2008年 02月 29日
△5.3/9.7度、日照5.9時間、風やや強し。 穀物の世界的な指標相場となっているシカゴ商品取引所(CBOT)小麦先物3月限は 1ブッシェル(約27キロ)当り12ドル台をつけた後、やや反落した。 ロイター電(08/02/27)は、 0400GMT(日本時間午後1時)現在、CBOT小麦先物は期近の3月限が1ブッシェル=11. 80ドル。前日のシカゴ市場から1.6%下げている。アジア時間の序盤では、ストップ高を付け た前日のムードを引き継ぎ上昇、一時、約6%高の12.74─3/4ドルまで買われる場面もあ った、と伝えている。 06年後半以降の急騰振りは、右図(07/09/25読売から) に見るとおり。仮に、06年末と最近のキロ当たり小麦価格 を試算してみると(クリックで拡大) 4ドル×115円÷27キロ≒17円から 12ドル×107円÷27キロ≒47.6円へと 約2.8倍になった。 このような国際価格の急騰を受けて、農水省は輸入麦の 売渡価格の平均30%の引上げを決定した(02/15)。 農水省の報道発表は(参照)、 麦の国際相場は、 (ア)中国やインド等の人口超大国の経済発展による食料需要の増大 (イ)世界的なバイオ燃料の原料としての穀物等の需要増大 (ウ)地球規模の気候変動の影響 といった構造的な要因による穀物需給のひっ迫から大幅に上昇している。 としている。 実際には、「構造的な要因」との報道をバックにした投機的取引による急騰が中心だろう。 サブプライム・ローンの焦付きをきっかけにした金融不安と株安でだぶ付いた資金が石油 市場や穀物市場になだれ込んだ結果の上げ相場だ。 ともあれ、中日新聞(08/02/16)によると政府売渡し価格の「5銘柄加重平均で1トン当た り5万3270円から、6万9120円になる。記録が残っている1970年以降、73年12月の 35%に次ぐ大幅値上げとなった。輸入小麦価格は昨年4月に1・3%、同10月に10%引 き上げられており、昨年からめん類やパン、菓子などの価格引き上げが相次いでいる」と のこと。 農水省の報道発表には、「参考2」として 平成20年度の輸入麦の政府売渡価格の算出に当たって織り込まれるマークアップ等の額 は以下のとおりである。 マークアップ :16,868円/トン(税込み、小麦、一般輸入方式) 港湾諸経費:2,102円/トン(税込み、小麦、一般輸入方式) と、付録のように報じられている。 「マークアップ」とは何だ? 嵩上げ分、差額、マージンという意味だ。その実態は、関税と思えばよい。 「マークアップ」がマークアップと云われる由縁を初め、小麦の政府売り渡しの仕組みや 国内産小麦との関連は、緒方林太郎氏のブログの「小麦の価格」(08/02/16、参照)を 読んで貰うと分かりやすく説明されている。 一方、同じ問題を取り上げて、こちらのブログは、「小麦 マークアップって…」(参照)で 小麦生産者のみなさんが政府の助成金目当てに 小麦を生産することをやめてくれれば、 消費者は安くて高品質な小麦にありつけるのですが。と、論じつつ、 「小麦生産者は一般消費者の敵ですな」と煽っている。 (引用されている数字は、ウソではないが、実態とはかけ離れている) このくらいハッキリと煽り立ててくれると、論点が明瞭になって結構ですな!
by agsanissi
| 2008-02-29 21:10
| 小麦
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