600グラムとなる。現在の地力・施肥・生育期間では700~800グラムが限界か、と考えている。これだと反4千株播種するとして3㌧強が
限界。岩手県の平均反収は2.2㌧と聞いているが、これはクズ芋も全て含めてだと思うが、500~600グラム/株。僕の場合は、クズ芋
を除いた製品可能量のみ。やや平均値を超えているか。北海道では生食用の場合反収5㌧と聞いている。
・故吉田先生に、光合成能からみた最大可能収量の理論値はどのくらいかお聞きしたところ9㌧との答え。実際の畑では、いろいろな制約
条件があるから、それは不可能としても、岩手でも5~6㌧は必ずしも不可能ではない。その場合、株当り1.2キロ。
・現状では、最も条件のよい場合で800程度。現在の実質生育期間は6月初旬から7月末まで約2ヶ月、理論的には、これを80~90日に
延長できる可能性はあるが、実際には冷夏の年(8-10年ほど前)に一回あっただけで、現状では60日前後の生育期間にとどまっている。
・可能性として考えられるのは、肥大の促進、生育期間の延長(播種時期の前倒し)、総茎数・茎当り着芋数、このうち実際的手段は何か?


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自動制御システム、人間の身体は、ある種の自動制御システムで外界の変化に対して(あるいは変化にもかかわらず)ある程度の
恒常性を保っている。典型的には体温、血圧、心拍数など。その変動幅に違いはあるにしても、ある振幅の範囲内で変化しており、それ
を大きく超えて変化すれば、何らかの病的状態。
・食物から摂取された炭水化物やタンパク質はブドウ糖に分解され、血液によって全身に運ばれ、細胞に取り入れられて、エネルギー源
として働く。絶食して血液中のブドウ糖が不足しても困るし、逆に細胞に取り込まれず血液中に滞留しても不都合が起こる。血液中の
ブドウ糖の割合(血糖値)は、食事内容や量、食前食後で変化するけれど、通常はかなり狭い範囲に制御されている。
・実際の幅、というか非糖尿病者の適正値はどの程度か?医者・研究者によって違いがあるが、【糖尿病の解決】のバーンスタイン博士は
「正常値は血糖値85~95mg/dlに相当すべきである」(第三版、日本語版。今年11月に発行されたばかりの英語版第四版ではなぜか
75~86mg/dlと約10mg/dl厳しくしている)と書いている。
・取り入れた食物量や消費或いは発散したエネルギー量が変わっても、あるいは一二回の食事を抜いても血液中のブドウ糖の割合が
ほぼ一定に保たれているのは、インスリンとグルカゴンというホルモンの働きのお陰。特にインスリンの働きが停止するか(細胞はブドウ糖
を利用できず、放置すれば死亡する)、恒常的に低下した状態を糖尿病という。
・だから糖尿病の治療(または管理)は、損傷して壊れた自動制御システムを「人為的に」回復してやるほかはない。インスリンの働きが
「停止」した1型糖尿病では、インスリンを外部から注入して血糖値を制御する必要があるし、インスリンの働きの低下した2型糖尿病では
エネルギー摂取と放出のバランスを考慮しながら制御する必要がある。このバランスには、法則性はあるにしても個人によって・体調その
他によっても、自ずから相違がある。
・僕が【バーンスタイン博士の糖尿病の解決】に、いっぺんで惹かれた理由は「本書の主な狙いは、どうやって血糖値を予測し、またどう
やってその予測が正確であると保証できるかについて、あなたが学ぶ必要のある情報を提供することである
」と書いている点だ(僕は、
何々を飲めば・食べれば、「血糖値はみるみる下がる」云々の世迷いごとは一切信用しない)。
・糖尿病を管理できるのは、医者でもないし、まして薬でもない。医者にかかっていても、薬を飲んでいても、糖尿病が悪化し、薬が効か
なくなり、合併症に至る例は山ほどある。何れも血糖値の管理が不十分なためだ。だから何を食べ、どんな活動・運動をすれば、自分の
血糖値がどのくらいになるか、正確に予測できることが、糖尿病管理の不可欠の条件で、それを日々管理できるのは自分しかない。
・僕は、三年前に糖尿病だと診断されて以来、いろいろな食事パターンと運動との組み合わせで血糖値が数時間ごとにどのように変化
するか、数百回測って、いまでは大体の血糖値を予測できるようになった。
・ところが、時に全く予測外の数値が出ることがある。その都度、本書を読み返して、その理由を考えている。思い当たることもあるし、
疑問のまま残ることもある。いずれにせよ、その都度、新たな発見をしている。
・バーンスタイン博士も「多くの生物学的ならびに機械的システムは少量の入力に対しては予想とおりの反応を示すが、大量の入力に
対しては、混沌とした、また相当の予想外の反応をする」と書いておられる。
・今年11月、【Dr. Bernstein's Diabetes Solution: The Complete Guide to Achieving Normal Blood Sugars】第四版
が出たので、早速取り寄せて読んでいる。改めてわかったこと、そう云ってはやや失礼かもしれないが、翻訳が正確で良いこと。但し、
幾つかの数値が改定されたのか、他の理由があるのか違っている。明らかな間違い(小さいことだけれど)もある。とはいえ全体として
良訳だ(日本には、良訳は数少ない!!)
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by agsanissi | 2011-11-17 09:40 | 作業メモ