2009年 09月 16日
日経BPnetのシリーズ「時代を読む新語辞典」の欄に 「農地争奪」~食料不足が生み出す「新植民地主義」への懸念(09/09/11、参照)という記事が載っている。 この作業日誌でも「食料自給を考える」のシリーズその他の中で、「土地と水」が国際的に枯渇し、もっとも 重要な資源になる可能性があるという記事を扱ったことがある。また最近の国際的な農地争奪戦については 「食糧争奪戦争」(良質の分析とは思わないけれど、参考になる記事は散見できる。参照)でも個別事例を 幾つか紹介している。国際的「土地争奪」の事例をまとめておきたいとは思うが、まだやってない。(自分でも 関連した記事をあちこちに書いていて、それもまとめておかなければと思いながら、それさえ未だやってない) というわけで、上記記事の摘記を載せておく。 ・今年3月東アフリカのマダガスカルで政変が起きた。 ・この政変のきっかけが「韓国による農業投資問題」だった。昨年11月、マダガスカルの国内報道で、韓国 企業と旧政権がある契約を結んだと「報じられた」のだ。その契約とは「韓国企業が同国に対して今後25年間 で60億ドルのインフラ整備を行い、そのかわりに農地130万ヘクタール(同国の耕作可能面積の約半分)を 99年間無償で貸与する」という内容だった。 ・中国はコンゴ(旧ザイール)において農地280万ヘクタールを利用したパーム油栽培の権利を確保して いる。これは日本の農地面積の約60%に当たる。 ・中国は農地の確保とともに、アフリカに数百万人規模の農業労働者を送り出す構え。 ・サウジアラビアは「サウジアラビア農業海外投資基金」を約53億ドルで設立。インドネシア(160万ヘク タール)やスーダン(1万ヘクタール)などの農地貸借権を確保している。 ・(サウジアラビアでは)かつて、小麦の自給自足や輸出を実現するほど自国内の農業投資を積極的に 行っていた。しかし地下水の枯渇が深刻化したことから農業政策を180度転換。小麦供給をすべて輸入に 切り替える方針を打ち出している。 ・国際食料政策研究所(IFPR)の推計では、2006年から今年までに主な投資国(中国、韓国、UAEなど)が 取得した土地は1500万~2000万ヘクタールにも及ぶという。これは日本の農地面積の3~4倍にあたる 規模だ。 ・食料ナショナリズムは、一連の投資国に対して大きな危機感をもたらしている。例えばアルゼンチンや ウクライナなどは、小麦などの輸出品に高い関税を課すなどして食料の流出防止に努めた。つまり「緊急 時には国際市場で食料が確保できない」可能性が現実味を帯びてきたのだ。(いま読んでる最中の「グロー バリゼーションの終焉」参照は、現在進行形のグローバリゼーションは、決して一直線に進むプロセスでは なく、世界史的に見て何度か「グローバリゼーションの反動期」と交代してきたことを分析している。 のみならず表題から予測できるように、現在のグローバリゼーションは保護主義に取って代わられる可能性 を指摘している。この本の原書が出版されたのは01年で、昨年のリーマン・ショック以来の「保護主義の 台頭」は反映されていない。もっとも、まだ数十ページしか読んでないので詳細は分からない。) ■
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by agsanissi
| 2009-09-16 05:48
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