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農のある風景/作業日誌/ようこそ!!荒木農場へ

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2006年 05月 13日

ダイズの出芽期の湿害

明け方、カッコーとアオハズクの声で目覚めた。
自宅でカッコーの初鳴きを聞くのは初めてだ。
大豆播種期のこの時期、毎年、カッコーの初鳴きに
耳を澄ましているが、15-6日が平年日だ。
里は山より早いのか?

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これから約二週間が、この地域の大豆播種適期で、概ね梅雨入り前だ。
多くの地域では、梅雨期と重なるため、出芽期の過湿害が問題になる。
開花期以降のダイズの要水量は非常に多く、この時期の吸水量が収量
の制限要因になるくらいだ。
しかし出芽期の過湿は、逆に、出芽率にも、その後の生育にも著しい
マイナス要因になる。ダイズが吸水して、発芽が始まると、呼吸が急に
活発になるが、この時期に過湿条件で1-2日酸欠状態に陥ると、仮に
発芽しても、その後の生育も劣ることがわかっている。
一方、「乾燥種子からの急激な吸水は細胞、組織の破壊を引き起こす
ため、予めダイズ種子の水分を15%程度に調整しておくと、湿害による
出芽障害を大幅に軽減できることが明らかになっている」(「食用マメ類
の科学」から、養賢堂)

この時期、通常の種子ダイズの水分は11%台だった。
このダイズに、重量の10%の水、例えば1キロのダイズに対して
100グラムの水を加えて、満遍なくかき回し、広げて自然乾燥させて
1-2日おいたダイズの水分は14.4%だった。
バケツに3キロのダイズを入れ、450グラムの水を加えて、満遍なく
かき回したが、やや水が底に溜まった。これをバケツに入れたまま
自然乾燥させると、表面のダイズ水分は14%台だったが、底のほうの
ダイズは発酵気味で、ダンゴ状に固まって、水分は17-8%だった。

初期の水分状態や湿度によっても違うが、概ね、加えた水の半分弱が
吸水され、半分強が蒸散するといえるのかな。

by agsanissi | 2006-05-13 19:09 | ダイズ


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