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農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2009年 06月 10日

「がんとの闘いの戦略変更」

食品安全情報Blog」に「エッセイ:がんとの闘いの戦略変更」(参照)との記事が掲載されている。
解説に、
患者や政治家はがんの「治癒」をますます熱望する。しかし根治させようとするより制御しようとするほうが
良いかもしれない。特に播種性のがんでは。
外来害虫や病気を「絶滅」させるのが不可能で、農薬を含む各種対策により統合的管理を行うということと
パラレルに、がん細胞を一つ残らず殺すために厳しい治療を選ぶよりは管理するための人体にダメージの
少ない方法を選んだ方がいいかもしれない、という提案。
(高齢者ならなおさら)

とある。
ここで「播種性のがん」とあるのは、癌の「転移」の仕方による分け方で、
・リンパ行性
・播種性
・血行性
の一つ。がん細胞が周辺の臓器に、タネを播くようにして増殖していく「転移」の仕方をいうそうだ(参照)。

「癌」に関する知識は皆無だから、この記事を論評する気はいっさいないけれど、
特に「外来害虫云々...」以下の、多分、Blog開設者の解説が興味を引いたので転載しておく。

元記事は、NATURE(09/05/28、参照)で)
A change of strategy in the war on cancer」という表題で、
Patients and politicians anxiously await and increasingly demand a 'cure' for cancer.
But trying to control the disease may prove a better plan than striving to cure it, says
Robert A. Gatenby.

The German Nobel laureate Paul Ehrlich introduced the concept of 'magic bullets'
more than 100 years ago: compounds that could be engineered to selectively target
and kill tumour cells or disease-causing organisms without affecting the normal cells
in the body. The success of antibiotics 50 years later seemed to be a strong
validation of Ehrlich's idea.(フリーの紹介は、これだけで有料の全文は読んでない)

何事によらず、存在するものには、それなりの根拠と他の諸物とのある種の関連の中で存在するのであって
決して「孤立して存在」しているわけではない。ある特定のものが、周囲とのバランスを欠いて増殖する場合、
・それが「害」かどうかは、人間的な視点であって、自然の生態系との関係では必ずしも「害」とは見なせない
・バランスを失うような「増殖」には、それなりの根拠があり、増殖の「結果」にのみ注目するのは一面的だ
という考え方からすれば、
「がんとの闘い」も
外科的、薬事的な方法で、「癌を撲滅」するという考え方よりも
・まず癌細胞に侵されないような生活習慣
・自己の免疫系の働きを活発にするような諸方策
という考え方のほうが馴染みやすい。

糖尿病の基本的な治療法は
運動と食事」だというのも、同じ考え方から派生する。

by agsanissi | 2009-06-10 10:33 | 参考記事


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